レポート

命の力をまち作りに活かす

足立直樹(サステナビリティ・プランナー)
by ジャーナリスト 石井孝明

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足立直樹

足立直樹(あだち・なおき)

1965年生まれ。株式会社レスポンスアビリティ代表取締役。東京大学理学部・同大学院卒、理学博士。国立環境研究所、マレーシア森林研究所を経て、コンサルタントとして独立。「2025年を創る会社」を掲げ、多くの先進企業に対してコンサルティングを提供。日本生態学会常任委員、環境省生物多様性企業活動ガイドライン検討会委員

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3. 生き物との共存が一段と必要になる

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生き物は具体的に活用することもできます。自然を適切に組み込むことでまちの価値は高まります。自然は接する人に安らぎを与えます。公園や街路樹などで適切に緑を配置し、鳥や昆虫が集うようにデザインする思想が必要でしょう。大丸有地区はもともと巨大な緑のある皇居、また日比谷公園に隣接しています。その自然とまちが今以上に有機的に結びつく方法を考えることで、生き物も増え、集う人たちが自然からの便益を日常的に自覚できるでしょう。また、水辺は多くの生き物を育て人に安らぎをもたらします。大丸有は、皇居のお濠や日本橋川等の水辺とつながることで、まちの魅力をより高めるでしょう。

私は、未来の大丸有地区が、生き物と共存する持続可能な都市の成功例になってほしいと思います。温暖化の進行や食糧不足など、地球環境問題は今後厳しさを増し、生き物とのかかわり方をより深く考える必要に迫られます。まちも持続可能な環境都市へ変わる必要がありますが、想像や言葉だけでは物事はなかなか動きません。目標となる具体例をつくり、社会がよい方向に変わっていくために人々が目指すべきイメージを見せることが、「思いを持つ都市」が担う役割です。

都市緑化
丸の内パークビルディング中庭の水景施設


行幸通り
東京駅と皇居をイチョウ並木でつなぐ行幸通り

2050年ごろまでの近未来を考えると、その時も大丸有地区は重要なまちであり続けるでしょう。他の国ではまち作りにおける「パブリック」を広くとらえ、私有の建物であろうと外部に接している空間、景観には厳しい規制が求められています。それが時間を経て積み重なって「まちの文化」をつくり、それが「まちの価値」を大きく支えることにつながっているのです。大丸有も理想に近づけるため、共有したまちのビジョンを実現するため、規制を厳しくすることも必要な場面もあると思います。働く人も観光客も、景観の裏側にあるもの...まちの歴史に惹かれて、集まるようになると思います。

大丸有地区が、生き物があふれるさまざまな魅力ある都市に発展し、環境共生のまちとして日本と世界の成功の目標となる。そんな未来を期待しています。

* この文章は、大丸有CSRレポート2010に掲載されたインタビューの全文です。

大丸有CSRレポート2010

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