丸の内地球環境倶楽部

第2回東大リレーセミナー「大幅なCO2削減は可能か?」

日時:
2008年2月7日 (木) 17:30〜19:30 (終了しました)

ゲスト:
堤敦司氏(東京大学 生産技術研究所・機械・生態系部門 教授)
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テーマ

地球温暖化が増々深刻化し、CO2削減が最重要課題となりつつある。実現性に乏しいCO2回収貯留(CCS)に頼らずとも、革新的な技術および社会インフラの導入によって大幅なCO2削減は可能である。ここでは、CO2削減のポテンシャルがどこにあるのか概観する。


・我々はどのようにエネルギーを消費しているのか?
 人類のエネルギーの利用史と現在のエネルギー・環境問題について概説する。

・エネルギーとエクセルギー
 エネルギーは熱力学第一法則(エネルギー保存則)より、消費することができないもの、使っても使っても決して減らないものであることを知っている。ではエネルギーを消費するということはどういうことだろうか?これを理解するためにはエクセルギーの概念を理解することが必要です。

・コプロダクション
 物質生産とともに電力や熱エネルギーを生産することによって大幅な省エネルギー可能である。

・エクセルギー再生 質の劣化したエネルギーを再生させる技術を紹介する。

・物質・エネルギー再生
 物質とそのエネルギーを再生循環させることによって大幅なCO2となる。

・エネルギー技術戦略
 まとめとして、どのような技術をどのようなスケジュールで開発していかなければならないか議論する。


プロフィール


堤敦司 (つつみ・あつし)


現職:
東京大学 生産技術研究所・機械・生態系部門 教授

略歴:
1980年 東京大学工学部反応科学科卒業
1986年 東京大学大学院工学系研究科科学エネルギー工学専攻
1986年 東京大学工学部化学工学科・助手
1989年〜1990年 オハイオ州立大学客員教授
1990年 東京大学工学部化学工学科・講師
1994年 東京大学工学部化学工学科・助教授
2006年 東京大学生産技術研究所・教授
2007年 エネルギー工学連携研究センター長

専門分野:
エネルギープロセス工学、化学工学、微粒子工学、流動工学

受賞:
2001年度 日本溶射協会論文賞受賞

主要研究テーマ:
エクセルギー再生による高効率エネルギー変換技術、電池・燃料電池など
コプロダクションによるCO2排出削減
物質エネルギー再生による新規3R技術開発
バイオマスおよび石炭学化水素製造
超臨海ナノ粒子プロセッシングのよるDDS

主な社会的活動:
内閣府総合科学技術会議専門委員
産業構造審議会臨時委員(研究開発小委員会)
産業構造審議会臨時委員(自主行動計画フォローアップ合同小委員会)
超長期エネルギー技術研究会 産業分野WG 主査
エネルギー管理士試験員(熱部門)
高圧ガス試験委員会第1分科会専門委員
経済産業省新エネルギー技術者支援対策事業審査委員会委員
経済産業省エネルギー技術戦略検討会委員
経済産業省エネルギー・資源分野における分野別評価WG委員
水素安全利用など基盤技術開発および革新的技術に関する調査・研究WG主査
「電力・ガス総合技術検討WG」主査
Powder Technology誌編集委員

主な著作等:
エクセルギー工学ー理論と実践ー、共立出版(1999)
Energy Systems: Adaptive Complexity, (edited by T. Ohta), Elsevier, 2000
Advances in the Science of VICTORIAN BROWN COAL(edited by Chun-Zhu Li), Elsevier, 2004
バイオマス発電の最新技術、シーエムシー出版(2006)
燃料電池:実用化への挑戦、工業調査会(2007)他著書多数


イベントレポート


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(1)エネルギーと人間社会の歴史と現在の現状
15世紀の専業革命から始まった、エネルギー革命。石炭を主なエネルギー資源として文明を作り上げてきた人間社会のこれまでの歴史を説明。機関車や自動車を動かす動力だけではなく、人間社会が豊かになった過程には、農業などの発達にもエネルギーは深く関わってきた。しかしそれが今、地球のバランスを脅かす原因となっていると警告した。

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(2)実現可能なエネルギーとは?
化石エネルギーに代わるエネルギーと化石燃料による地球への影響を説明。省エネルギー、再生可能エネルギー(太陽エネルギー、原子エネルギーなど)、二酸化炭素貯蓄エンドオブパイプ技術を使っての将来増を示唆。再生可能エネルギーの最大限利用と省エネルギー方法が一番有効だとした。

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(3)物質生産部門におけるエネルギーの流れとエネルギー有効利用
エネルギーは消費しているのではなく、化学エネルギーは物質に保存されている。この保存されたエネルギーの有効活用の方法を説明。廃熱された物質エネルギーの再利用/再生や、エクセルギーの損失を電力/水素として回収(コプロダクション)するなどの方法が有効だとした。

(4)エネルギーの形態とエネルギー転換
今日のエネルギー技術のほとんどが燃やして使われていることを問題とし、物質のエネルギーの2/3しか使われていない発電効率の低い現在の状況を打開するためのエネルギー環境技術を掲示。

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(5)コジェネレーターの特性とエクセルギー再生
現実的ではない燃料電池に頼るのはやめて、熱の有効活用技術を開発するべきだと示唆。熱再生、スチーム再生、熱化学再生や、モジュール構造化によるプロセス設計および、評価指標を説明。また、継続型社会構築のための物質、エネルギー生産体系設計の基本思想を具体的に示した。

(6)まとめ
今後の技術開発には、エクセルギー再生による高効率エネルギーの変換技術、エコプロダクションによるCO2排出削減、物質エネルギー再生によるCO2排出削減、従来の3Rではなく、物質エネルギー再生による新規3R技術の開発、バイオマスおよび、石炭ガス製造などが必要だとした。具体的には、製品化後のガス化転換や、廃棄物からの物質エネルギー再生、また、エネルギー換算の際に、完全循環させるなど。今後の可能性を掲示した。

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