みんなが安心・安全に過ごせる快適なまち
15. 安全・安心まちづくり研究会・東京駅周辺防災隣組の活動
大丸有協議会では、安全・安心まちづくり研究会を設け定期開催しています。東京駅周辺防災隣組(地域協力会)の活動とコラボレートして、公民が連携して防災に関するさまざまな情報収集や調査研究に取り組み、まちにおける有事に備えた体制づくりをめざしています。
2008年度は定期総会に際して講演会や参加型ワークショップ、シミュレーション訓練などを実施し、中央防災会議専門調査会の災害時帰宅シミュレーションなどの行政による対応や、災害時第二通信網の整備に向けた計画検討、新型インフルエンザ対策などのリスクマネジメントなどについて情報発信・普及啓発を図りました。
また、洞爺湖サミット対策のテロ対応訓練やサミット会期中の地域安全パトロールを実施しました。
安全・安心まちづくり研究会の活動

外国人就業者向け訓練の様子
大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会では安全・安心まちづくり研究会を設け、定期的に開催しています。この研究会は東京駅周辺防災隣組(地域協力会)の会合を兼ねており、公民連携で防災に関する様々な情報収集や調査研究に取り組んでいます。
テーマとして、「街(District)としての機能継続計画(DCP)」や「自然災害が国際的なバリアとならない街づくり」、「災害時の充実したバックアップ体制」等を掲げ、街としての有事に備えた態勢づくりを目指しています。
2008年度は、外国人就業者向けの「英語で防災訓練」や「洞爺湖サミット対策テロ対応訓練」を実施しました。また、安全・安心まちづくり研究会および本協議会のPR・情報化検討会と財団法人都市防災研究所のコラボレーションで、災害時第2通信網の共同開発実証試験を行いました。
これは、CATV会社間のネットワークを活用し、携帯電話の災害時の輻輳を迂回するバックアップ通信網を確保するものです。また、当地区内に76カ所設置された「丸の内ビジョン」を活用し、災害情報の配信実験を行いました。今後も防災・防犯システムの研究、整備を進めていきます。
東京駅周辺防災隣組としての活動
東京駅周辺防災隣組は、帰宅困難者問題、テロ対策、電力・通信の安定性など、街の新しい課題を考え、非常時に的確に行動できるよう日常から活動を展開し、東京駅周辺の安全性を世界に向けアピールすることを目的として、2004年1月に発足しました。
国、東京都、千代田区、警察、消防と連携する自主防災組織であり、加盟企業は大手町・丸の内・有楽町および隣接する内幸町の4地区66社(2009年5月現在)となっています。同隣組では、活動を平常時と非常時とに分け、非常時に的確に対処できるように、平常時の活動を行っています。
千代田区では、同隣組の主要な活動を「東京駅・有楽町駅周辺地区帰宅困難者対策地域協力会」と行政的に位置づけています。その後、富士見・飯田橋駅周辺地区、四ッ谷駅周辺地区、秋葉原地区(2009年4月)にも同様の協力会が順次発足し、霞ヶ関、永田町を除く千代田区のほぼ全域をカバーしました。これらの4つの協力会で、平時・災害時の連携のため連絡会議を設立しました。
1. 平常時の活動
- 防災計画の策定・改定
- 防災情報システム導入・習熟、丸の内警察防犯情報の配信
- 防犯パトロール・テロ警戒パトロール
- 災害時用トイレ・資機材・食料の備蓄
- 啓発広報(シンポジウム・講演会・視察会等)
- 防災訓練・外国人帰宅困難者避難訓練
- オフィス街としてのリスクマネジメントのあり方の調査・検討 など
2. 非常時の活動
- 安否・被害者情報収集・伝達(防災情報システム)
- 帰宅誘導(帰宅経路案内)
- 応急救護
- 食料・飲料水配布(備蓄倉庫・貯水槽からの搬出・配布)
- 支援要請(区災害対策本部連絡)
- ボランティア統括
- 国等行政情報収集 など

安全・安心まちづくり研究会関連図
災害が起きたらどうすればいいの? 大丸有エリアでは、避難は最終の手段です。大丸有エリアだけでなく、千代田区全体が「地区内残留地区」。これは地震が起こっても原則として避難する必要がないということ。耐震・免震構造の施されたビルはむしろ外よりも安全。あわてずに、千代田区等による行政の正しい情報を得られるようにしておきましょう。
時代に応じて「自己進化」するまち
16. ヒートアイランド対策
大丸有協議会は、2007年度より環境省による「クールシティ中枢街区パイロット事業」に参加しています。2年目となる2008年度は、新たに以下の6事業を行いました。
- 新東京ビル(屋上緑化)
- 新有楽町ビル(屋上緑化)
- 大手町地区第一次再開発(屋上緑化:屋上農園部)
- 大手町地区第一次再開発(太陽光高反射防水:日経棟)
- の内パークビル(屋上緑化、保水性舗装、広場緑化、広場水景施設、高反射塗装)
- 東京国際フォーラム(窓ガラス遮蔽フィルム)
このうち新東京ビルと新有楽町ビルについては、2007年度に大丸有協議会とNPO屋上開発研究会の共同で実施した「屋上開発アイディア提案競技」の最優秀賞を受賞した2作品が施工されました。

