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えっ!? 祗園祭にはそんな秘密があったんですか!? ~「そうだ、京都、行こう。」東京講座第3回~

2010年6月21日 | post by 萱原正嗣

カテゴリー 文化

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kita-kannon-yama-top.jpg 京都に住んだことがない人でも、日本三大祭の筆頭に挙げられる祗園祭の名は聞いたことがあるはずです。ですが、その中身はというと、実は案外ご存じないのではないでしょうか?

5月27日に丸の内ハウスで行われたJR 東海「そうだ、京都、行こう。」の東京講座* 第3回は、「祗園祭のナゾ、優しくひも解きます。」と題して、京都も京都、山鉾を維持保存する山鉾町(やまぼこちょう)の一つで生まれ育ち、現在は日本の祭りや民俗学を研究されている佛教大学教授・八木透さんが、祗園祭のあれこれを解説してくださいました。

mikoshi.jpgえっ!? 祗園祭には神輿も出てたんですか!?
祗園祭というと山鉾巡行のイメージがありますが、祗園祭は八坂神社の祭礼です。山鉾巡行の終了後に、三基の神輿がまちを練り歩きます。神輿に乗るのは、八坂神社の三座の御祭神、素戔嗚尊(すさのおのみこと)とそのお妃・櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、二神の五男三女の子供・八柱御子神(やはしらのみこがみ)の分霊です。八坂神社を発した神輿は氏子地域を御旅所まで巡行し(神幸祭)、御旅所に一週間とどまったあと、やはり氏子地域を巡行して八坂神社へと戻ります(還幸祭)。

八坂神社は、その昔「祗園社」と呼ばれていました。また、祗園祭の正式名称は「祗園御霊会」(ぎおんごりょうえ)です。「御霊」(ごりょう)とは、いうなれば怨霊のこと。都で度々流行る疫病の原因を御霊たちの仕業と考えた人たちが、御霊を都の外へ送り出すために神輿を出したのが祗園祭の起源といわれています。貞観11年(869年)のことです。

祗園祭の開催は、毎年7月17日が山鉾巡行と決まっていますが、明治の改暦までは、旧暦の6月に行っていました。新暦の7月と旧暦の6月はほぼ時期が重なりますが、この時期は梅雨で雨が多い季節です。川のまち京都では、大雨の度によく川が決壊し、洪水が発生していました。洪水が水の被害とともにもたらすのは疫病です。また、高温多湿のこの時期には食中毒も頻発しました。疫病や食中毒が発生する時期に合わせて、疫病の退散を願う祭りを開いていたというわけです。

なお、祗園祭は、宵山(山鉾巡行の前三日間。前々日を宵々山、前々々日を宵々々山と呼ぶこともあります)と山鉾巡行をクライマックスとして、7月1日から31日まで1ヶ月間に渡って行われます。宵山、山鉾巡行以外の楽しみ方も是非探してみてください。

kaijo-gion.jpg山鉾ってどんな意味があるの?
「山鉾」とひとまとめに呼ぶことが多いですが、実は「山」と「鉾」は別物です。八木先生曰く「"鉾"には人が乗れて、"山"には人が乗れないという説明がありますが、それは間違いです」とのこと。では両者の違いとは?

「"鉾"は、先端が金属でキラキラ輝いていることが重要です。"鉾"には鈴も付いていますが、その音と輝きで御霊を引き寄せることが"鉾"の本来の役割です。"山"は祭りを賑わすための移動舞台。今で言うなら東京ディズニーランドのパレードです。"山"というだけあって、必ず木が生えているのが区別する一つのポイントです」(八木先生)

つまり、鉾は御霊の依代(よりしろ)となるものでした。今でも残る祗園祭の習わしとして、鉾は巡行が終わると惜しげもなくすぐに解体します。巡行が終わったその日のうちに、です。

「かつては、解体した鉾は鴨川に流して難波の海まで送り出していました。御霊が依った鉾を都の外に送り出してこそ、祭りの意味があると当時の人が考えたからです。今は川に流しはしませんが、御霊が依った鉾をすぐに解体することで御霊を祓うことを願う思いは変わりません」(八木先生)

鉾の解体はまちの中で行われます。御霊の退散を願って見学するのも一つの楽しみ方かもしれません。

niwatori-boko-rear.jpg山鉾はとっても高価な、動く美術館でした
鉾が川に流されなくなった理由の一つとして、鉾が美術工芸品として大きな価値を持つようになってきたことが挙げられます。

山鉾には、日本の伝統工芸品(技術)がふんだんに用いられているのはもちろんですが、ヨーロッパやペルシャの織物も飾られています。ヨーロッパやキリスト教の故事や説話をモチーフにしている作品も多く、実に国際色豊かです。

山鉾を飾る美術品ともいえる品々は、雨に濡れると大きなダメージを受けます。とはいえ、この季節に雨は付き物、数年に1度は巡行の日に雨が降るともいわれています。平成18年(2006年)は雨の中で巡行が行われましたが、「そのときの修復費は3億円もかかった」(八木先生)ということです。さすがに、これだけ高価なものを毎年川には流せません......。さながら動く美術館とも言え、豪華絢爛、雄壮美麗な文化財の数々を楽しめるのも、祗園祭の見所の一つなのです。

今年の祇園祭のクライマックスは、7月14~17日。東京駅から京都駅までは新幹線で2時間半。「そうだ、京都、行こう。」そう思い立ったら、ふらりと出かけてみるのも良いかもしれません。

* 写真1枚目:祗園祭宵山の風景 Creative Commons. Some rights reserved by matsuda.yukihiro.
* 写真2枚目:祗園祭の神輿 Creative Commons. Some rights reserved by MShades.
* 写真3枚目:当日の会場の様子
* 写真4枚目:鶏鉾の後部。タペストリーは16世紀のベルギー製で重要文化財。
Creative Commons. Some rights reserved by MShades.

* JR東海「そうだ、京都、行こう。」東京講座
JR東海の「そうだ、京都、行こう。」では、京都のお寺や神社、桜、紅葉、お店、イベント、お祭り、お食事やお土産、宿泊などの情報を提供するほか、楽しみながら京都について学べるさまざまなイベントを開催しています。
新丸ビル7階「丸の内ハウス」では、隔月で「東京講座」が開催されています。

第3回「祇園祭のナゾ、優しくひも解きます。」講座開催概要

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