安昌寿(あん・まさとし)
国土交通省成長戦略会議 住宅・都市分科会座長/株式会社日建設計代表取締役
副社長
1949年生まれ。京都大学工学部卒・同大学大学院工学研究科修了。マサチューセッツ工科大学大学院都市計画部地域開発特別プログラム(SPURS)修了後、株式会社日建設計に入社。文京区、日本橋兜町、晴海・豊洲、臨海副都心、渋谷駅周辺、汐留、飯田橋駅周辺など、都心の再開発構想や、開発整備計画等に携わる。
2006年1月より、同社代表取締役副社長を務める。
国土交通省の成長戦略会議(座長:長谷川閑史氏)は、2010年5月に、策定した「成長戦略」を国土交通大臣へ報告した。この中の住宅・都市分科会では、2009年度後半より十数回にわたり委員会を開き、これからの住宅・都市分野の成長戦略について議論を重ねてきた。生活の基盤である住宅・都市分野において、今後、どのような政策が実施されることになるのか??。成長戦略会議の委員であり、当住宅・都市分科会で座長を務めた安昌寿氏を招き、成長戦略の概略について語っていただいた。
(於:エコッツェリア協会理事会特別講演会(2010年5月開催))
国土交通省 成長戦略会議
参考:新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)
1. 大臣や幹部、有識者との連携で組みあがった成長戦略
住宅・都市分科会の座長を務めることとなり、住宅・都市分野に関する事項について、2010年1月に、会議において問題提起をさせていただきました。
次に、問題提起に関連してできるだけ幅広い意見を集めようと、さまざまな有識者や専門家の方々からご意見を頂戴することにしました。そこでは、大都市の都市再生問題、高齢者問題や公共施設の管理、公民連携、歴史的市街地の維持などさまざまな重要課題について貴重な示唆をいただき、十数回の委員会での議論を経て、徐々に成長戦略としてかたちにしていきました。さらにここ数カ月間は、前原誠司国土交通大臣や国土交通省の幹部の方々とも議論を重ね、民主党政権が掲げる国土交通政策について理解を深めるとともに、大臣はじめ政務官、官庁、関連業界が連携し、成長戦略案を進展させることができたのは大きな成果だったと思います。
また、分科会の外でも、竹中平蔵氏や孫正義氏、大前研一氏等の有識者からもご意見を頂戴することができました。また個人的には、エコッツェリア協会(大丸有環境共生型まちづくり推進協会)の理事長を務めておられる伊藤滋先生のもとへは何度も足を運び、頂戴した数々のご意見に共感するとともに、重く受け止めさせていただきました。
さて、実際に成長戦略に関する問題提起として当初掲げたキーワードは、以下の5つです。
今回、国交省の成長戦略分野として、まず海洋・空港・観光・国際という4つのテーマが取り上げられ、追って住宅・都市分野が加わり5つのテーマとなりました。
これらの分野が選ばれた背景には、海外、特に近隣諸国との関係を強く意識するという思いがあったのではないかと思います。前原大臣は大学卒業後すぐに松下政経塾に入塾され、松下幸之助氏を大変尊敬しておられるとお聞きしましたが、松下氏は昭和30年代から、もはや日本はものづくりではなく、観光立国となるべきだという先駆的な考えをおもちだったようです。そうしたこともあってか、今回のすべての会議に出席された前原大臣が、ツーリズムに強い思いを抱いていらっしゃる様子が感じられたと同時に、【GLOBAL BRANDING】のため、大都市市街地がその中心的な役割を担っていかなければならないという私どもの提言案について、すぐにご理解・ご共感いただき、さまざまな点から強化していくという方針を固めることができました。





















