イベント丸の内プラチナ大学・レポート

【レポート】丸の内プラチナ大学 第3回 ~輝くシニアを目指してビジネスステージをデザインするマルチキャリア構想

2015年3月27日(金) 開催

さらに充実、本気度アップ

3月27日(金)、「丸の内プラチナ大学 ~輝くシニアを目指してビジネスステージをデザインするマルチキャリア構想」の第3回ワークショップが開催されました。講演者は(株)三菱総研主席研究員の松田智生氏と、合同会社志事創業社(しごとそうぎょうしゃ)代表の臼井清氏。第1回、第2回に引き続いて登場した2氏のほか、今回はさらに、2名のミニ・プレゼンが行われ、ワークショップの中身はさらに充実したようでした。

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若さを得たシニア世代が踏み出すセカンドキャリア

若さを得たシニア世代が踏み出すセカンドキャリア

最初のスピーカーは松田氏。松田氏の指摘はいつも、現代のシニア世代の胸に強く迫る内容です。多くのシニアが定年後に抱くイメージとはどのようなものか――30年、40年と勤め上げた後の安堵感とともに、企業という収入の源を離れた不安が同居しているのではないでしょうか。松田氏の話は、その安堵感も不安感も吹き飛ばし、セカンドキャリアという新たな道に誘ってくれます。

講演のテーマは前回と同じ「続・失敗しないセカンドキャリアデビュー」。すでに定年後の人生を見据えている人はもちろん、まだそこまで考えていない人に対しても自然に真剣に考えなければならないことを、気付かせてくれる内容です。

50代というのは定年の60歳を間近に控えた世代ですが、かつての50代に比べると、「老」「衰」などの言葉が当てはまりません。これまではシニア世代と呼ばれていた50代をプラチナ世代と呼び、輝く世代であると話します。
「かつては50代といえばサザエさんの波平でしたが、今は真田広之などが50代。まだまだ活躍できる、若さあふれる世代だと言えるのではないでしょうか」と松田氏は話し、「人生の二期作、二毛作を」と強く勧めます。

少し社会に目を向けると、「定年を迎えた人がもつスキルが活きる世界はたくさんある」と松田氏。しかし、だからと言って、それまでと同じように働けるかというとそうとも限りません。松田氏がもっとも大切であると指摘するのが「生きがい」の有無。そして、生きがいを感じるためには3つのことが重要だそう。それは「成長実感」「周囲からのフィードバックがあること」「深い話し合い」の3つです。

なかでも3つ目の深い話し合いは特に重要で、いわゆる"青臭い議論"のこと。青臭い議論というのは、純粋で、理想論が勝ちすぎていて、情熱的な議論。なかなか結論にたどり着かないかもしれませんが、議論そのものに意味があります。松田氏は参加者を見渡して、例えば「ここに集まっていること、それ自体が青臭い議論のようなものではないでしょうか」と、投げかけていました。

こうした答えの出ない、原則論的な発言が飛び出す議論はモチベーションにつながると松田氏は言います。こうした議論が、会社の肩書や経験とは関係なく行われることが、セカンドキャリアに踏み出す上では大切で、この日のワークショップで理解してほしい主要テーマであると言葉を強めていました。

「勘違い」から「感じがいい」へ

次にプレゼンに立ったのは臼井氏。臼井氏は自身が体験したサラリーマン生活で気付いた「勘違い」と、同期入社のかつての同僚氏の歩んでいるセカンドキャリアの様子から感じた「感じがいい」起業について紹介しました。

最初に説明したのは、勝ち組を狙ったサラリーマン生活の中から発見した「勘違い」。某ITメーカーに勤務していた臼井氏自身の体験です。勝ち組を目指した臼井氏は、最年少部長の席を勝ち取り、新規事業の立ち上げなども任される存在になります。しかし、そうした絶頂期もつかの間、新規事業の挫折から社内失業という辛酸をなめることに。

