イベント丸の内プラチナ大学・レポート

【レポート】丸の内プラチナ大学 第3期開講

丸の内プラチナ大学オリエンテーションDAY1(2018年7月17日開催)

8,9,11

2015年に0期講座が開講され、2016年に本格始動。今年で第3期を迎える「丸の内プラチナ大学」。キャリア講座による"新たな学びと挑戦の場"の提供を目指します。さらに座学だけにとどまらず、現地でのフィールドワークを体験。"リアルな社会課題"を実感としながら、課題解決に取り組みます。

今期新たに誕生したのは、アートを通して、好きなことで仕事をすることを考える「アートフルライフ・デザインコース」。1期、2期に開講した「ヨソモノ街おこしコース」は「逆参勤交代コース」としてバージョンアップし、全8コースが用意されました。

(1)逆参勤交代コース
(2)アグリ・フードビジネスコース
(3)「繋げる」観光コース
(4)アートフルライフ・デザインコース
(5)女性起業家支援コース
(6)SDGsビシネス速修コース
(7)Social SHIFTテーブルコース
(8)シリコンバレーチャレンジコース

2018年7月14日、"DAY1"として共通講座を開催。受講生は40〜50代のビジネスパーソンが中心ですが、会場には20〜30代の若い世代も。また、"今年初めての参加"という方や女性が多かったのも印象的でした。
この日のプログラムはまず、プラチナ大学・学長である小宮山宏氏の基調講演からスタート。その後、ゲストを招いてのパネルディスカッション、各コース紹介を経て、コースごとのオリエンテーションが行われました。

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自己実現を可能にする"プラチナ社会"

自己実現を可能にする"プラチナ社会"

基調講演の冒頭、小宮山学長は「私たちが生きる現在こそ"人類史の転換期"である」と述べます。

「食べ物や家がほぼ手に入るようになり、情報はインターネットを通じ安価に入手可能となり、日帰りの国内移動も可能になった。地域差も減ってきていて、長生きもできる。そうしたとき、私たちが求めるのは"質的な豊かさ"です。Quality of Lifeの"クオリティ"は自己実現を指し、自己実現を可能にする社会のことを"プラチナ社会"と定義します。エコロジー、参加型社会、豊富な資源がある、雇用がある、自由な選択ができる。この5つが自己実現を可能にするのに必要な社会的条件です」

このような状況のなか、今、起こっているのは"飽和"だといいます。

「平均寿命が伸び、世界の人口は増え続けていますが、いずれ減り始めると予測されています。そういう意味で日本は"課題先進国"として、すでに人口が減る段階に入っている。一方、人工物は人口に対して飽和しています。例えば日本の自動車保有台数はおよそ6,000万台で人口の約半数です。量という面では、もうこれ以上増えません。途上国の時代は"モノ"がステータスであり、GDPを増やせばQuality of Lifeは上がっていきましたが、これからはちがいます。Quality of Lifeをよくしようとすると新しいビジネスが生まれ、結果的にGDPが増えるという循環ができるのです」

"自然共生"と"一次産業の復活"がカギ

今までと異なる手法による成長が必要となる現代。これからの経済で重要な役割を果たすのは「自然共生」と「一次産業の復活」と説明した小宮山学長。さらに、"日本は資源のない国・加工貿易の国"というのは「20世紀のモデル」であり、21世紀の現在では成り立たないといいます。そして、エネルギーは再生可能エネルギーから、資源は都市鉱山から、「基本的な資源の自給によって、今後世界は資源国・非資源国の区別がなくなり、フラットになる」と話します。

「日本がエネルギーや鉱物資源、木材、食料などを輸入に頼らず自給できるようになると、50兆円の内需が生まれます。日本が今抱えている最大の課題は少子化です。また、地方に出たい・戻りたいと希望する人はたくさんいるのに、地方にビジネスがないことがネックになっています。お金の使い方が変わることにより、50兆円の地方創生のビジネスが生まれるということ。極めて有力な、いわば日本の隠し財産です」

多くの課題を抱える日本。しかし「希望は大いにある」と小宮山学長は力強く語りました。
「大学を超え、しかし大学を含むような"超大学"を拠点に、社会実装に向け、やるべきことを行う。いろいろな問題はありますが、ほとんどが既にある知識を最適に動員することで解決できます。議論するだけではダメで、若者・女性・外国人・シニアの参加が不可欠です。この丸の内プラチナ大学も、"超大学"の役割を担えると期待しています」

