大丸有コミュニティの代表者による、未来の宣言です。
「まちのあり方」を、大丸有から世界へ発信したい
CSRの動きは止まらない
厳しい経済状況が続く中でも、環境面の動きはスピードが落ちないばかりか、国民全員が取り組むべき課題としてますます意識が高まってきています。2010年4月からは国の改正省エネ法や東京都の改正環境確保条例が施行され、行政の動きも活発化してきましたが、大丸有は先 駆けてさまざまな取り組みを実施してきました。
エリア企業の具体的プロジェクトとして、建物ごとに環境委員会を設置して、ビルオーナーとテナントが最新情報を共有し具体的な活動にまで落とし込むための場づくりや、生グリーン電力の導入などが行われました。
2009年度は、ビルの建て替えによるハード面だけではなくソフト面にも大きな成果が出ています。買い物をすると、購入金額の一部がエコ活動に寄付される仕組みをもつ「エコ結び」(大丸有エコポイント)を10月1日よりスタートさせました。2009年度内の加盟店は143店となり、2010年度末には会員数1万人を目指しています。
また、来街者を含めた一般の方への環境啓発も重要なテーマです。そこで、エコッツェリアウェブにて「丸の内地球環境新聞」の掲載を始めました。環境向上の取り組みを硬軟取り混ぜて、広く一般の方々に情報を発信しています。以前から取り組んでいる「打ち水プロジェクト」ではエリア企業の参加が拡大し、朝活ブームの発信源ともいえる「丸の内朝大学」では、地域活性や人材育成の視点でも評価を受けています。今後はエリア外の人々にも、より多く参加いただけるものになるよう広げていくつもりです。
最高効率を追求して社会に貢献
私たちはエネルギー効率を高めるためにあらゆる可能性に挑戦していきます。このエリアは、国際金融センター構想の対象地域になるなど、日本の競争力を向上させるための国の施策エリアに選ばれており、大丸有のビルに入居する企業の活動は24時間365日と途切れなくなり、扱う情報量も莫大になっています。企業の事業活動が活発化するためエネルギー消費量も増えていますが、それらが、世界トップレベルのエネルギー効率で支える大丸有に集まることによって、日本の、世界の省エネに貢献することができると考えています。
その一方、課せられたエネルギー削減義務の達成は大丸有オンサイトだけでは難しいものがあります。そこで2010年4月には新丸ビルにおいて、日本で初めて再生可能エネルギー100%の「生グリーン電力」の活用がスタートしました。エネルギー需要の少ない地方から需要の多い都市部にエネルギーを託送して、トータルでCO2を減らす発想です。需要と供給のコントロールが可能になれば、さらに大きな効果が期待でき、結果として削減義務の達成も見えてきます。この手法は社会的な意義も大きく、都市が地方とともに発展していく関係づくりの一層の強化につながると考えています。
生グリーン電力は、一ビル、一企業だけではなく大丸有という地域コミュニティの思想として取り組めるものです。この思想をまちに周囲に広げていくことが重要であり、私たちの目標でもあります。
働く人が主役の快適・健康なまちを目指して
2009 年10月にエコッツェリアのオフィスエリアに、「次世代低炭素型技術実証オフィス」を設置しました。この実証オフィスは「照明」と「空調」を最新技術でコントロールし、働く人が快適に感じられるオフィス空間の実現を図っています。
" 我慢するエコ" には限界があります。省エネと並行して生産性や快適性、健康も追求して、働く人が主役のオフィス、まちを実現することも、大丸有のミッションです。そのためにはこれまでの常識を見直し、ゼロから考えることが必要でした。例えば照明に関しては、一律の基準照度設定をせず、一人ひとりが最適な個別照明を要求できる仕組みによってエネルギーをセーブするという発想です。最新技術の組み合わせによって、この試みは大きな成果を上げつつあります。環境技術は一企業だけが取り組めば良いというものではありません。良いものは一刻も早く普及していくべきです。今後はエコッツェリアから他のオフィス、エリアに、この技術が広まっていくことを期待しています。
快適性という視点では、2009年4月に竣工した、日経ビル・JAビル・経団連会館や丸の内パークビルも挙げられます。大手町の空中庭園や、丸の内の英国風庭園などは、保水性舗装などの最新の技術も取り入れるだけでなく、豊かな緑や花にあふれ、人だけでなく生きものも集まってきているようです。また、進行中のプロジェクトで「都心の森づくり」も計画されています。2010年は国連の生物多様性年であり、「生物多様性」が大きな注目を集めています。建物緑化も生物多様性に向けた取り組みの一つですが、まちづくりと生物多様性の関係性について、具体的な方向性を導き出すために議論や検討を重ねていきます。
新たな環境都市のショーケースとして行動
大丸有協議会は今年で22年目を迎えます。これからも世界トップレベルの日本の環境技術を積極的に大丸有のまちづくりに活用し、" スパイラルアップ" していきます。このまちが環境技術の実験場となり、その有効性を検証し、さらに改善を重ねていくことで、その技術は日本や世界の他の都市にも広く普及していくことでしょう。事実、アジアやヨーロッパからの視察も増えています。私たちは、この「環境都市ショーケース」という役割もしっかり担っていこうと考えています。
2007 年に定めた「大丸有 環境ビジョン」で私たちは将来像を明らかにしましたが、すでにこの3年間でさまざまな成果も出てきています。環境ビジョンの基本コンセプトを維持しながら、これまでの実績も見据えて、活動していきます。これからも大丸有は、ここに集まる企業、まちづくりに関わる行政・専門家、コミュニティに集う人々など、あらゆるステークホルダーが連携して、持続可能なまちのトップランナーとして行動していきます。
大手町・丸の内・有楽町地区
再開発計画推進協議会 幹事長
合場 直人(あいば・なおと)



















