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【レポート】2017秋・東北6県のおいしいもの集合!  第3回「大手町マルシェ×JAまるしぇ」

経団連「東北復興応援フェスタ」にジョイン! 2017年11月1日(水)に合同でキックオフセレモニー

秋も深まった11月1日、第3回「大手町マルシェ×JAまるしぇ」が開催されました。JA全中、農林中金、三菱地所、エコッツェリア協会の4者が6月に連携したことによって始まったこの農と食のイベントですが、今回は経団連が主催する「東北復興応援フェスタ」にジョイン、「大手町マルシェ×JAまるしぇ~みんなで耕す大手町畑~『いただきます。秋の東北』」と題しての開催となりました。

・6月の4社連携協定セレモニーと第1回マルシェの記事はこちら

・東北復興応援フェスタの詳細はこちら

1日のオープニング時には、「東北復興応援フェスタ」のキックオフセレモニーが大手町フィナンシャルシティ1階アトリウムで開催されました。フェスタ主催者の経団連からは副会長の石塚邦雄氏(三越伊勢丹ホールディングス特別顧問)、JAまるしぇを企画運営する4者連携側からはJA全中専務理事の比嘉政浩氏、三菱地所取締役会長の杉山博孝氏、そしてゲストとして復興庁から土井亨復興副大臣も出席し、イベントへの思いや期待を語りました。

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復興への祈りと願いを大丸有から

復興への祈りと願いを大丸有から

キックオフセレモニー。左からJA全中・比嘉専務理事、経団連・石塚副会長、土井復興副大臣、三菱地所・杉山会長

「東北復興応援フェスタ」は、東北の産業復興を促進し、都内からエールを送るため11月1日から30日まで都内各所でおよそ30のプログラムを経団連に加盟する企業や関連団体が実施。キックオフセレモニーの挨拶で石塚氏は「東北の産業復興に農林水産業の復興は欠かせない」と話したように、そのプログラムの多くが農と食に関わるものになっています。1日の大手町マルシェ×JAまるしぇはそのスタートとして行われるもの。石塚氏は、東日本大震災からの東北6県の復興は経団連の最重要課題のひとつで、その柱となる農林水産業が「今もなお復興の途上にある」とし、フェスタの一連のイベントで、「東京の人々に東北の魅力を発信することが、産業復興の一助となる」と期待を語りました。フェスタでは、東北のモノづくりなどの産業、観光をテーマにしたイベントもある多彩な内容。石塚氏は、11月24日に丸の内・日本橋で開催される「東北プレミアムマルシェ」にもぜひ足を運んでほしいと会場に呼びかけました。(※フェスタの詳細はこちら

土井復興副大臣も、東北6県の復興が前進している一方で、産業を支えてきた沿岸部の農村漁村が津波で流され、ゼロから再スタートを切っている現状を語り、「東北のおいしいものを東京のどまんなかでアピールし、しっかり食べてもらうことは復興につながる」と大手町での復興マルシェへの期待を語ります。と同時に、今年3月には経団連とともに風評被害払拭の活動に取り組んだことも話し、「風評被害払拭は、民間企業の協力、知恵がなければ進まないだろう。このイベントがその寄与となれば」と今後さらに官民一体で風評被害払拭に努めたいと語りました。

JA全中の比嘉専務理事、三菱地所の杉山会長もともに、復興への思いを語り、今後も引き続き復興支援に努めていく方針であることを述べました。

マルシェと青空教室で、生産者とワーカーがリアルな交流

福島県産の梨を買う土井副大臣。「ちょっと傷もありますが...」「気にしないよ!」と8個購入

マルシェでは、東北6県の産品を数多く展示販売。季節柄、果物が多く、11時のオープン後、どんどん売れていきます。地方創生の時流を反映してか加工品も多く、地域の特徴を活かした製品、パッケージに足を止めて見入る一般客の姿が目につきました。

福島県から出展したJAふくしま未来のブースでは、おおぶりの梨(新高梨)が人気で、土井副大臣はセレモニーの直後に訪れ、即座に8個をお買い上げ。その後も客足が順調で、お昼時には完売となりました。JAふくしま未来の担当者に、土井副大臣が心配している風評被害について聞くと、「販売の現場で『大丈夫なのか』と訊かれるなど、ところどころで引っかかることはあり、震災以前と同じとは言い難い状況」ではあるものの徐々に回復しつつはあり、大丸有のオフィスワーカー諸氏には「復興のため、かわいそうだから、という目で見るのではなく、素直に福島のもののおいしさを知ってほしい」とのこと。梨を買っていった来場者に聞くと、「以前ほど報道で扱われることがなくなったせいか、風評も気にならなくなった。今日も意識することなく買いました」と一言。やはり手に取った理由は「おいしそうだったから」とのことで、先は長いとは言うものの、復興に向けて一歩一歩進んでいることを感じさせます。

「青空教室」の様子。生産者、開発者と消費者がフランクに語り合う場となった福島県は農業も水産業も群を抜いて豊かであった地域で、震災以前は"黙っていても売れた"もの。それだけに「PRが下手」という指摘も多く、この日も「一からスタートして、一歩一歩を積み重ねてここまで来ることができた。これからもさらにアピールに努めたい」と話しています。

また、大手町マルシェ×JAまるしぇの特徴である生産者との交流では、今回初めて、マルシェ会場前の大手町仲通りに「青空教室」を設置。JA仙台、JAおいらせ十和田、三菱地所(「Rebirth東北フードプロジェクト」 オリジナル缶詰)がブースを構え、それぞれ生産の苦労や、加工品の開発秘話などを語りました。マルシェでアイテムを持って興味を持った人が教室へ移り聞き入る姿も見られました。

今回のマルシェの特徴は...体操教室?!

