イベント丸の内プラチナ大学・レポート

【丸の内プラチナ大学】多彩な人材が地域デザインに取り組む時

地域デザインコース第1回(DAY3)レポート 11月19日

プラチナ大学 地域デザインコース始まる

エコッツェリア協会と三菱総合研究所のプラチナ社会研究会が取り組む新しいキャリア講座である「丸の内プラチナ大学」。40~50代のビジネスパーソンを主な対象とした講座は、人とつながり、創造性を高め、組織内での再活躍のほか、起業や地域・社会貢献など、参加者の可能性を多角的に拡げることに主眼を置いています。

来年の本開講を前始まったプレ講座のうち、「地域デザインコース」の第1回が11月19日に開催されました。講師を務めるのは、株式会社キュムラス・インスティチュート 代表取締役、一般社団法人こはく 代表理事の岩井秀樹氏です。新たなスタートに胸を躍らせる約15名の参加者を前に、早速、講座は始まりました。

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今年のみどころ・聴きどころは......

多彩な内容がそろう全3回の講座

和気あいあい。多種多様な参加者たち

最初に、岩井氏より、3日間のコース内容の説明がありました。

<プレ講座 スケジュール>
11月19日(木) 地域の課題を知るための講演とオリエンテーション 
11月24日(火) フィールドワークで三鷹市を視察
12月14日(月) 振り返りと課題解決のためのアイデア創出

<コースの目標>
・住民の視点で地域の課題を理解し、解決のアイデアを考える
・フィールドワーク ~"よそ者"の視点で、解決策を考える~
・地域への多様な関わり方の理解
・継続的な地域課題への取り組みのきっかけを作る(希望者対象)

テーブルの上には、ブルーやピンクなど色とりどりのペンと付箋。「自己紹介もかねて、ご自分の名前と地域デザインコースへの期待を書いて、胸に貼ってください。2つのグループに分かれて、発表してみましょう!」と岩井氏。職業や経歴もさまざま。都内近郊だけでなく、千葉県や愛知県など、遠方からの参加者もあり、コースにかける期待も十人十色でした。

打ち解けたところで、次は、岩井氏から自己紹介。「今後の進め方の手助けになればと思い、私自身がどのように地域と関わってきたのかということを手短にご紹介させていただきます」。

岩井氏 <岩井氏のこれまでの主な地域活動>
〇最初に地域の人々と関わりあったのは、中越沖地震時の新潟十日町。その後、より本格的に地域へと入っていくように...
〇2011年5月、震災直後の宮城県石巻市は、隣家は全壊など、その日の暮らしが大変な状況。情報もなく、不安が多くある中、「話し合いをしたい」という声が多数挙がり、集会場で住民対話を行うことに。「一体この地域に何が起きているのか、これからどうしていけばいいのか」と話せる場があること自体が、住民たちにとっては安心材料になった。
〇地震後、牡鹿半島の漁師たちと、「浜の未来」について話し合いを実施。船舶や設備がダメージを受けた状態で、何ができるかをテーマに、漁業ツアーの開催など、約100個のアイデアを出し合い、取り組んでいった。
〇ユーストリームを使った情報発信など、石巻市の若者の活動支援

<現在取り組み中の地域活動>
〇2017年完成予定の宮城県・南浜復興祈念公園の協議会において、住民対話の場や意見を吸い上げる場の設計、運営を行っている。 〇市民の一体感を醸成するために、"浜ごはん"や"スノードーム"など、石巻の誇りをおみやげに作り上げる「Civic Pride Ishinomaki」。「石巻にあるもの×人」をテーマに、売れるまでのストーリーをイラストに描いていく手法を実施。2016年2月には、商品カタログを先行公開の予定。
〇震災による甚大な被害を受けた大川地区、雄勝地区からの避難住民が仮設住宅で暮らしている川の上地域。「川の上プロジェクト」と題して、農業倉庫をリノベーションするなど、地元住民と一緒に、地域づくりを行っている。
〇二輪ライダーが三陸海岸を走る「走ろう東北!復興応援ツーリング」は、日本モーターサイクルスポーツ協会と共に開催しているイベント。2020年の東京オリンピックまで続ける予定。
〇山形県・大蔵村の若者ミーティングでは、人口33,500人の村を創世すべく、その名の通り、地域の若者によるシナリオプランニングで、地域の未来を描き、制作に落としこむ総合戦略を企てる指揮を執っている。

フィールドワークに向けて、三鷹市を知ろう。

続いて、プレ講座 第2回のフィールドワークで視察する三鷹市・牟礼地区についての説明が行われました。プレゼンテーションを担うのは、杏林大学 総合政策学部の進邦徹夫先生です。

住みたい街ナンバーワン・吉祥寺のとなりに位置すること、卸売・小売業がさかんであること、高齢化が進む反面、若年層が減らない街であることなど、さまざまなデータや歴史と共に、三鷹市の産業や行政に至るまで、多面的に紹介されました。

メモを取りつつ、深くうなずく人や何かアイデアがひらめいたのか、「あっ!」と目を見開いて、パソコンに打ち込む人など、参加者は興味津々の様子でした。地域活動が活発なことで知られる三鷹市ですが、進邦氏いわく、「意外であり、ある意味、衝撃だったのですが、"あなたは地域活動をしていますか?"という質問に対して、三鷹市も牟礼エリアも、約6割の市民が"活動していない"と答えているんですね」

チームで取り組む初めての課題

講座の後半、参加者に配られたのは一枚のワークシート。タイトルは、「三鷹古判塚青少年広場を何とかしよう!」。岩井氏によると、「牟礼地区の一番南側に位置する公園です。青少年のスポーツやレクリエーションの普及・振興を図り、その健全な育成に寄与するための施設なのですが、十分に生かされていないのが現状で、地域住民の利用も少なく、世代を超えた交流は見られていません」。

「青少年がスポーツやレクリエーションを楽しみ、地域住民との交流を通して成長できるような公園にするためには、どのようなアイデアが考えられるでしょうか?次回のプレ講座は、フィールドワークです。練習の練習だと思って、チャレンジしてみてください」

与えられた時間は、約10分。4つのグループに分かれて、コンセプトやゾーニング、具体的な施設の設置などについて話し合い、言葉で説明するだけではなく、より視覚的に伝わりやすいイメージ図を描くことがミッション。上記の写真は、大判の模造紙にラフスケッチ中の参加者たちの姿です。驚くほど次々とアイデアが飛び交い、皆さん、にこやかで、対話を楽しんでいる様子でした。

最後に、各グループがそれぞれのアイデアを発表しました。「子どもから始まる人の集まる広場」をコンセプトにした"ワイワイコンテナ"や、空間の境目をあいまいにする効果のある縁側を作り、高齢者も集える場を設けるなど、ユニークな案を前に、「予想を越えた素晴らしい内容で、かなり驚いています」と笑顔の岩井氏。

11月24日(火)開催のプレ講座 第2回 三鷹市視察のフィールドワークには、プラチナ大学の参加者のほか、2016年4月に同市に移転予定の杏林大学の学生と、牟礼地区の住民も参加します。異なる世代やバックグラウンドを持つ人々の交流から、きっと新たな発見やひらめきが生まれることでしょう。

丸の内プラチナ大学

あなたの「今後ありたい姿」「今すべきこと」とは?

丸の内プラチナ大学では、ビジネスパーソンを対象としたキャリア講座を提供しています。講座を通じて創造性を高め、人とつながることで、組織での再活躍のほか、起業や地域・社会貢献など、受講生の様々な可能性を広げます。

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