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【千代田 都市農園の旅1】 花畑から水田まで! パソナの「アーバンファーム」に行ってきた ~インタビュー編~

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見学に続いて、広報室リーダーの藤巻智志さんにパソナの農業に対する取り組みについてお話を伺いました。

まず、お聞きしたいのは、どうしてここまでやるのか?ということです。
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アーバンファームで稲刈りをする南部社長

パソナは「人を活かす会社」です。社長はいつも「人は国家なり」、会社は何よりも社員を大切にしなければならないと言っています。コストや効率だけでなく、社員が働く環境が非常に重要だという考えなのです。

オフィスにいる時間というのは、働いているわけですから、やはりストレスがかかるときもあります。そこに緑による癒しがあればストレスを減らすことができます。株式会社である以上、利益を上げることも必要ですが、働く社員の「心の黒字」を出すことも重要なのです。それが結果的には生産性の向上にもつながるのではないでしょうか。

さらに、単に緑を配置するというだけでなく、野菜をつくり、自らつくったとれたての野菜を食べることは心だけでなく、体の健康にも良いですよね。この「アーバンファーム」は社員の心の健康と体の健康の両方を実現するプロジェクトなのです。

見学中にも紹介しましたが、会議室の一部にあるような天井での栽培をオフィスやセミナールームでもやりたいと考えているんです。まだまだアーバンファームは完成していません。これからも変化し続けると思いますよ。

パソナとして、農業分野に力を入れている理由にはどのようなものがあるのでしょう?

一番は農業分野の雇用創出です。これまでも新規事業を行う際には、社会的な問題を解決することを念頭に置いてきました。そもそも、パソナグループ創業の目的も、社会問題を解決することでした。当時の世の中は、オイルショックで不景気。働いている人たちはあまりに忙しく人手が欲しいけれど、フルタイムで雇うほどの余裕はなかったんですね。

他方で働きたい人は多く、特に結婚や出産を機に仕事を辞めた女性たちはキャリアを生かして働ける場所を探していました。そこで、繁忙に合わせて即戦力を求める企業と柔軟な働き方を求める人々を結ぶものとして人材派遣サービスを始めたのです。

2003年に農業分野へ進出したのも雇用創出が目的です。当時から農業分野での雇用インフラは整っていませんでした。農業をビジネスとして捉え、今までの社会人経験を活かして就農したいという若者は増え始めている一方で、就農者の高齢化が進み、遊休農地が増え続け、後継者不足が叫ばれている状態でした。農業を産業としてみた場合、野菜作りだけにとどまらず、加工や流通、ITなどの様々な周辺産業においても、雇用創出の可能性が秘められているのです。

そこでパソナグループでは農業をビジネスと捉え、農業に興味を持ってもらうきっかけを作り、農業を実際に研修できる場所を提供することにより、異業種から新しい発想と知識を持った人材が農業に参入できるインフラを整えることに力を注ぎ始めました。

パソナグループの新しい農業支援

具体的な取り組みとしては、どのようなものがあるのでしょうか?
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まず、『農業インターンプロジェクト』があります。これは、実際に農業に携わり、ものづくりをしたい人向けのプログラムで、約6ヵ月間にわたって農家でのインターンシップを経験するものです。これは農業を始めようという人が、自分に適性があるかどうかを判断するのに役立ちます。

『Agri-MBA農業ビジネススクール"農援隊"』は農業経営を学ぶビジネススクールで非常に人気があります。これは、社会人経験者のビジネススキルを農業分野へ還流させることを目的に、農業をビジネスとして捉え、生産だけでなく"経営"を体系的に学んでもらう講座です。農業経営者から普段聞くことができない具体的な成功例や失敗例をケーススタディを通じて学ぶことができることもこの講座の特徴です。

『農林漁業ビジネス経営塾』はAgri-MBAとは逆に農業生産法人に対して経営者が様々なビジネススキルを伝える塾です。たとえば青森で観光農園を営むさくらんぼ農家の方に対し、お客さんの注文のリピート率を上げるためにはご案内する時の接客が重要という事に焦点をあて、客室乗務員を講師として紹介し、ビジネスマナーについて学んでいただきました。 他にも、直売所での陳列方法や、通信販売で成果を上げる方法など、非常に具体的な個別指導も行っています。

pasona_challenge_farm.JPGまた、農業インターンを経験した人の半数ぐらいが農業関係の職についていますが、「土地が借りられない」「初期投資が足りない」など様々な問題により、就農できない方も多いのが現状です。そこで、独立就農に興味のある方がチャレンジできる仕組みづくりとして2009年から独立就農支援制度「パソナチャレンジファーム」を始めました。就農に意欲のある方々にパソナが土地を用意し、最長3年間そこで農業に従事してもらいます。そして独立の準備が整ったら独立してもらうというものです。3年後にはその土地をそのまま使って農家として独立していただくことも可能ですし、3年間で築いた周りの農家さんとのネットワークを活かした就農もサポートしていきます。

淡路島で始めて2年近くになるんですが、メンバーの一人は、淡路産玉ねぎに続く新しい特産品を目指して、「淡路島バジル」を考案し、バジルペーストやバジルドレッシングなどを道の駅で売り出すなど、メンバーそれぞれが独立に向けて動き出しています。

アーバンファームはその中でどのような位置づけにあるのでしょう?

アーバンファームは農業に興味を持っていただくための"入り口"と位置づけています。たくさんの方々に農業を身近に感じてもらい、興味を持ってもらう。たくさんの方々に訪れていただき、農業の可能性を知ってもらえたらと思っています。

農業分野でまだまだ、様々な作業をアウトソーシングするという概念が浸透していません。パソナグループという総合人材会社が農業に携わることで、農業分野と異業種の新しい発想・知識を持った人材を結び付けることで、農業分野を更に活性化していけるのではないかと考えています。

アーバンファームの取り組みを周辺にも広げていこうなどとお思いでしょうか?

公開しているものなので、どんどんアイデアを盗んでほしいですね。田植えや稲刈りのときにはイベントもやっていますし、オープンな場なのでいろいろな人に訪れてほしいと思っています。


本当に、大丸有といわず東京中、日本中のオフィスがこんな風に野菜を作れば素晴らしいのに!と思いました。野菜をつくることは、手軽に自分の食べ物を自分の手で生み出す体験ができる方法です。水やりを忘れたら植物は弱るし、肥料をあげすぎれば病気になったりする。少しずつ大きくなる野菜を見るといとおしく、食べる時にもありがたみを感じることができます。

夏休みには、社員の家族を招いてアーバンファームやオフィスの見学も行われるなど、家族も含めて本当に「人」のことを考えている企業なのだと感じました。このオフィスで働ける人は幸せですね!

パソナアーバンファーム

パソナアーバンファーム
開館時間 : 土日祝日を除く 平日 9:30~17:30
見学料 : 無料

ご見学方法
  • 総合受付にてパンフレットをお配りしています。ご見学の際は、総合受付までお立ち寄りください。
  • ご見学希望の方は、イベント等の関係でご見学いただけない場合もありますので、事前に下記までご連絡ください。
  • 10名様以上の団体のご見学予約は、事前に必ずお問い合わせください。
  • 団体でのご見学の場合は、一部エリアに執務スペースも含まれているためご案内できないエリアがございます。
    ※イベントなどが催されている場合はご見学いただけない場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お問合せ先

株式会社パソナグループ 事業開発部 (03-6734-1070)