足立直樹(あだち・なおき)
1965年生まれ。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。東京大学理学部・同大学院卒、理学博士。国立環境研究所、マレーシア森林研究所を経て、コンサルタントとして独立。「2025年を創る会社」を掲げ、多くの先進企業に対してコンサルティングを提供。日本生態学会常任委員、環境省生物多様性企業活動ガイドライン検討会委員
サステナビリティ・プランナーとして
経済と環境の調和を考え続ける
足立直樹が思う未来の大丸有の姿とは―。
1. まち作りの知恵を生き物が提供する
「1000年続くまち」と大丸有エリアでは印象的な目標を掲げています。これを達成するためには生き物の力を活かすことが必要です。人間が生き物との関係を考えるべき理由は2つ。1つは「生き物は他の生き物と良い関係をつくらなければ存続できない」という事実です。忘れてしまいがちですが、生き物である私たち人間は、食料や酸素など生活に必要なほとんどすべての資源を他の生き物から受け取っています。
もう1つは生き物の知恵が私たちに役立つことです。例えばアリ。地球上に推定1京匹もいて、体重数ミリグラムのアリ1京匹分の体重と人間の総人口の全体重はほぼ同じと推計されます。しかし人間と違い、アリは環境問題を引き起こしているという話は聞いたことがありません。キノコ栽培を行ったり他種との共生関係を築くなど、高度な社会を築いている彼らの生活スタイルに、人間が学べるヒントがたくさん隠されているのです。

けやき並木が美しい丸の内仲通り
現在の日本では生き物とのかかわりについて、「生物の命や種類を大切にしよう」という議論が目立ちます。それはとても重要なことですが、生き物を活用する、知恵を学ぶなど、もっと広い視点から考えるべきテーマだと考えます。2010年秋に名古屋で生物多様性条約COP10(第10回締約国会議)が開かれるため、日本でも生物多様性への関心が高まっています。会議では「生物を保全する」とことに加えて、「生物資源を持続可能な形で使う」「遺伝子資源から得る利益を公正に分配する」というテーマも議論されます。つまり社会や経済の問題でも生き物は私たちと密接につながっているのです。





