記者が独自に選んだ加工品ベスト6は、「メロンジャム」(山形県・JA櫛引農工連 540円)、「伊達のあんぽ柿 柿入れ羊羹」(福島県・JAふくしま未来 230円)、「にんにくパウダー」(青森県・JA十和田おいらせ 600円)※以上上段、「ラ・フランス缶詰」(山形県・JAさくらんぼひがしね 650円)、「ソイチョコMIX」(宮城県・JA仙台 650円)、「巨峰サイダー」(福島県・JAふくしま未来 150円)※以上下段

ここからは、記者の独断と偏見で、おススメ商品のご紹介をしたい。
今回は加工品が多く目についた。地域の特色を活かしたユニークな加工品が揃い、来場者の目を誘う。記者が独自に選んだ加工品ベスト6は、「メロンジャム」(山形県・JA櫛引農工連 540円)、「伊達のあんぽ柿 柿入れ羊羹」(福島県・JAふくしま未来 230円)、「にんにくパウダー」(青森県・JA十和田おいらせ 600円)、「ラ・フランス缶詰」(山形県・JAさくらんぼひがしね 650円)、「ソイチョコMIX」(宮城県・JA仙台 650円)、「巨峰サイダー」(福島県・JAふくしま未来 150円)だ。

「メロンジャム」は、アルカリ性のために加工が困難なメロンを、初めてジャムとして製品化することに成功したもの。山形県と慶應義塾大学先端生命科学研究所(センター棟 山形県鶴岡市)が共同で開発、今年6月の「第3回メロンサミットin鶴岡」で初お目見えしたばかり。今年は天候不良のためメロンが不作だったために、メロンジャムも今年はまだまだ少量。このサミットで入手できた人は超ラッキーだ!
「伊達のあんぽ柿 柿入れ羊羹」は、最近話題となっているあんぽ柿を使った「加工品をさらに加工する」という贅沢な羊羹。ずしりとした重さがおいしさの証明。香料は使わず、あんぽ柿の香りと甘みを最大限活かしている。9月に発売したばかりで、まだ知られるところは少ないが、果物好きはマストバイのアイテムだ。「にんにくパウダー」はなんといってもパッケージが可愛らしい。収穫後に独自の技術で処理した低臭にんにくをパウダーにしたもので、「どれだけ食べても翌日まったく気にならない」とは販売者の談。調理ではもちろん、食卓の調味料としても使える手軽さが◎だ。

「ラ・フランス缶詰」は、リッチなコンポートを2つ割りで詰めた缶詰。濃密な味はお菓子づくりで大活躍すること間違いないが、ヨーグルトやアイスクリームとも相性がいい。シックなパッケージも好印象。
「ソイチョコMIX」は、JA仙台が満を持して展開する「仙大豆」の加工品のひとつ。宮城県は知られざる大豆の産地で、沿岸部で多く栽培されていた。被災後は「仙大豆」ブランドを構築し、復興の象徴として展開している。野菜とミックスしたクッキー「ソイコロ」、大豆の味を活かした揚げ菓子「ソイビーンズ」など8つのアイテムが揃うが、この日女性に一番人気だったのがソイチョコの「ミルク」「紅茶」「抹茶」「コーヒー」「ビター」「ホワイト」の6種をミックスしたパッケージ。仙大豆のしっかりした味、風味をチョコと一緒に楽しめる。
「巨峰サイダー」は上記の「伊達のあんぽ柿 柿入れ羊羹」と同時に開発された6次化商品のひとつで、ブドウのサイダーとしては非常に珍しい「果汁10%」が特徴。種無しブドウが席巻する中、今なお「ブドウの王様」に君臨する巨峰の深く豊かな甘さを味わおう。
(独断と偏見コーナーここまで)

今回ユニークな取組みとして、食とともに健康づくりを推進しようという趣旨で展開されているクルソグプロジェクト(大丸有エリアの企業・ワーカーに健康経営と働き方改革のソリューションを提供する取組)の一つが実施された。プログラムは――屋外での腹筋トレーニング、題して「オフィスで出来る腹筋エクササイズ by 腹筋王子with T」!! 大手町仲通りや大手町フィナンシャルシティ1階アトリウムで、立ってもできる腹筋トレーニングを、腹筋王子ことカツオさん指導のもと、大手町・丸の内エリアのワーカー40人以上が集まって、実施。腹筋王子からは「プロテインだけじゃなく、今日のマルシェにも、腹筋に効く食材がそろっている」とのコメントも。運動好きの人だけでなく、ふだん運動不足を感じているワーカーも参加し、盛り上がりを見せていました。

8月に行われた第2回JAまるしぇも、大手町夏祭りと連動した企画のため非常によい売上だったそうですが、関係者によると、今回はさらにそれを上回ったとのこと。生産者・地域と大丸有ワーカーが、ともに価値を共有し、楽しみ、新しい価値を生み出していく関係づくりは、一歩ずつ進んでいるようです。


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