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【レポート】さよなら、3×3Labo――フィナーレは奇跡か必然か

TIP*S/3×3Labo フィナーレ 3月3日開催

涙と感動のフィナーレ?

4月1日の新設「3×3Lab Future」の正式オープニングを前に、日本ビルのTIP*S/3×3Laboにお別れを告げるための「TIP*S/3×3Labo フィナーレ」が開催されました。日付も3×3Laboにちなんでの3月3日。当日は、中小機構の関係者から、3×3Laboの会員にとどまらず、これまでイベントに参加した人、主催した人、3×3Laboに少しでも関わりのある人が200名近く集まる大盛況となり、賑やかにTIP*S/3×3Laboのフィナーレを祝いました。

この日は、ランチタイムには「最後のさんさんランチーズ」、午後は特別企画として、鎌倉投信の新井氏と、3×3Laboプロデューサーの田口氏の公開対談が催されるなど、非常に盛りだくさん。参加者の多くが昼から詰めかけており、楽しさと惜別の思いと、そして3×3Laboらしい熱気に溢れた1日となったのでした。

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TIP*S/3×3Laboなひとたち

TIP*S/3×3Laboなひとたち

上段左から越智氏、溝口氏、岡田氏、下段左から山下氏、近藤氏、若松氏

"フィナーレ"とはいえ、その実態はひとことで言えば"飲み会"。定刻を前から三々五々集まりはじめた参加者たちは乾杯を前に思い思いに飲み始めています。この日はTIP*S/3×3Labo共催のため、広いフロア全体が会場。最初は、広いスペースに参加者の姿が寂しげに散見されるのみでしたが、いつしか会場を埋め尽くすほどに膨れ上がり、乾杯が行われたのは詰めかけた参加者がほのかに酔い、ほどよく会場が温まってからでした。

乾杯の後は、アカペラボーカルユニットのXuXu(シュシュ)のライブを合間にはさみながら、TIP*S/3×3Labo関係者、会員、イベントを主催した人たちなどが、順繰りに挨拶をし、TIP*S/3×3Laboへの別れを告げていきました。

TIP*Sアドバイザー 石尾氏最初に挨拶に立ったのは、TIP*S/3×3Laboが現在の形になったきっかけを作った、中小機構で、TIP*Sのアドバイザーを務める石原誠一氏(株式会社NO GUARD 代表取締役)。富士ビル3×3Laboを見て、「これからの時代パートナーシップが重要」と、提携を進めたそう。挨拶では「異質なものを受け入れ、多様性を保つためには、スタッフの努力が必要だが、ここまで盛会になるほど多様な人材が揃ったことに心から敬意を表したい」と語りました。

その後の関係者挨拶では、TIP*S(中小機構)の越智氏、水落氏、岡田氏、3×3Labo側からは、山下氏、近藤氏、若松氏がマイクを取りました。思い思いにこの場所で得たものや思い出、これからへの思いを語りましたが、途中、感極まってしまった若松氏の言葉が印象的でした。
「ガランとした富士ビルから始まって、こんな私でもやれることがある!という思いを拠り所にしながら取り組んできたけど、3×3Laboができるまでは考えもしなかったような、普通に生きてきたら、絶対に会えなかった人たちと出会い、一緒に温かい空気を作ることができて、もういっぱいいっぱいです」

文字通りゼロから作り上げられ、多くの人に支えられてきた3×3Labo。その、ひとまずのフィナーレには、新しい3×3Lab Futureが出来て、なくなるわけではないにせよ、どこか、ちょっとした悲しみに似た空気が伴います。某漫画でヒロイン(?)がつぶやいた「晴れ晴れとした寂しさ」という言葉がぴったり来るような気がします。

世界を変えろ

その後も、TIP*S/3×3Laboでイベントを主催した人、サポートしてくれたみなさんが順番に挨拶に立ちました。登壇順に、鎌倉投信・鎌田恭幸氏、場活師・泉一也氏。泉氏は「ここにいる人は"ミュータント"。これだけの"Xメン"がいれば日本が変わる」とエール。この春、横浜国大から長崎大学へ転じ、ソーシャルアクションに関する新学部を創設する大任に就く水戸浩教授、地理バッ地理の澤内隆氏。

間を挟んで、ニューヨークに3×3Laboと提携するオープンスペースを開設している板越ジョージ氏、パナソニックから独立企業した岩井利仁氏、日本ファシリテーター協会の飯田正男氏、"ミスター3×3Labo"ことジョニー氏。ジョニー氏は「3×3Laboのおかげで僕は変わることができた。タモリが赤塚不二夫の弔辞で述べた『私もあなたの作品』に倣えば、僕もまた3×3Laboの作品のひとつに過ぎない」と最大級の賛辞。

こうした登壇者のみなさんの、言葉のすべてを記すことはできませんが、晴れ晴れとした寂しさを感じさせながらも心あたたまるエールが贈られたのでした。

そして、中締めにあたっては、エコッツェリア協会専務理事の村上氏からの、新しい3×3Lab Futureへのますますの協力と会員登録を求める呼びかけの後、「3×3Lab Futureの"館長"の田口から」と促され、田口氏が司会としてではなく、登壇者として挨拶しました。

「マネタリーキャピタルだけを求めるのではなく、ソーシャルキャピタルを高めていくのが3×3Lab Futureの使命。3×3Lab Futureはデザイナーと一緒に作った空間ではあるが、ソフトを作っていくみなさんの狭路yクがこれからますます必要になる。世界一のハードに、世界一のソフトが揃った場所にして、3×3Lab Futureが世界を引っ張る、そんな自覚を持って、ともに歩んでほしい」

奇跡ではなく、必然

3×3Laboから3×3Lab Futureへ――。
それは、富士ビルから始まりゼロから作り上げられてきた3×3Laboが、やがてその成果を認められ、日本ビルのTIP*S/3×3Laboとなり、そして、期限付のビルでのトライアルではなく、三菱地所の旗艦ビルの1階に実装されたという、奇跡のような軌跡です。

いや、奇跡と呼ぶのは適当ではないかもしれません。3×3Laboに参画し関わってきた人の思いと情熱を顧みれば、これは今の社会に必要であった、必然のようにさえ見えてくるのです。田口氏が言った「世界一の場所に」という言葉。それは夢物語でも世迷い言でもありません。まさにいま、社会には変化が必要です。3×3Lab Futureには、その発信源、拠点になってほしい。そんな思いを新たにすることができるフィナーレでした。

これまでのTIP*S/3×3Laboに関わってくれたすべての人に、感謝を。

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