レポート

まち・都市における『環境教育』のあり方とは ――啓発からアクションへ

小森繁(環境省国民生活対策室 室長)
by ジャーナリスト 田井中麻都佳

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小森繁

小森繁(こもり・しげる)

1967年東京生まれ。環境省地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室長。
1992年環境庁(入庁)。第1次環境基本計画、環境影響評価法等の策定などを担当。2002~2003年北九州市環境国際協力室長。09年より現職。

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3.低炭素社会実現への次のステップ
―子どもたちのために大人たちがビジョンを示せ

今冬、デンマークで開催されるCOP15において、京都議定書の定めにない2013年以降の地球温暖化対策が話し合われることになる。それにさきがけ、国連気候変動サミットでは、鳩山由紀夫首相が「鳩山イニシアチブ」を提唱、温室効果ガスの排出について、2020年までに1990年比で25%削減することを表明した。すでに、世界全体で2050年までに1990年比の半減が国際的な合意になりつつある現在、低炭素社会の実現は喫緊の使命である。では、いかに社会システム全体を変換していったらいいのだろうか――。

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小森: まずはできることから積み重ねていくことが大切ですが、次のステップとしては、新しい技術や製品を次々に生み出し、並行して制度を変え、ライフスタイルを変えることで、社会全体を低炭素社会へと導いていく必要があります。

そこで現在、低炭素社会づくりのさきがけとして、環境モデル都市である千代田区では、さまざまな取り組みを始めています。その一つが「エコまちあるき」というもので、大丸有地区も含む千代田区内の、環境対応施設や屋上緑化壁面緑化のポイント、エコイベントの情報、エコ公園や都会の菜園などをめぐるモデルコースなど、環境情報を盛り込んだマップを小冊子にまとめ、その普及に努めています。また、大丸有地区では、電気自動車を活用したカーシェアリングと急速充電器の活用、地域内の「エコポート」(サイクルポート)で借りた自転車をどこでも返却できるコミュニティサイクルなど、新しいモビリティに関する社会実験も行っています。

実は先日、こうした活動を普及するためにイベントを行い、多数の小学生にも参加してもらいました。「コミュニティサイクルが印象に残った」とか、「ビルの中に緑があってびっくりした」といったさまざまな感想がありました。2050年の社会とは、遠いように感じますが、彼らにとって2050年は、41年後、まさに今の私くらいの年齢であり、そう遠くない将来なんですね。だからこそ私たち大人が責任をもって、さまざまな可能性を示しながら、未来のグランドデザインを子供たちに提案していかなければならないのだと、改めて強く感じました。

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そして、われわれ大人たちの使命は、社会の組織人として役割を担うだけではない、と小森氏は言う。家に帰れば、家庭人としてできることがあるはずだ、と。

小森: 私の場合は、自分の結婚式で面白い試みをしてみました。結婚式というのは私たちにとって重要な文化の一つではありますが、食べ物などが無駄になる部分も多い。そこで、残り物がなるべく出ないように立食形式にしたり、森林認証の木材を使用した紙で招待状をつくったりしました。遠方からの出席者の移動や新婚旅行でオーストラリアに行った分のCO2 を算出して、カーボンオフセットによって相殺すべく、ブラジルのもみ殻発電プロジェクトによるクレジットを購入したしたのです。結婚式というイベントだけでなく、旅行など日々の暮らしの中でも、こんなふうに少し工夫するだけで、楽しみながら環境アクションを実践することができるんですよ。自分でやってみることで、アクションする意味をより深く感じることができ、人々に伝えていく説得力も増したんじゃないかな(笑)

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