Dialogue 大丸有に関する方々

ステークホルダーとの対話

ステークホルダーとの対話を通して、大丸有のありかたを見直しています。

働く女性たちの「大丸有への目安箱」

大丸有には、そこで働く人、遊びに来る人、移動の途中で立ち寄る人など、さまざまな人が行き来します。まちに関わるすべての人にとって快適な場所であるために必要なものはなにか。

4名の働く女性にお集まりいただき、女性ならではの視点で大丸有への率直なご意見をうかがいました。(開催日:2009年4月3日、開催場所:丸の内「エコッツェリア」)

開催日:2009年4月3日、開催場所:丸の内「エコッツェリア」

参加者プロフィール(敬称略)

河口真理子
河口真理子
(株)大和総研 経営戦略研究所 経営戦略研究部長 主任研究部長、NPO法人社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)代表理事・事務局長。
東福寺なおみ
東福寺なおみ
日本パシフィックセンチュリーグループ 執行役員 COO 、NPO法人大丸有エリアマネジメント協会 理事。
村山祥子
村山祥子
(株)日本経済新聞社 文化事業部。シンポジウムや、イベントを通して自社のPRや販売戦略を担当。
山下朋恵
山下朋恵
(株)ティップネス 丸の内店 支配人。フィットネス事業を手がける(株)ティップネスにて、丸の内店の新規出店を手がける。

大丸有というまち
愛着の湧くまちになるために

東福寺:
大丸有は、ここ10年でとてもに変わったな、と思うんですよ。まちがきれいになりましたし、昼間と夜の人口のバランスがとれ、色々なイベントが行われて週末にも人がいるようになりました。本当に努力の賜物だと思います。
村山:

私は、このエリアで働くことになってしばらく経った現在でも、初めて行くビルから外に出ると、迷子になりそうなことがあります。丸の内仲通りで使われているようなきれいにデザインされた看板などがあれば、迷わないですし、雰囲気も良くていいと思います。就職活動されている学生さんもよく迷っているのを見かけます。

あと、エスカレーターとエレベーターが少ないですね。東京駅が近く、出張の方など大きい荷物を持った方も多くいらっしゃるので、そういう方への配慮があるとより便利だと思います。

山下:

大丸有は地下が非常に発達していて、私も最初迷いました。地下から地上への出方がわからず、同じところを行ったり来たりしてしまうんですよね。地上に出ると皇居やターミナルなどを目印にして方向がわかるのですが、地下は迷路のようで目的地への距離が心理的に遠く感じてしまいます。

あと、大丸有地区が行っている環境についての活動は非常にすばらしいと思いますが、当社の本社が隣の神田にあるにもかかわらず、あまり知られていません。それがとてももったいないと思います。同じ千代田区内なので、もっと活動が認知され、浸透していくと良いと思います。

河口:

丸の内は、便利で道も整備されていて気持ちがいい反面、非常に人工的で、取り付くしまがない印象もあります。丸の内では50年も建ち続けている建物は大半が最新型の新しい建物になっています。ある意味で外国的で、立派で、すばらしいけれど、愛着が湧かない。人工的でスノビッシュな印象があります。

愛着というのはでこぼこしているようなところに湧くものです。丸の内のようにツルツルとしていると愛着の湧きようがないように思いますね。

まちに愛着をもってもらうためには、そこにいる人がまちにコミットする場をどれだけつくれるかではないでしょうか。デベロッパーやデザイナーなどのプロフェッショナルがつくれば、立派ですばらしいものができますが、自分とは違う世界にお邪魔しているように感じます。

コンテンツに関しても、地権者や就業している方々が参加できるような仕かけをつくったら良いのではないかと思います。

まちと子育て
全ての人にとって居心地のいい場所

村山:
この地域でベビーカーを使用するお母さんたちからは、車輪がひっかかりやすい、エレベーターの台数が少ないのでベビーカーで乗り入れるのが心苦しい、という声を耳にしますね。
東福寺:
TOKIA* に託児所がありますが、そこに預けられている子どもたちがパシフィックセンチュリープレイスの公開空地に、午前10時くらいに散歩に来るんです。警備員さんが敬礼していたり、ビルの訪問者が微笑ましく眺めていたりしてなかなか好評ですよ(笑)。

