2016年2月29日、3×3Laboで「SATOYAMAと共に生きるEXPO 〜自然、技術、そして100年後の未来〜(以下、SATOYAMAと共に生きるEXPO)」の告知イベントが開催されました。
「SATOYAMAと共に生きるEXPO」とは、石坂産業株式会社が主催し、2016年4月23日(土)、24日(日)に、同社の敷地内にある三富今昔村で行う環境エクスポです。
エクスポと聞くと、大きなアリーナなどで行われるイメージがありますが、この「SATOYAMAと共に生きるEXPO」は、実際に里山に足を踏み入れ、養老孟司氏と池田清彦氏の対談を始めとした各界著名人の講演や、アスレチック、地元で採れたオーガニックフード、コンサート、映画などを楽しむことができるという、今までにない「総合エンターテイメントイベント」なのです。
この日行われた告知イベントでは、主催者である石坂産業 代表取締役 石坂典子氏と、運営委員である新井和宏氏(NPO法人いい会社をふやしましょう 理事)、西條剛央氏(早稲田大学大学院 商学研究科客員准教授)が登壇し、「SATOYAMAと共に生きるEXPO」を開催することになった背景やイベントが持つ意義について語りました。
石坂産業は、埼玉県三芳町に本社をおく産業廃棄物の中間処理業者です。「産業廃棄物」は、「里山」「自然」といったキーワードとは対極に位置するようなイメージを持つ方が多いでしょう。実際同社は、1999年にいわゆる所沢ダイオキシン騒動で風評被害を受け、地元住民から大きなバッシングを受けました(実際には誤報だった)。
そうしたイメージを払拭し、地元の人々に愛され、石坂産業を「最も環境に優しい会社」にするために、石坂氏は10年ほど前から里山保全活動をスタートさせ、現在では東京ドーム約4個分の会社の敷地のうち、約9割を里山として管理しています。
「里山保全活動の一環として、10年ほど前から近所の人々が里山に触れていただける機会を提供するイベントを始めました。口コミなどで徐々に全国に広まっていき、2015年には1万人を超える人々が訪れるまでになりました。しかし、より多くの人が環境について考えてもらうためには、より多くの人が自然に触れる機会を増やし、体験を通して考えなくてはなりません。そのきっかけとして、この"SATOYAMAと共に生きるEXPO"を開催することにしたのです」(石坂氏)
「考えるきっかけ」を得るための場であることから、このイベントは堅苦しいことは取っ払い、「総合エンターテイメントイベント」と銘打っています。ワークショップでは、このコンセプトについて「楽しいだけの場でいいのだろうか?」という声も聞かれました。それに対し、西條氏はこう考えを述べました。
「もちろん運営側としては楽しいだけで終わってはいけませんが、参加する人々は"楽しいだけの場"でいいと思います。環境問題について考えるとき、ヒステリックになりがちな人や団体がいますが、それでは押しつけになってしまいかねない。でも、このイベントに参加して楽しんでもらうことができれば、その後、友人や家族と環境について考えることができます。それが将来につながっていくことになる」
新井氏もまた、こう語りました。
「今回、多くの方にイベントに参加いただけるように誘いかけましたが、誰一人断らず、快諾してくれました。10年後には、このようなイベントが行われることが当たり前になっているかもしれないし、その第一回目に関わることができるというのはとても光栄なことです。このイベントで、毎年遠くに暮らす仲間たちが集い、楽しむというようなものにしていきたい」
今回の告知イベントには100名を超える申込みがありました。そして実際に参加した方の多くは「SATOYAMAと共に生きるEXPO」への参加を表明し、出店を希望する方も少なからずいました。
来場目標者数は1万人。「あくまでも希望の数字(石坂氏)」ということですが、イベント当日が近づくにつれ、注目度は高まっていきそうです。
最後に、石坂氏はこんなメッセージを送りました。
「ご高齢者からお子様まで、幅広い方が楽しめるイベントになっているので、老若男女問わず来ていただきたいと思っています。同時に、このイベントを持続的なものにするかということはまだ模索している最中です。その場で感じたことを教えていただき、皆様とつながり、一緒に自然について考えていきたいと思っています」
里山や自然に興味がある方はもちろん、美しい自然の中で楽しいことをしたいという方は、是非イベントに参加してみてはいかがでしょうか。
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