Dialogue 大丸有に関する方々

ステークホルダーとの対話 未来のエネルギーとモビリティ

まちと企業と人が「ともに体験」できる場を

大丸有地区のCSRには、「まちのCSR(Community Social Responsibility)」、「企業のCSR(企業の社会的責任)」、そして「まちびとによるCSR(Civic Social Responsibility)」の3つがあると考えています。まちのCSRをより向上させるために、まちに関わる人々の知恵の交換と協働が欠かせません。企業とまちびとの立場から、「まち」「まちびと」「企業」のコラボレーションについてご意見を伺いました。
開催日:2010年6月4日、開催場所:エコッツェリア(東京・丸の内)

ステークホルダーズ・ミーティング

参加者プロフィール(敬称略)

大西 竹志
大西 竹志(おおにし・たけし)
株式会社日比谷アメニス 総合経営企画室 環境コミュニケーションワーキンググループ参加者
CSR活動として、花とみどりへの親しみを育むことを目的に「花育活動」に取り組んでいる。
寺坂 琴美
寺坂 琴美(てらさか・ことみ)
三菱地所株式会社 CSR推進部「空と土プロジェクト」事務局 環境コミュニケーションワーキンググループ参加者
都市と農山村の交流を目的とする「空と土プロジェクト」を担当。
堀 母日花
堀 母日花(ほり・もにか)
ダウ・ジョーンズ・ジャパン株式会社 インターナショナル メディア サービス / DJIMS 丸の内朝大学環境ソーシャルプロデューサークラス卒業生
朝大学の第三期生で、ハイタッチでまちを笑顔にする「ハイタッチ大作戦」で活動。
三木 学
三木 学(みき・さとる)
松竹株式会社 映像本部映像統括部映像戦略室 丸の内朝大学環境ソーシャルプロデューサークラス卒業生
丸の内朝大学の第一期生。

「企業CSR」と「まちびとのCSR」それぞれの活動の課題は何でしょうか?

寺坂:
企業CSRには内容の濃い活動をしていても、プロモーション費をかけることができないので、活動の参加者集めに苦労します。参加者を増やすために、社内のあらゆるツールで呼びかけるだけでなく、他部署の巻き込みや社外とのコラボレーションを検討したいと思っています。
大西:
やはり社内だけでの企業CSRには限界を感じています。弊社で運営・管理している城南島海浜公園(東京・大田区)で行った、「燃料も肉も野菜もエコなキャンプ」というエコバーベキュー企画は大変好評でした。これには、企画段階から丸の内朝大学などの社外ネットワークを活用したからこそ、実現できたと感じています。
堀:
まちびとが活動を継続していくには、定常的に集まって意見交換をするときなどに、ベースとなる場所が必要ですね。会議室を借りるにも費用がかかるので、まちの集会場のような場所があると助かります。
三木:
ビジネス街の中に、たとえば自然の芝生にみんなで座ってリラックスして話ができる場所や、夜な夜な語り合える施設があるといいですね。名づけて「丸の内ユースホステル」なんてどうでしょうか。

お互いのコミュニティについて、どう感じていますか?

大西:
企業の活動は、費やす時間・コストが何らかの形で企業経営にプラスになることを説明できなければならないので、楽しさが前面に出ているまちびとの活動はうらやましく感じますね。
寺坂:
まちびとの活動は、個々人がもつスキルの結集によるパワーが、とても印象深いです。
三木:
まちびと側からすれば、企業が有するリソースやハードは、とてもうらやましく感じます。
堀:
企業が関わることによる社会的影響力の大きさを感じます。まちびとの活動のエネルギーと、やはりコラボレーションができるといいですね。
寺坂:
そうですね。企業もまちびとも、まちの構成メンバーですから、企業CSRにまちびとがどんどん参加するような活動が増えると面白いですね。