屋上緑化コンペの大賞受賞作品が実際のビルに施工された。
左・新有楽町ビル(緑化工事:東邦レオ)/右・新東京ビル(緑化工事:田島緑化工事)
熱を排出しない対策

ヒートアイランド現象を緩和するためには、省エネルギーを進めることで、大丸有エリア内から排出される熱を低減することも重要です。そこで、省エネルギー設備の導入を進めています。
大丸有地区の新しいビルには、ビル内への日射を制御するひさしや電動ブラインド、室内の空調負荷を低減させるエアバリアシステムやLow-Eガラス等が設置されており、一般的なビルに比べて約3割の省エネルギーを実現しています。 その他、地下の冷気などを活用した空冷も検討が進められています。
熱を逃がす対策

水の気化熱を利用すれば、蓄えた熱を逃がしてまちを冷やすことができます。
こうした工夫の1つが、ドライミストです。これは特殊な噴霧器でナノ単位の微小な水を空中に散布することで気化しやすくするものです。現在は一部地域で導入され、気温や湿度などが一定の条件を満たすと自動的に噴霧されるようになっています。
また、一部の車道や歩道の舗装には保水性の高い路盤材を用いています。雨天時に水を蓄えた保水性舗装から徐々に水が気化するものです。その他、地下水や雨水などによる気化熱の活用も検討が進められています。
ドライミストクールシティ中枢街区パイロット事業とは
(担当:環境省 水・大気環境局大気生活環境室、地下水・地盤環境室)
ヒートアイランド現象の顕著な都市の中枢部分のなかでも、注目度の高いと考えられるモデル街区を公募により数カ所選定したうえで、モデル街区内のオフィスビルなど民間の建物や施設において、都市の省CO2化に資するヒートアイランド対策を集中的に導入する事業に対して、追加的な設備費用の1/2を補助するというもの。
対象となる設備は、高反射塗装、屋上・壁面緑化、保水性建材への散水、建物近傍の緑化、地中熱を利用した空調、などです。
既存のビルも緑化可能な薄層緑化技術
しかし緑化は土などの重量がかかるため、既存のビルでは安全性を考慮すると緑化できないところもあります。そこで、このようなビルにも緑化を可能にする「薄層緑化」の技術革新が進められています。例えば、小岩井農牧が開発した「屋上湿生花園」を用いると、約6cmの薄さでビオトープがつくれます。
都市緑化の技術やノウハウを集積するため、大丸有協議会とNPO屋上開発研究会の共同で「屋上緑化アイデア提案競技」が開かれました。既存の新東京ビル・新有楽町ビルの2棟で緑化を行うプランを公募し、発想ゆたかな作品が集まる中、最優秀賞2作品はじめ9作品が受賞しました。
17. 風の道
東京駅八重洲口側では、竣工したグラントウキョウノースタワーに大丸百貨店が移転し、旧ビルの解体工事が進んでいます。旧大丸百貨店のビルの解体により、海側から八重洲通りを抜けて行幸通りへ吹き込む風の道が確保され、ヒートアイランド現象を緩和する効果が期待されています。
これらの取り組みに加え、大丸有エリアで定めた「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくりガイドライン2008」に基づいて、以下のような方策が進められています。
- ビルの再開発によって生まれる公開空地のポケットパーク化
- 広葉樹の街路樹を整備し、木陰を作る植栽の緑量を増加(丸の内仲通りや行幸通りで、すでに実施)
- 「風の道」を確保して海からの風を誘導し、皇居の森からの冷気の流れをまちの中に引き込むことを考慮した面的な緑化整備
こうした、緑が多く風の通り抜ける街角はとても気持ちがよく、単に気温だけではない総合的な快適性の向上に役立つと考えられます。
18. エコモビリティ実験・グリーン物流実験
METROAD MARUNOUCHI

電気自動車が走り、レンタサイクルが行き交う光景は来街者からも注目を集めた
2009年2月9日から22日にかけて実施した「METROAD MARUNOUCHI」は、低炭素社会づくりおよび安全で魅力あるまちの実現をめざした社会実験です。大丸有地区「かしこい道路空間の活用」社会実験実行委員会が主催しました。
マルチポート型のレンタサイクルや、電気自動車(三菱自動車「i-MiEV」)のコミュニティタクシー・カーシェアリング、エリア内を循環する丸の内シャトルバスの発展的な活用、ベロタクシーを用いたエリア内グリーン物流「ベロジ」(ベロタクシー+ロジスティクス)など、エコモビリティが実験導入されました。




















