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【丸善松丸本舗BookNavi】本を贈ること、それは思いをつなげること。ワークショップ『はじめての、本の贈りもの術』体験レポート

matsumaru_gift1.jpgクリスマス、年末年始とイベントが続くこの季節、プレゼント選びに頭を悩ませていませんか? そんなあなたに提案したいのが、ちょっと視点を変えて、本を贈ってみること。今月の【丸善松丸本舗BookNavi】では、松丸本舗が開催しているワークショップ『はじめての、本の贈りもの術』の体験レポートをお届けします!

このワークショップでは、本選びのコツから、ギフトボックスの詰め方まで、本をプレゼントするための様々なノウハウを教えてくれるそうです。センスが問われそうな本の贈り物術。さっそく私もワークショップに参加し、コツを学んできました!

「1冊の本×わたし」から広がる世界を体験

matsumaru_box.jpg『はじめての、本の贈りもの術』では、松丸本舗オリジナルのギフトボックス「from-to BOOX」を使用。まず1冊の本を選ぶことからはじめ、贈る相手を想いながらまた別の本と繋がり、自分だけの「BOOX」を完成させます。本を組み合わせる楽しさ、容れ物に詰める楽しさを実感できるワークショップです。

本を贈りたい人の強い味方となってくれる「from-to BOOX」は、文庫本2冊がぴったり入るサイズのものと、単行本も組み合わせて3冊以上入れられる2段重ねのボックスの2種類で、様々なニーズに対応してくれます。

この日の講師はブックショップエディターの森山智子さん。参加者は松丸本舗の常連さんでもある千々松さんと私の2人です。

今日のワークショップでは、3冊の本を選んで2段重ねのギフトボックスに入れることにチャレンジしますが、森山さんによると「3」は魔法の数字で、何かが3個が集まると世界が変わるのだとか。「例えば、男と女に子供を足すと家族になりますし、指輪を足すと婚約になりますし、様々な物語が生まれるんです」と森山さん。これから生み出す物語にワクワクしながら、さっそく、ワークショップのスタートです。

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1:1冊目の本を選ぶ

まずは、松丸本舗の書棚の中から1冊の本を選ぶことから始めます。贈りたい人のことを思い浮かべてみたり、今の気持ちで読みたいものなど、どんな基準で選んでもOK。自分が読んでいない本でも構わないとのこと。私たちはさっそく、迷路のような本棚に向かいました。

でも、「どんな本でもいい」と言われてしまうと、逆に選び難いこともありますよね。そんな人には、「普段どんな本を読まれますか?」「こちらの本棚にはこんな本もありますよ」と、森山さんが優しくアドバイスをしてくれるので安心です。やはり贈り物となると、自分用の本を選ぶのとはちょっと違う視点。本棚を眺めるのも、とても新鮮な感覚を覚えました。

2:本の特徴を把握し、キーワードを見つける

matsumaru_fusen.jpg悩んだ末に選んだ本を手に席に戻り、まずは3分間、本をパラパラとめくってみます。目的は、この本の特徴を把握すること。知らない本を選んだ場合も、この時間に内容や文章の雰囲気、装丁や挿絵などから特徴をつかみ、キーワードを付箋に書き出していきます。そして最後に、10個以上書き出したキーワードの中から、3つを選び出します。

キーワードが出そろった後は、参加者同士でそれを共有する時間。千々松さんが選んだのは、『だれも知らなかった百人一首』(吉海 直人・著)という文庫本。書き出したキーワードは「カラーと絵図」「藤原定家の編集力」「10×10=100」の3つです。一方の私は何度も読んでいる『自分の仕事をつくる』(西村 佳哲・著)という本を選び、「働き方と生き方」「何度読んでも気付きがある」「下部に余白」の3つをキーワードとして選びました。

私の場合、良く知っている本だったので、書いている内容や自分が読んだ時の感想、装丁についてもみなさんにお話することができました。でも、不思議だったのは、初めて見た本を選んだ千々松さんも、同じようにたくさんのことを語っていらっしゃったこと。そしてそれを聞いていた私も、その本を知ったような気持ちになったのです。パラパラとめくっただけでも、その本を選んだ方には、何か、テーマや装丁に対する思いがあり、それがキーワードによって言葉として語られたのだと思います。私も、言葉に出して語ることで、自分の内面に対して新たな発見もありました。