企業とまちびとのコラボレーションで何が必要でしょうか。

大西:
例えば、社内恋愛で結婚するお二人の結婚式を、オフィスがあるビルの緑化された屋上で開催する、というアイディアはいかがでしょうか。社長さんをはじめ役員も社員も総出でお二人を祝福するんです。撮影した写真は、社内報やCSRレポートの表紙などに使う。社内的だけでなく社会的にも、とてもインパクトがあるのではないかと思いますし、会社の一体感が出ると思います。
堀:
フェスティバルやカーニバルを開催するのがいいと思います。このまちの構成者全体をつなげるためのシンボルとなる大きなイベントです。例えば浅草のサンバカーニバルとか三社祭、阿波踊り、コペンハーゲンのジャズフェスティバルのような、まち全体が参加する企画が開催できると、まちとまちびとの一体感が生まれると思います。
三木:
何かイベントを仕掛けて、丸の内仲通りを人でいっぱいにしてみたいですね。
堀:
私が参加した、丸の内朝大学にも期待しています。ここで生まれた自主的な活動を促進していくには、企業とまちびとの間にブリッジをかけるコミュニケーションが必要ですね。双方がまちづくりに当事者意識をもつために、情報交流だけでなく、一緒に体験ができる丸の内朝大学のような場が、いくつも用意されているといいと思います。ともに体験することで、違うタイプの知識がまちびとにも企業にもインプットされていくと思います。
また海外では、水飲み場で話をするとひらめきがあるといいます。まちに水飲み場的な場所、井戸端会議できる場所が増えるといいですね。
寺坂:
それは、喫煙ルームのようなものかもしれませんね。体験できる場の提供に、まちが果たせる役割は大きいと思います。大がかりなものではなくても、参加型のまちのイベントをつくり出すだけでも、まちづくりへの当事者意識は生まれると思います。以前、丸の内で行われていた、まちに訪れる人が参加して通りの花の装飾が完成するイベント等は、いい事例かもしれません。
堀:
実際に活動してみると、規制やルールがハードルとなることも少なくありません。実験的な活動が自由できる空間がつくれたらいいですね。
大西:
集まって情報の交流ができる場が、定常的にあった方がいいですね。喫煙所の「煙」を「縁」に変えた、まちの「喫縁所」はどうでしょうか。
三木:
「丸の内特区」として公有地を開放するような、先進的な取り組みはいかがでしょうか。丸の内が取り組むことで、まちびとの活動が他のエリアに広がっていくと思います。
寺坂:
一人ひとりがもつスキルやネットワークはさまざまなので、たとえばまちびとのボランティア組織をつくって、スキルやネットワークも登録し、企業がCSR活動を進める際に、その組織の中から力を発揮できる人に参加してもらうというのはどうでしょうか。
大西:
企業と人は、"B to C"の関係で語られることが多いのですが、これからは"B with C"の考えが求められています。CSRも一方通行ではなく、企業とまちびとが寄り添って、まちという場で一緒にやっていくことが重要ですね。
寺坂:
企業CSRはこれまでNPOやNGOとのコラボレーションが必要だと言われていましたが、これからはステークホルダー一人ひとりとのコラボレーションも増えていくのではないかと思います。
三木:
コラボレーションに関しては、まちびとが丸の内の企業の実際の「株主」になるというのも面白い。企業と人が出資という形で結びつき、さらにそれがまちとコラボレートすることで、まちづくりのCSRにブレイクスルーをもたらすことができるかもしれません。

両者のコラボレーションをサポートする、まちに期待したいことはなんでしょうか

寺坂:
発信力ではないでしょうか。自分がやったことは知人に伝えたくなるものです。情報が第三者に伝わることで相乗効果が生まれます。エコッツェリアウェブの丸の内地球環境新聞や丸の内朝大学のクラス委員BLOGのように、これからやることだけでなく、やったことを発信していくことが必要だと思います。
大西:
どうやって人を巻き込み参加してもらうことができるか、が重要だと思います。企業、まちびと、来街者など、まちに関わる人をつなぎ、その枠組みとなるのがまちだと思います。企業CSR活動に携わる者としては、"B with C"の推進は企業単体では難しいので、まちが同じ方を向いて後押ししてくれることを期待しています。
三木:
たとえば街並みの整備は行政による部分が大きい。企業にとっても働く人にとっても働きやすい空間は大事です。そのために、これからの街並みを考えるために行政と向き合って新しい公共を考えていくことも、まちの大きな役割だと思います。
堀:
女性の活動参加のハードルに、家族のケアがあります。例えば20代後半?30代でお子さんがいる女性は、活動への意欲はあっても子どものケアのために時間や場所が制限されることがあります。そういう人が活動に参加できるよう、保育機能等サポートしてくれる場があると嬉しいですね。
大西:
大丸有だからできた、ということも多々あると思いますよ。このエリアだけの特殊な取り組みで終わることなく、他のエリアにノウハウ広げていくことを意識して取り組んでいただきたいと思います。

ステークホルダーズ・ミーティング:まちと企業と人が「ともに体験」できる場を ポイント
○ 情報と体験を共有して当事者意識を高める
○ 企業はハード、まちびとはソフトという関係性
○ "B with C"を、まち・人・企業が寄り添って推進


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