やはり、お母さんたちが働きやすい環境が当たり前、というような状況をつくっていくべきですよね。赤ちゃんを電車で連れてくるのは大変だと思いますが。

* TOKIA(トキア)=リニューアルされた東京ビルディングの地下1階〜3階の商業ゾーン

河口:
都心の託児所に朝の満員電車で子どもを連れてくるのは、難しい面もありますよね。このまちは子どもを歓迎している雰囲気はないですね。

例えば、おしめ替えの場所は男女両方のトイレに設置されているのか、などということを考えると、大丸有は子どもを連れてくる場所というより、大人の空間であるように思います。

昼間はビジネスマンが多いので、子どもを連れていると「何をやっているんだ」という視線を浴びるときもあるでしょう。子どもを受け入れる空間になっていなくて良いのか、あるいは受け入れたいという意思があるのか、大丸有がどのような判断をしているかがよく分かりません。

山下:

大丸有は何になりたいのか、ということですよね。

お昼に飲食店に行くと、ビジネスマンがそこで商談をしていることもあるので、子ども連れのお母さんだけではなく観光客にとっても、居づらい雰囲気があると感じます。かといって、逆にお母さんや観光客のためのまちになるとも思えません。

このエリアの中で、様々な立場の方々がそれぞれ居心地よく過ごせる場所を構築できるといいと思いますね。

まちと健康
日本の中心から新しい価値観を

山下:

丸の内のランチは、値段が高いですね。毎日は通えないなと思います。

有楽町の国際フォーラムに出ている「ネオ屋台村」は割安なこともあって人気でいつも長い列ができていますし、国際ビルの地下にはリーズナブルなお店が集まるエリアもありますね。ランチは毎日のことなので、コストと栄養バランス、おいしさ、その後に環境が基準になってくると思うんです。

河口:

地域での社食のようなものやフードコートなどがあればいいかもしれません。観光客の方々との住み分けもできますし。

ただ、昼食を一斉にとるので、エレベーターが混み合いますね。また、社食は会社から一歩も出ない生活をイージーにしてしまい、それは健康上・精神上かならずしも良いことではないでしょう。お昼ぐらい外に出て風に当たるのもいいのかな、とも思います。

村山:

私はなるべく外の空気を吸いたいので、お昼は外食を心がけていますが、丸の内はやはり食事の価格が高いですし、時間によって人が集中するので入れるお店がなくなってしまいます。お昼でも予約していけるお店もあるので、ビジネスで使う場合には良いですね。

外の空気を吸うという意味では、当社は長時間勤務なので夕方に大手町のフィットネスや神田の体育館などに行って運動をしてまた戻ってくる人もいます。さすがに昼休み中にはなかなか行けませんが。

東福寺:

当社はお昼にフィットネスに行く人はいませんが、朝に寄ってくる人はいますね。身近なところで体を動かすのであれば、自転車シェアなどの仕組みができて気軽に自転車に乗れるようになればいいと思います。

大丸有は自転車置き場が限られているのは問題ですね。鍛冶橋などのガード下の放置自転車は、駐輪場が空いていないので、近隣で働く人たちがガード下に停めていくという状況があるようです。

また、このまちは自転車で動きやすい設計になっていないので、歩いている観光客の方たちと自転車が住み分けられるよう、うまくハードを設計しなおさなければならないですね。

河口:

大丸有は、自転車による交通が難しいまちだからこそ、「自転車で動けるまちをつくるのよ」とメッセージを発してそれがうまくいったとき、日本中に波及効果があると思います。

この地区には本社がたくさんありますが、役員の方々には銀座に行くのにも車が用意されています。それが偉い人を丁寧に扱う作法という価値観があるのでしょう。でも、大丸有から銀座へ行くならば歩いた方が気持ちが良いし、駐車場を探す時間を考えると徒歩や自転車の方が速いんです。

「歩けるなら歩きましょう、自転車が使えるならば自転車で行きましょう」と、これまでの常識にとらわれずに新しい価値観を生み出していってほしいと思います。

村山:
そのメッセージは海外に対しても大きなメッセージですよね。海外で某社長がジェット機を使って移動した、などという話もありましたが、日本の中心である大丸有で環境に配慮した取り組みを率先してやることは、世界にメッセージを発信する素晴しいことだと思います。
以上

  • 前のページへ
  • 表紙へ
  • 次のページへ

このページのトップへ

ecozzeriaのTwitter(新しいウィンドウが開きます) 3*3ラボ、次回オープンセミナーは2月15日(水)、テーマは「3Rのプロセスを 考える」詳細は、こちらをチェック → http://t.co/e9OvSu2v