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【丸の内プラチナ大学】農業ビジネスの可能性とは

農業ビジネスコース第1回(DAY3)レポート

「農業ビジネスコース」開講

いよいよ始まった丸の内プラチナ大学プレ講座。「農業ビジネスコース」は即実戦の熱いコースで、講師を務めるのは、株式会社グリーンデザイン代表取締役の中村正明氏。講師を務める中村氏は、一般社団法人日本食文化機構代表理事、6次産業化プランナーの肩書を持ち、農業再生やまちづくりなどの現場で幅広く活動をしている実践家。また、東京農業大学客員研究員や関東学園大学非常勤講師として研究・教育の場でも活躍されています。

参加した受講者は16名。この16名は4人ずつのグループに分かれ、このグループ分けは固定。今後のグループワークや発表は同じメンバーで行います。メンバーを固定したのはアイデアの蓄積が目的と中村氏。共有した課題に対してソリューションを同じメンバーで繰り返し考えることで新たな実践的アイデア創出に結びつける狙いです。

この日の講義テーマは「6次産業化への取組み事例研究とオリエンテーション」。副題に「"農"をいかしたソーシャルデザイン」とありました。農業ビジネスコースでは次回、伊豆熱川でのフィールドワークを予定していて、その体験学習を包括的な取り組みにし、より実り多いものにしたいという中村氏の意図が見えます。

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6次産業化の3つキーワード

中村氏のプレゼン資料より。6次産業化をバンドに見立て、どんなプレーヤーがどんな役割を果たすべきかを非常に分かりやすく解説する

すでに農業に関わりを持っている人には「6次産業化」と聞けばイメージもすぐに沸くはずです。しかし、一言で6次産業化と言っても、大きく2つに分けることができそうです。1つは農業を営む農家が直販所などをつくり自ら加工した商品を販売するようなかたち。もともとの生産(米や野菜の栽培生産など:1次産業)に加工(ジャムや漬物生産など:2次産業)と販売(店舗や通信販売など:3次産業)を乗じた農業の6次化です。

中村氏もう1つは個人レベルや1農家の取り組む6次化ではなく、産・管・学・民の協働による専門家の知恵を集約するタイプです。中村氏がプレ講座で示している6次産業化は後者に属し、多様な視点から成り立つ課題解決的なソーシャルビジネス的な展開を目指しています。

農業及び農家の抱える課題は多岐にわたります。いま、TPPという国際的な対応が求められる課題が注目を集めています。新しい流通が起こることは必然で、そうした動きに対して日本の農家はどのように対応すればいいのでしょうか。また、少子化の中、後継者問題は恒常的な課題として解決が強く求められています。いくら、よい農作物を生産していても後継者がいなければ、その生産技術の継承は難しくなります。たとえ、農家に生まれた子どもであっても継承する意志がなければ同じです。

6次産業化のビジョンに向かって中村氏は、次の3つのキーワードを示しました。
・協働
・地域資源(地域資産)
・持続可能性
中村氏が示した3つのキーワードは農業が抱える課題に対する解決の糸口そのものでもあります。「協働」は前述したとおり「産・管・学・民」がともに協力して農業の課題解決に向かうもの。また、農業そのものを理解し、課題解決の糸口を探るには「地域資源(地域資産)」を知る必要があります。それは、歴史的・文化的などの資産だけでなく、これまで目を向けられなかった多くのものを含みます。外部からの視点で"埋もれた資産"を掘り起こしてビジネスに活用する道を探ります。そして「持続可能性」には農家の承継問題の解決がイメージされています。農業は国家の根幹をなす産業。その支えである農家の承継問題の解決なくしては、根本的な解決には至らないでしょう。中村氏は新たな事業体の必要性を説いていました。

このあと中村氏は6次産業化の事例紹介を行い、参加者は示された事例を素材にしてワークに入りました。ただ、ワークでは、事例にこだわらず「農業ビジネスの可能性」に迫るアイデアを考え出すことが求められました。

農業の課題解決へ向けてのアイデア出しワークショップ

前回の共通講座DAY2のワークでは意見交換はフリートークで行われましたが、今回は、発言者は発言の主張を行ってから話すというもの。発言をしたい場合は、テーブルの上にある記録用のマーカーを掴み、発言することをテーブルのメンバーにアピールします。そして、発言は1分という時間制限を設定。これは「対話型コミュニケーション」における「聞く」ということの大切さを知ってほしいというものです。

ワークの進め方は最初に「アイデア出し」。次にグルーピングなどの「整理」を行い、発表につなげます。グルーピングでは「流通関係」「食文化関係」「健康」などのように、アイデアのグループそれぞれにまとまりのわかる見出し付けも行い、発表しやすい工夫も求められました。

中村氏は今回のワークで「農業ビジネスを体系的に整理することまで行いたい」としていました。農業の多面的な機能に気づき、それを新たな農業ビジネスのアイデアに結びつけるのが狙いと見られます。

中村流ワークショップの進め方は、最終目標を明確にして、グループのなかでアイデアを積み上げていくという手法。気づいたことはポストイット1枚1件で記入し、アイデアを育てる。発言者のアイデアをさらに発展させたり補完したりしながらアイデアを育てていきます。これを繰り返すことで、最初に出たアイデアはさまざまな成長や分岐を見せていきます。

中村氏はさらに、次のように話します。「3つのキーワードで農業ビジネスのアイデアを考え、次回のフィールドワークの体験に結び付けたい」。机上で語り合うだけでは実際にはビジネスは動きません。有効につなげるために、ワークに続いてフィールドワークのオリエンを行いました。

フィールドワークに向けて

中村氏は、まず視察先の丸鉄園について説明しました。
丸鉄園は、無農薬みかんを栽培する観光農園。高齢化とともに難しくなるみかん栽培の重労働や事業承継の問題などを抱え、観光農園の存続が危ぶまれています。そこに中村氏らが加わり、現在、事業体として再スタートし、現在将来へ向けて新たな経営が始まったのだそうです。

21日のフィールドワークでは、丸鉄園とともに、その周辺地域にある「地域資源(地域資産)」に直に触れて、いかにビジネスに結びつけるかを考えます。この日のワークを通して考えたアイデアをブラッシュアップし、農業ビジネスの可能性に迫ってほしいと中村氏は期待を込めていました。当日は、園内ある池でニジマスやイワナ釣りも体験しますが、これも「地域資源(地域資産)」に触れる一環です。さらに、農業ロボットの現状など、実機を前にした説明なども受けることになっていて、将来の農業現場に思いを馳せる機会にもなっているということです。

最後、エコッツェリア協会の田口氏から、参加者が発表したアイデアに対して「コンテンツをどう作るかという視点と、良いものをどのように情報発信していくかという視点という2つの視点があるのではないか」と、今後のアイデアをブラッシュアップする上で参考になる意見が示されました。


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