3:キーワードから連想し、さらに1〜2冊を選ぶ

matsumaru_honerabi.jpgさて、この後私たちは再び書棚へ。今度は、先ほど自分で書き出したキーワードから連想して、さらに1〜2冊を選ぶ作業です。千々松さんと私は、1冊目がどちらも文庫本でしたので、2段のギフトボックスに入れて3冊セットの贈り物にすることを前提に、文庫本1冊、単行本1冊を選ぶつもりで、書棚へ向かいました。森山さんのアドバイスをいただきながら、松丸本舗こだわりの書棚を巡るのは、それだけでもワクワクする体験。連想を膨らませながら本を手にして内容を吟味し、約10分後、2人とも納得の2冊が見つかりました。

matsumaru_chijimatsu3satsu.jpg千々松さんが選んだのは、『すごろく1』(増川 宏一・著)『日本語の美』(ドナルド・キーン)の2冊。その後のシェアタイムで、選んだ理由も教えてくれました。『すごろく1』は、1冊目の『だれも知らなかった百人一首』に、百人一首でつくられたすごろくの挿絵を見つけたから、とのこと。一方、『日本語の美』については、百人一首の「5・7・5」の美しさから連想したそうです。百人一首から始まり、遊びや、美を連想した3冊は、どこか統一感があるように感じます。

私は、『ココ・シャネルという生き方』(山口路子・著)『美しいこと』(赤木明登・著)の2冊をチョイス。前者は生き方という共通点から、後者はインタビュー集であることから選びました。プレゼントという視点で選んだので、どちらも装丁がとても美しかったことも決め手となりました。

4:贈る相手にメッセージを書く

本が決まったら、どんな本を選んだのかを相手に伝えるメッセージカードを作成します。贈る相手が決まっていなくても、どんな人に贈りたいかを想像しながら書けばOK。千々松さんは「日本の文化を見直したいあなたへ贈ります」、私は「ちょっと立ち止まって考えてみたいあなたへ、生き方を考えるきっかけとなる3冊を贈ります」と書き、本とカードのセットが出来上がりました。

5:箱に詰めて完成!

matsumaru_kansei.jpg 最後は、選んだ本を箱に詰める作業。3冊を選んだ場合、2段のギフトボックスに入れることになりますが、上段、下段のそれぞれにどの本を詰めるかは自由。千々松さんも私も、上段に文庫本の2冊を、下段に単行本を詰め、ギフトボックスを完成させました。写真の右が千々松さん、左が私のもの。千々松さんはイラストにも統一感があり、センスが感じられる贈り物に仕上がっていますよね。

私の場合、贈る相手は決まっていなかったのですが、最初の1冊から連想をつなげていく作業によって、改めてその本について、また、その本を選んだ自分の心境について、深く考えるきっかけになりました。

今回ご紹介したワークショップ『はじめての、本の贈りもの術』は、次回は12月28日(水)18:30〜19:30に開催予定です。もちろん、ワークショップ以外の時に来店しても、ブックショップエディターのみなさんに相談しながらギフトセットをつくることもできますが、ワークショップの楽しさは、他の参加者のみなさんと思いをシェアすることにあります。みんなで本に思いを巡らせ、つなげていく体験を、ぜひ多くの方に味わっていただきたいと思います。

バラエティ豊か!松丸本舗のBOOKGIFT

matsumaru_gift2.jpg松丸本舗では、自分でセレクトするギフトの他に、様々なコンセプトのギフトセットが用意されています。
町田康さん、ヴィヴィアン佐藤さん、杏さんなど5人の著名人が贈りたい数冊の本と、とびきりの「一品」に、書き下ろしのメッセージが添えられた『SPECIAL SELECT』(4,500~35,000円)は、贈る人にあわせて選びたいもの。そして、松丸本舗のエディターが知恵と遊び心でセレクトした『EDIT SELECT』(3,800~28,000円)は、2〜3冊の本と、それにちなんだ「一品」がセットになったものとなっています。

どれも松丸本舗だから実現したオリジナルのブックギフトです。それぞれ数に限りがありますので、ご購入はお早めにどうぞ。

丸善本店 松丸本舗

営業時間: 9:00〜21:00
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松丸本舗ウェブサイト

松丸本舗では、『はじめての、本の贈りもの術』の他に、『読書の秘訣 セイゴオ流 目次読書法』(毎週金曜日開催)、『三冊屋ワークショップ 「日本数寄」篇』(第1土曜日、第3日曜日開催)など、他にはないオリジナリティあふれるワークショップを多数開催中です。詳細は直接店頭、またはホームページにてご確認ください。