なぜ!? 「カッコイイサラリーマンを目指せば良いと思っていたこと」それが勘違いのひとつめ。そして、さらに社内感覚にひそむ「勘違い」に気付きます。それはサラリーマンとしての長年の経験は、「財産」ではあるが、同時に「お荷物」にもなるのだということです。このズレは、社内感覚が身に付きすぎてしまった結果、社外とのチューニング機能が衰えたために起きると指摘します。そこで、「これはまずい」と気付き臼井氏は、社外の人たちと交わる機会を増やしていったそうです。すると、機能不全を起こしていたチューニング機能が復活。臼井氏は今、会社を辞め、セカンドキャリアの道に踏み出しています。

しかし、セカンドキャリアでの起業は、「非常に厳しい」と臼井氏。簡単に黒字化するものではないと前回の講演でも指摘しています。しかし、「それでも起業する価値はある」。 そして、ここで臼井氏は、同期入社のかつての同僚の写真を紹介しました。同僚氏は、ワインショップの経営にセカンドキャリアの道を見つけたが、利益は上がっている様子がないそうです。しかし、
「この表情を見てください。すっごーい楽しそうで、彼はワインがすごく楽しくて、店にはいろいろな方が集っていました」

ここで、臼井氏は1つの気付きがあったと言います。かつての同僚氏家族の明るい様子に「感じのよさ」を感じたのだそうです。それは他人様から見て感じがいいということではなくて、同僚氏自らが、"感じがいい何か"を見つけた感じのよさだと言います。つまり、先ほどのチューニング機能を高めるには順番があるのではないかという気付きでした。

「周りに合わせる前に、まず自分に合わせましょう」

と臼井氏。会社生活で身につけたスキルを使って何ができるかを考えることは、まだ他人に合わせている状況。その前に必要なのは、自分は何がしたいんだろうと考えること。そこに「かんちがい」から「かんじがい・い」にたどり着ける秘訣があるのではないか――「ち」と「じ」のたかだか1字違いの言葉。ここにある大きな違いを、かつての同期入社の同僚から教えられたと締めくくっていました。

意識が高まるセカンドキャリアへの道

その後のワークでは、振り返りも含め前回も示された10枚の写真が登場。注目したいのは、初めて登場した4つの象限に分けられたシート。縦軸の上方には「しっかり」、下方には「ゆったり」。そして横軸の右側には「社会・起点」、左側には「自分」と記述されています。2本の軸で区切られた4つの象限のどこに自分の意識があるかを見る試み。そ同時に、4つの象限にはさまざまな位置に点が記されています。それは、多様な考えが存在することも示していることになります。

運営からは前回参加者の記述を元に意見を分類し、4つの象限に点を書き込んだ例が示されました。それによると、「しっかり」と「自分」で囲まれたいわゆる第2象限(左上)に点が集まる傾向が現われているそう。

これは、サラリーマン生活で身についた感覚が強く残っていることを示しているのではないでしょうか。しかし、セカンドキャリアではサラリーマン時代と同じようなスタンスをとる必要はありません。同じがんばるにしても、もっとゆったりと構え、自分のためというより社会貢献などに視点を置いてもいいのです。参加者にもそのあたりのことを考えてほしいと求めていました。

この日は、参加者に10枚の写真が渡され、その中から1枚を選び、その写真にタイトルと説明をつけると同時に、自分の目指すところを象限シートに記入していくというワークを行いました。参加者の中には、ワークを通して意識の変化を起こしている方もいました。「自分のことを見直す時間がほしい。しかし、自分のことを見直した後は、社会とのかかわりを増やしていくことが大切だと気付かされた」。また、別の参加者は、孤独に見える写真を選び、そこに自問する姿を見たと言います。しかし、同じテーブルに座った他の参加者の意見を受けて、次のステップに踏み出す大切さにも気付いたと口にしていました。

