Vision 大丸有の未来ビジョン

トップコミットメント

トップコミットメント

「ハード」と「ソフト」と「コミュニティ」の
組み合わせを強みに
"環境ショーケース大丸有"の発信は続く

「企業の顔が見える」 コミュニティで 被災地支援と地域連携を加速

この度の東日本大震災により被災された皆さまには心よりお見舞い申しあげるとともに、皆さまの安全と一日も 早い復旧を心よりお祈り申しあげます。

今回の大震災では幅広い地域での想定外の被害を目の当たりにし、私たち都市の活動は地方によって支えられていることを、改めて強く認識しました。また、甚大な被害をコミュニティの中で、コミュニティを越えて皆さんが乗り越えようと努力する姿に、深い感銘を受けています。

コミュニティの基盤は、人と人が顔を知っていること。大丸有コミュニティは、企業同士が集まり、お互いの顔が見えている点が際立った特長です。この地域には企業単体だけでなく、エリア運営を担う組織があり、社会的意義の大きいムーブメントを起こせる環 境が備わっています。今後も個人と企 業の両面からうまくコミュニティを成長させ、互いに協力し合ってまちづくりを進めていきたいと考えています。

実証結果で環境負荷低減効果を実感

2010年は、これまでの地道な環境まちづくりの活動成果が表れた1年となりました。10年4月に導入された新丸ビルの「生グリーン電力」は、想定通りビル全体の使用エネルギーのほぼ2/3を賄うことができました。普及には課題が多いものの、ビル1棟の全電力を自然エネルギーで対応することができた意義は大きい。これを加速させることは、都市と地方の関係性強化 につながりますし、自然エネルギーと蓄電池を組み合せた新たな電力供給マネジメントの手法を世に問うた意義はコミュニティでの交流を通じて小さくありません。

年々進歩する環境技術や新たなマネジメント手法の導入例はほかにもあります。たとえば09年秋にエコッツェリアに実装された「次世代低炭素型技術実証オフィス」は、「働く場」の知的生産性の向上と省エネルギーの両立を目指した新たな試みです。導入以降、主要技術である知的照明や輻射空調を広く対外的に訴求しましたが、それに呼応するごとくエリア内外で試験導入が広まりました(三菱電機、森ビル、三菱地所等)。1年間の実証デー タを集計したところ、30%の省エネ実現、という実験結果も得られました。

最近の新しいビルは、単位面積当たりのエネルギー効率が90年比で大きく向上しています。高効率照明やLow-E ガラスの導入など最新の環境技術導入がその要因ですが、今後はユーザーのワークスタイルをより省エネに向わせる「見える化」が大切になると考えています。現状を把握し、省エネの取り組みと結果の関係が見えることで、さらなるアクションを生み出すからです。得られた知見を企業同士で交流させ、技術の進歩、アクション実施のスピードをぜひとも速めたい。スマートコミュニティの検討でも行いましたが、先端技術の前倒しを含めいかに2050年に70%を超える省エネ性能の向上を図れるか、議論は尽きません。

コミュニティでの交流を通じてポテンシャルを発揮

ハード面とあわせ、ソフト面の充実も進んでいます。「丸の内朝大学」では、ソーシャルビジネスや農業、食、 健康といった講座や、卒業生を含めた「朝大学コミュニティ」を活用した被災地支援のプロジェクトを実施するなど、企業の壁を超えた情報交換とアクションが生まれています。「打ち水プロジェクト」も、参加企業の増加(144団体)や、仲通りの店舗による日々の打ち水実施も定着してきました。そのほかにも環境への取り組みに熱心な企業の環境活動を1ページで訴求する大丸有環境カタログ「エコのまど」も2刊目を発行できました。私たちの想いは、エリアの4000事業者に、このような活動へぜひとも参画してほしい、ということです。企業や就業者の連携によるコミュニティアクションを、顔の見える関係を基盤に広げたい。周りの企業のよい取り組みを知り、自社の事業に反映させたり協業を創出したいのです。そうすれば環境まちづくりに 向けて全体がレベルを上げていけます。逆にそうした積み重ねがあってはじめて日本一、世界一の"環境ショーケース大丸有"が実現できるのです。

環境と社会、強い経済が併存するショーケースに

震災を契機に、各企業ではBCP(事業継続計画)の見直しが進んでいますが、大丸有ではCCP(コミュニティ持続性計画)の検討をしたいと考えてい ます。災害時の安全性や食料・水、エネルギーの確保などとともに企業コミ ュニティが災害時にどう機能すべきか、この機会に災害に強いまちづくりと企業コミュニティの関係を再構築する必要があります。

災害時の対応には、自助、公助そして共助があります。大丸有では、すでに各企業が自助でしっかりとした備えを進めています。そして各企業の顔と活動内容がお互いに見えれば、共助の力も増していきます。震災直後の大丸有エリアでは、帰宅困難者にビルを開放したり、毛布やシートの提供、飲食店による炊き出し等が数多く見受けられました。大丸有は、ハードの安全性の追求とともに、コミュニティによるリレーションがある。そのようにして日本で一番安全なエリアを追求していきたいと思います。

また今回の震災をうけ、大丸有でもエネルギーに関して多くの検討課題が顕在化しました。地域連携を前提とし た自然エネルギー活用による「電気の多様化」は、地区の低炭素化のテーマの中ですでに検討がなされてますが、 防災では発電機や電池等の活用を想定した「電源の多層化」が議論になりま す。太陽光とクルマのバッテリーを組み合せたスマートシティが防災の視点で議論されてますが、低炭素化と防災は親和性があるのは明らかです。事業性等課題は山積みですが、深堀りしていくべきテーマだと認識しています。

大丸有では、地権者、テナント、インフラ事業者、行政、就業者、来街者といったあらゆるステークホルダーがともに、「大丸有 環境ビジョン」を共有してアクションを加速させる必要があります。そのため、環境ポータル サイト「エコッツェリア WEB」や「丸の内地球環境新聞」で、地区内企業や団体の先進的な活動を紹介したり、有識者やオピニオンリーダーの提言を継続的に掲載するなどエリア内外に向けた発信力を高めていきます。

環境対応は、我慢を強いることではありません。快適性や知的生産性の実証にトライしたのはそのためですが、そうした実績を、成長力、競争力の源泉にするとともに、環境・社会・経済のトリプルボトムラインがしっかりと存立するコミュニティづくりにつなげたい。最先端のハードとソフト、意識の高い人が集う活発なコミュニティが大丸有の財産であり、この組み合わせをさらに活用して相乗効果を生めば、必ず日本の元気づくりに寄与できるものと思います。日本全国、そして海外からもたくさんの人や企業を呼び込み、共感者をもっともっと増やし、私たちのステークホルダーとも交流させ、そ れがまた新たな効果を生み出す、そうしたスパイラルアップが常に行われる「場」が、この大丸有なのです。

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合場 直人(あいば・なおと)
大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会 幹事長



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