ヨソモノ街おこしコースで生まれた化学反応

基調講演に続いて、パネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、ゲストに鹿児島県・徳之島の伊仙町から松岡由紀氏を迎え、小宮山学長、プラチナ大学・副学長で三菱総合研究所の松田智生氏の3名が登壇。司会をエコッツェリア協会の田口真司が務め、1期、2期の「ヨソモノ街おこしコース」のフィールドワーク先だった伊仙町での学びを振り返りました。

ゲストの松岡氏は東京都の出身。大学院を卒業後、アメリカ、イギリスと2カ国への海外留学を経験しています。帰国後はイギリスでの経験を生かし、徳之島で地域再生に携わり、現在は伊仙町役場の未来創生課に勤めています。
松岡氏は第1期の「ヨソモノ街おこしコース」のゲストスピーカーとして参加。当時感じたことを、こう振り返ります。

「受講生は"既存の枠や組織では古い日本社会を突破できない"と感じられている方々で、心強さがありました。日本の人口は世界に類をみないスピードで、この後も減っていきます。もし、縮小社会となってしまっても日本が豊かなままなら、世界から注目され、ニーズのある国・社会・国民でいられるのではないか。そのフロントランナーになりたい!なるぞ!と、手をあげてくださった方々がいて、"地方や離島と言われる所に何ができるか?"という知恵を当時たくさんいただきました」

松田副学長は0期から「ヨソモノ街おこしコース」を担当。徳之島での成果や課題について、次のように話します。

「やってみてよかったのは、異なる業種や年齢の方と話すことで"化学反応"が生まれたこと。シニアと若者が触れ合うことで、アイデアが生まれます。もう1つは"半学半教"。徳之島にフィールドワークに行った10数名の受講生と地元の高校生とで、キャリアについて話しました。特に共感を生んだのは、証券会社に勤めていた方の"会社が潰れるとはどういうことか"という話。その方は、会社が潰れるという苦い学びをしましたが、それを伝える・教える場があったことで、若い高校生の学びにもなりました」

一方で、課題と感じたことも。

「プロジェクトを進めるときはPDCAといわれますが、いまはプラン・プラン・プランになっている状態。"Do"としてプランの実装をして欲しい。また、接点ができた首長やキーパーソンの方には、プラチナ大学という信頼とプラットホームを生かして、課題解決に使ってもらいたい。それがヨソモノの品格、プラチナの品格だと思います」

田口から、「今後東京、日本全国にいる方と一緒にやっていきたいことはありますか?」と聞かれた松岡氏は、伊仙町の出生率の高さを紹介しながら、第3期生にエールを送りました。

「伊仙町は基礎的な状況が他の自治体に比べて非常に特性があり、さまざまなプロジェクトが立てやすいかつ、エナジェティックな人が多いです。特に注目すべきは出生率の高さ。日本の出生率平均が1.3〜1.4人なのに対し、伊仙町は2.81人と倍以上。そして、100歳以上のご長寿の多い町としても知られています。そこで町では"Quality of Death"、いかに死ぬかを議論しています。小さい自治体で特性がはっきりしているから議論もできますし、何か小さな実験からでも取り組みができる。
日本は課題解決先進国に間違いありません。この後、成功するか失敗するかは私たちと次の世代にかかっていますが、国内で見たとき、現場は地方にあると思います。今日ここにいらっしゃるみなさんには伊仙町に限らず、さまざまな形で地方に関わっていただきたいと思います」

松田氏は、「"人生をかける価値のある仕事"を見つけられるかどうかが大切です。いくら稼ぐかよりも、何をやるのかということがプラチナ大学の価値だと思います」と話し、オリジナルの句を披露。会場を盛り上げました。

受講生は年齢も業種・職種もさまざま。時に笑顔で和気あいあいと、時に真剣な表情で話し合いをする様子は、課題解決への重要性を感じているから、そして同志との出会いへの期待があるからだと感じました。

第3期となる講座を通じて、どんな化学反応が起こり、変革につながっていくのか。これからの未来を構想し、その未来の到来を予感させる、充実した時間となりました。


丸の内プラチナ大学

あなたの「今後ありたい姿」「今すべきこと」とは?

丸の内プラチナ大学では、40〜50代を中心としたビジネスパーソンを対象としたキャリア講座を提供しています。講座を通じて創造性を高め、人とつながることで、組織での再活躍のほか、起業や地域・社会貢献等など、参加者の様々な可能性を広げます。

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