ワークの後、3×3Laboの田口氏から、今後の活動方針と、プラチナプラットホーム構想が語られました。これからは若者だけが担う社会ではない。増加する高齢者もそれなりの役割を担う必要があります。その学びの場のひとつがプラチナ大学で、プラチナ世代が次のステージへ進むために経験談を語り合うような場「プラチナサロン」などの構想も紹介されました。

踏み出したセカンドキャリアと支援するセカンドキャリア

実はすでに、プラチナプラットホームに類するサービスを構想したり、実践したりしている人たちがいます。ワークショップの最後に、すでにセカンドキャリアを踏み出し、これから次の人生を考えようとしている人たちの支援をしている2人がその構想と実践例を紹介しました。

最初にプレゼンに立ったのは、小島久之氏。小島氏は経営コンサルタント会社や北陸労働金庫などの勤務を経て、いまは税理士法人に勤務しています。しかし、新たなキャリアへの転身を起業で行なおうと、準備を進めているところだそうです。

テーマは「いしかわで起業しよう・いしかわで暮らそう! 50+」。小島氏が考えているのはは、セカンドキャリア支援を行う会社を立ち上げることで、これまで東京圏で働いてきたシニア世代の中で、石川県で起業して、そこで暮らしながらビジネスをしようと考えている人を支援を行うそう。石川県でセカンドキャリアを考える人の支援というたいへんピンポイントな発想ですが、この春、北陸新幹線が開通し、東京圏と北陸は急接近。このタイミングでの起業には大きな意義を感じます。実際に展開するサービスには、田口氏から示されたプラチナプラットホーム構想にあるサロン、コンサルティング、アドバイスのプラットホーム的活動などが含まれているそうです。

また、テーマの中にある「50+」には、シニアと呼ばれる世代より少し若い世代をターゲットにしている意味を込めているそうです。ご自身も今年60歳になるので、誕生日前に企業を果たしたいと考えていると明るく締めくくっていました。

2人目は塚本恭之氏。現在は、Knowledge Workers Institute(株)代表取締役ですが、キャリアのスタートは大手メーカー。そこで、先の臼井氏と同様に社内失業を経験し、そのときできた時間の余裕の中で「プロボノ」に出会ったということです。プロボノというのはラテン語で「自発的社会貢献」の意。この日のテーマは「プロボノのご紹介について」。サラリーマン勤めをしながら、社外の別の職業などを経験してみようという提案です。

最初に、シニア世代サラリーマンの社会構造的な問題を指摘。バブル時代に大量入社したサラリーマンが今、社内で余り始めている状況があります。そこでシニアや企業に、プロボノ体験という活動を考えてほしいというのが塚本さんの提案です。プロボノ体験は、本業を生かしたボランティアの形で、本来の業務の刺激にもなるし、セカンドキャリアの道に入るときにもスムーズに移行できる可能性があります。
塚本氏は今、企業に対してシニアのプロボノ験修(体験研修)を支援するサービスを推し進めているそうですが、"たそがれがち"になるシニア世代のためだけでなく、企業においても活力を生む方策の1つになるのではないでしょうか。

ショートプレゼンに立った2人の活動と先に田口氏が示したプラチナプラットホーム構想には共通点が多くありました。これまでのサラリーマン人生のイメージは、サラリーマンとしての大いなる活動期を過ごしたあと定年を迎え、穏やかな老境に入るというものでした。しかし、この日のプラチナ大学からは、そうしたイメージは払しょくされたように感じました。2人のプレゼンに耳を傾ける参加者の視線は真剣そのもので、セカンドキャリアの可能性を強く意識している様子が伝わってきました。

これまでも確かに、「定年後も働こう」と考える人はいました。しかし、それはあくまで個人の意識。それが今は、社会の意識にダイナミックに変わろうとしている感じがします。こうした潮流の中で、定年後の人生を考え直し、実践に移すのは意味のあることではないでしょうか。


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