快適と省エネの両立へ

かつてない節電時代を迎えている日本。電力供給の絶対量が不足する中で、省エネと快適性を両立させるための「スマートコミュニティ」とはどのようなものだろうか?この時代を乗り切る知恵とアクションについて、5人の方から意見を伺った。
開催日:2011年5月26日、開催場所:エコッツェリア(東京・丸の内)
ダイアログの完全版は、丸の内地球環境新聞で御覧いただけます
参加者とコメント
金子 衛(かねこ・まもる)
社団法人日本ビルヂング協会連合会 事務局次長- ビルオーナーは、テナントから、部署・時間ごとに細分化されたエネルギー使用量の開示を求められることが多くなっています。そのためには、エネルギー管理システムによるサポートが鍵となりますが、導入費用が高額であること、運用のために専門技術者を要することなどから、大規模ビルに限られているのが現状です。
中小ビルも含めて、エネルギー管理システムの導入を促進するためには、国・地方自治体による支援措置(税制・予算等)の充実、システム標準化(データ仕様やインターフェースなど)による低価格化などが必要です。
加山 勉(かやま・つとむ)
三菱電機株式会社営業本部事業推進部
法人営業第一グループ担当部長- 節電だからといって、やみくもに照明を落とせば生産効率が低下します。生産性、快適性を落とさない節電を行うためには、電力消費量をリアルタイムで把握し、必要なところに必要な電力を供給できて、個別の節電対策の効果がわかる、節電の見える化が重要です。
この見える化のシステムは、もともと工場の生産性、効率を高めるために開発されたもので技術的には完成しています。
今後は、オフィスに導入するにあたり、ビルオーナーとテナント間での費用や役割をどう分担していくのかという仕組みづくりが必要です。
高見 牧人(たかみ・まきと)
経済産業省資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部
省エネルギー対策課長- 今夏に向けて政府は、事業者や家庭の皆さまに節電のお願いをさせていただいています。節電対策として電力使用量の見える化も有効な手段の一つですが、システム導入の効果が十分に継続しない場合もあるので、取り組み方について関係の皆さまと議論を深めていきたい。
エネルギー政策は中長期的な視点で、エネルギーセキュリティと地球温暖化対策の両面を睨んだ節電や省エネのあり方の議論を進めていきます。自然エネルギーの拡大も課題であり、新丸ビルの生グリーン電力導入における課高見牧人題などの共有もお願いしたい。
野崎 麻子(のざき・あさこ)
有限責任監査法人トーマツ ディレクター- 弊社の業務は、大きく「監査」と「アドバイザリー」に分けられ、それぞれ働き方が異なるため、全社一律での節電対応は難しい。そこでオフィスや部署単位で節電計画を策定しています。
押しつけの対策ではなく、自らの手で立案しコミットした計画ですから、" やらされ感" もなく積極的な取り組みが期待できます。
課題は節電効果のフィードバックです。リアルタイムで活動の単位に対応したデータの「見える化」が実現できれば、より成果を上げることができると思いますので、ビル側と協力して取り組んでいきたいですね。
三木 光範(みき・みつのり)
同志社大学理工学部教授- 光を分散最適化する知的照明システムのもとでは、照度を下げても生産効率は下がらない。知的照明は従来の「明るければよい」という発想を覆し、均一の照度・色温度から一人ひとりの好みや体調、業務内容に応じて変えることが可能です。
また緊急節電協力警報の発令時には、照明を暗くすることで社員に認識させ、みんなが協力して需給が好転したら明るくなるように、照明をサインとすればわかりやすい。
照度と色温度のように五感に訴える組み合わせが、我慢ではない" 快適な"節電を実現するのではないでしょうか。



















