Vision 大丸有の未来ビジョン

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持続可能なまちに向けて、行動を積み重ねていきます。

2008年度を振り返って

2007年の米国住宅バブル崩壊に端を発した金融危機が世界を覆っています。100年に一度といわれるこの危機によって、都市への投資も冷え込んでいます。また、世界も日本も成熟社会へと向かっており、すべての都市がこれまでのように成長できるわけではないでしょう。こうした中にあっても、大丸有は高い競争力をもつ「世界から選ばれるまち」のひとつであり続けていると考えています。その理由のひとつに、大丸有コミュニティの社会的責任(CSR)の取り組みが挙げられるでしょう。特に環境面では、公共交通機関も発達しているうえ、エネルギー効率も高く、世界のビジネスセンターで最も生産効率が高い都市のひとつだと言えます。

2008年度のCSRレポートでは、金融機関や投資家が投融資する際やグローバル企業が拠点を構える際に、選定基準として環境面の取り組みを重要視しはじめているとお伝えしました。しかし、現在ではむしろ前提条件になっているといっても過言ではないでしょう。

大統領が代わったアメリカでは、環境を切り口にした経済再生を行おうとしています。日本も環境に重点を置いており、2008年度には政府が「環境モデル都市」13都市を選定し、大丸有を含む千代田区もその1都市に選ばれました。これは、大丸有が国内だけでなく海外の都市にモデルを示すことへの期待のあらわれだと考えています。大丸有は、環境共生都市のありかたを世界に発信する「都市の環境ショーケース」としての役割を、引き続き担っていきたいと思います。

また、2008年9には「まちづくりガイドライン2008」も改定し、大丸有コミュニティが持続可能な開発に取り組むことをより明確にしました。建物の再開発などハード面だけではなく、まちに集う一人ひとりの意識変革、企業のCSRの取り組みやワークスタイル・ライフスタイルの変革といった、ソフト面のエリアマネジメントにもさらに力を入れていく計画です。

時代に応じて「自己進化」するまち

大丸有コミュニティは、明治以来100年間にわたって、時代の要請に応えながら「自己進化」してきました。

現在の状況を見渡すと、エネルギー・資源価格の乱高下が問題となっています。世界情勢につながる外的変化にも強いまちであるためには、インフラの再整備が不可欠だと考えています。エネルギーにはコストとともに安定的な供給という観点も重要ですので、未利用エネルギーや自然エネルギーも積極的に取り入れていきたいと考えています。時代に先駆けて導入した地域冷暖房も間もなく更新期を迎えるため、これからの時代を見越した高効率化やネットワーク化を図っていきます。

また、日本社会では今後ますます人口減少と高齢化が進展していきます。こうした中、建物などのユニバーサルデザインを進め、地上や地下の歩行者ネットワークやシャトルバスなどの公共交通機関の整備を推進することで、さまざまな方に利用しやすいまちにしていきます。

こうした社会・環境の課題をふまえて都市構造論の観点で俯瞰的に見たとき、大丸有のあるべき方向性は「必要な機能が集約された利便性の高いコンパクトシティ」でしょう。大丸有エリア内にどんな機能を集約すべきか。どんな個性をもったコンパクトシティにするか。周辺地域との機能分担なども議論しながら、ここ数年の間に方向性を示したいと考えています。

社会からの要請に応えるまち

気候変動や格差など、現代社会にはさまざまな問題が顕在化しつつあります。こうした課題に対し、自らの地域でできることは自らの責任として取り組む必要があります。しかし、大丸有は他の地域と相互に支え合って成り立っており、すべての課題をこのまちで解決できるわけではありません。ですから、広範な社会からの要請に応えていくこともまちづくりの重要な点だと考えています。

たとえば、大丸有に資源を提供してくれる地域で、原材料をつくる過程で生物多様性に大きな負荷をかけているならば、より影響の少ない方法で生産できる技術を、企業の知恵が集う大丸有から提供できるかもしれません。建材や紙として多くの木材を使用している大丸有が、環境に配慮した木材を選ぶことで、地域の森の維持管理にも貢献できるかもしれません。すでに、浅間山麓エリアでの森づくりや相互交流、就業者による山梨県北杜市での自然体験など、大丸有コミュニティは取り組みをはじめています。今後、地方の疲弊や、都市と地方の格差の問題なども、世の中の議論が整理された段階で、きちんと目を向けていく必要があると考えています。

私たちは2007年に「大丸有 環境ビジョン」を定め、将来像を見定めました。これからは「行動」の段階です。2009年度以降も、具体的なCSRの「行動」を積み上げ、持続可能なまちをめざしていきます。

長島俊夫大手町・丸の内・有楽町地区
再開発計画推進協議会 幹事長
長島俊夫


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