Insight 2050年へのまなざし

2050年を語る 村治 佳織

物心つく前からギターを弾き始め、10代で数々のコンクールに優勝、国内ではNHK交響楽団など数々のオーケストラと競演し、海外でもイタリア、韓国、上海などでのリサイタルを行う、カリスマ的人気を誇るクラシックギタリスト、村治佳織が考える2050年とは──。

村治 佳織
むらじ かおり
1978年、東京都生まれ。3歳より父・村治昇にギターの手ほどきを受け、1992年ブローウェル国際ギター・コンクールなどで優勝。
1997?1999年パリのエコール・ノルマルに留学。2003年、英国名門クラシックレーベルデッカ・レコードと日本人初のインターナショナル長期専属契約を結ぶ。現在最も注目されているギタリスト。

クラシック音楽には1000年以上の長い歴史がありますから、2050年と言うのはそれほど遠い未来ではありませんし、音楽の役割という意味では大きくは変わっていないと思います。オーケストラの良さは、100人近い人が息を合わせて一斉に楽器から音を出す、その圧倒的な迫力、うねりです。それは絶対に受け継がれていると思います。しかし、いつの時代も、埋もれていくもの、残っていくものがあります。たとえば、バッハなどは今のように世界的に認められるようになったのは死後何十年と時が経ってからのこと。自分の演奏ということに関しては、私は、音楽の持つ歴史や意味に大きくこだわらず、今生きている人たちとのつながりを大事にしようと思っています。クラシック音楽には1000年以上の長い歴史がありますから、2050年と言うのはそれほど遠い未来ではありませんし、音楽の役割という意味では大きくは変わっていないと思います。オーケストラの良さは、100人近い人が息を合わせて一斉に楽器から音を出す、その圧倒的な迫力、うねりです。それは絶対に受け継がれていると思います。しかし、いつの時代も、埋もれていくもの、残っていくものがあります。たとえば、バッハなどは今のように世界的に認められるようになったのは死後何十年と時が経ってからのこと。自分の演奏ということに関しては、私は、音楽の持つ歴史や意味に大きくこだわらず、今生きている人たちとのつながりを大事にしようと思っています。

音楽には多様性が重要です。それは都市にもあてはまるはず。でもそういう点で言ったら、東京はこれだけ大都市でいるのにかなり単一。これだけ発展していてひとつの民族だけって他の大都市にはあまりないですよね。人が多様になると、問題もたくさん出てくるでしょうけど、一方でいろんな刺激を生み出しています。インターネットの発達で情報だけは共有できても、やっぱりその地で暮らしたりとか空気を吸ったり、その国の人たちとその国の言語で話すということは何事にも代えられない。いつでも、どこでも音楽を聞けるようになったけれど、やはり自ら出かけていって、「生」で音楽を聴くことがなによりも重要です。

2050年には、インターネットなどの普及によってもっとコミュニケーションが盛んになって、ジャンルを超えてさまざまな音楽、とくに埋もれていた民族音楽などが前に姿を現すと思いますね。ボサノヴァも、もともとはブラジルの奥地から発生して、世界に広がったように。

私としては、クラシックは「生の音」という制約は大事にして、その中で新しいことをやっていきたい。そのために、もっと子どもに聞いてもらう活動が重要。ただ、ギターは木でできているので、環境問題はちょっと心配ですね。森が消失しているのは、どうしたらいいんでしょう......私の今後の課題です。自分の暮らしで言えば、2050年でも「おんな寅さん」を続けていたい。そして孫の留学先を訪ねたり(笑)。ウィーンに行っても柴又にいる時と全く同じ格好をしていた寅さんのように、ほかの文化も尊重して、自分のルーツも大事にしたい。私は旅が好きだし、常に変化しつづけていたい。そして、指が動くかぎりはずっと、ギターを弾き続けたいですね。


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