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【レポート】農業から地方を活性化

丸の内プラチナ大学 農業ビジネスコース DAY8(10月27日開催)

丸の内プラチナ大学「農業ビジネスコース」(講師:中村正明)が、10月27日に最終講義を終えました。農業ビジネスコースでは、東京農業大学との連携により、茨城県行方市、茨城県阿見町、北海道網走市の「6次産業化による地方創生」をテーマとし、具体的な課題や要望をインプットとして学んできました。茨城にはフィールドワークとして実際に赴き、現地の様子、課題を肌で感じるカリキュラムも。

そして、グループごとに対象とする自治体を決め、農業を軸にした地方再生のビジネスプランを案出、この最終講義でプレゼンテーションします。この日は、行方市、阿見町から自治体職員も出席し、受講生たちのプレゼンを評価しました。

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網走の地を活性化する

網走の地を活性化する

冒頭、講師の中村氏からのファシリテーションのもと、各グループからのプレゼンがスタート。網走市、阿見町、行方市をテーマとした全4グループで、それぞれ冷静な現状分析とそこに立脚した堅実なプランニングが特徴的です。

1番目のグループは網走をテーマにした発表「網走における地方と都市の連携による移住定住促進」。農業漁業の人手不足、観光ポイントの充実等、プラス・マイナス両面の現状分析を踏まえ、網走活性化には(網走と東京等の都市部との)「距離」、(産業間、生産と加工間等の)「産業」、(旅行者・移住希望者の)「生活」を「ツナグ」必要性があること、そしてその「ツナグ」機能を「コンシェルジュ」が横断的に果たすべきであるとしたプランを発表。また「ツナグ」とともに「段階論」も重要なコンセプトとして挙げ、具体的な施策案として「自由に選べる網走おためし移住体験サービス」「移住・定住トライアル者をサポートするコンシェルジュの設置」「市内の労働力と生産物のマッチングサービス」「網走の課題を解決するハッカソン(アイデアソン)開催」といった内容を提案しました。

もうひとつの網走グループは、「地方大学と地域との連携による体験型観光」としたプランを発表。これは、主に東京農業大学をキラーコンテンツにした体験型観光のアイデアです。

ちなみに今回テーマとなっている網走、行方、阿見は、いずれも農大と縁が深く、すでにコラボレーションを実施している自治体です。殊に網走は農大のオホーツクキャンパスがあり、特にバイオテクノロジーや6次産業化で大きな成果を上げています。

このグループでは、網走には流氷や監獄など人気の観光資源はありながら、通過点になってしまっており、宿泊率が非常に低いことを指摘。一方で農大が「若年層が集まる非常に重要な資源になっている」こと、社会人対象に開催されている「オホーツクものづくり・ビジネス地域創成塾」を挙げ、農大が他にはない網走の貴重な資源であると分析し、宿泊率をアップさせる新たな観光資源として農大をフィールドにしたツアープランを提案しました。具体的には全国の6次産業化活動に関わる人を対象にした「あばしりショートスクーリング」、ファミリー層を狙った網走宿泊+体験&スタディツアー」などのプランを案出しています。

近くて遠い関東圏の地方創生

行方市への提案をしたグループのタイトルは「『農育のメッカ=行方』を目指したサービス開発」です。行方市は「なめがたファーマーズビレッジ」をはじめ優れた6次産業化事例がありますが、「点になっていて軸がない」「ターゲティングが弱い」といった現状分析のうえ、教育を軸とした体験学習型サービスの開発を提案。「市長には『農育支援都市』宣言を出してもらいたい」とし、"農育なら行方"と言われるようブランディングするプランです。具体的には、「なめかた鍬(くわ)の学校」を設立し、①シニア層、②小中学生、③企業・団体研修の3つにターゲットを絞り込んだツアーメニューを立案しています。また、さらに行方市が農育を受けた人を排出する人材資源地になることを目指すなど、長期的視点に立った展望も語りました。

阿見町をテーマにしたグループは、今までのグループ以上に具体的な実行プランを含む「阿見町6次産業モデルタウン化構想」をプレゼンテーションしました。まず5分野40項目に渡る詳細な現状分析を披瀝し、産業創出、移住促進などにおける阿見町の独自性の打ち出し方に「普遍性が強すぎるのでは(=独自性に欠ける)」と疑問を提示し、「看板戦略」として「6次産業モデルタウン化構想」を提案。具体的には地元町民とともに作る「阿見町活性化エンジン『君島塾』」、耕作放棄地を利用した「プラチナ農園」、シビックプライドの醸成と観光資源化を目指す「阿見フェス」の3つを提案。長期的にはさらにマーケティングを担当する法人の設立や活動拠点の設立なども視野に入れています。プラチナ農園などは、すでにメンバーも行く気まんまんといった体制で、実現度も非常に高い印象がありました。

農業コースの"Next Step"は

各発表の合間には、ゲスト講師として招かれている東京農業大学生物産業学部地域産業経営学科 生物資源開発研究所 オホーツク実学センターの小川繁幸氏、来場している行政の担当者からコメント、講評をいただいていましたが、プレゼン終了後にも改めて受講生も交えて意見交換を行いました。

受講生同士では、お互いの視点や提案を認め合い、賞賛する一方で、実行・実現に向けた課題などの意見を出し合っています。一見難しいと思われるプランでも、冷静な現状分析に基づいた意見であるため説得力があり、行政担当者からは「難しいが面白い、やってみたい」という方向性の意見が多く、逆に受講生側からは実施に向けたアドバイスを求める質問などが飛び出しました。

印象的な意見として「地方創生や6次産業化といった取り組み自体が、実は部分最適で本当に『良い』ことなのかも、もう一度考えてみたほうが良いかもしれない」といったもの、「丸の内プラチナ大学は、ここからビジネスプランを実行して、スピンアウトすることが卒業するということなんじゃないか。過酷かもしれないけど、このまま何もしない人は"留年"し続けることになる。そんな厳しい大学も面白い」、また「今後丸の内プラチナ大学農業ビジネスコースはもっと"実行"に向けて進化していってほしい」といった意見も出されました。

"学外活動"を広めるために

講師を勤めた中村氏は、今回の第1期で3つの自治体と連携できたことについて「受講生たちにとっては異なった3例を学び、よい比較ができた」とし、「より具体的なビジネスプランの提案に結びつき、一定の成果が得られた」と話しています。また、来期もさまざまな自治体とリレーションをとったカリキュラムを構成する一方で、受講生たちの意見交換でも見られた"今後"について、「大学院のような形で、事業化、プロジェクト化を図りたい」とも話しています。「受講生たちはいずれも企業、自治体と連携できる能力を持ったメンバー。それぞれの持つ能力やネットワークを活用し、行政の委託事業ではなく、マネタイズする枠組みを新たに構築したい」と意欲的な展望も。今後の丸の内プラチナ大学にまた一層期待が高まりました。


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