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【レポート】女性がより活躍できる社会を目指して

さんさんビジネスクリエイト 〜女性のワーク&ライフを考える〜 11月29日(火)開催

「さんさんビジネスクリエイト」では、参加者同士の活動やビジネス作りの場として、定期的にイベントを開催しています。今回のテーマは『女性のワーク&ライフを考える』。現在の日本には働く女性にとって"仕事と生活の両立がしにくい"という課題があります。3名の女性をゲストに迎え、それぞれの観点から女性がワーク&ライフについてお話いただきました。

今回講演いただいたゲストは次の3氏です。
●河北 隆子(かわきた たかこ)さん
日本女子経営大学院 代表理事 学長
●田中 美和(たなか みわ)さん
株式会社Waris 代表取締役/Co-Founder
●小野 曜(おの よう)さん
転石 代表(知財事務所 弁理士)

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女性リーダーが育つために必要なこと

女性リーダーが育つために必要なこと

1人目の登壇は河北さんです。女性ビジネスリーダーの輩出を目的に、2015年1月に日本初の働きながら学ぶ女性のためのビジネススクール"日本女子経営大学院"を開学。自己成長とキャリアアップをテーマに、女性リーダーが育つ環境づくりをサポートしています。

河北さん今の日本には、女性リーダーが育ちにくい環境があるのだそうです。その原因は『リーダー・管理職の教育不足やリーダー体験の不足』『ロールモデルの欠如』『理解者・切磋琢磨する仲間の不足』の3つがあります。また、実際の女性リーダーのリアルとして"自信がない""具体的に何を期待されているのか分からない"といった不安や戸惑いの声も上がります。

河北さんは、女性に短期間で伸びてもらい、家庭も仕事もワークもライフも上手にインテグレーションしてもらいたいと考えています。そのポイントについて次のように話しています。

「1つ目は内省することによって、リーダーになった自分なりの意義を掴むこと。2つ目は視野を広げ、魅力ある目標を自分で描くこと。3つ目は一歩前に出る行動をすると上手くいく、という成功体験をすること。期待に応えるのではなく、自分で期待をつくっていけるように持って行くことが大切です。

組織人であれ個人の方であれ、一生懸命に仕事をしていると自分の箱の中に入ってしまって、それになかなか気づきません。箱から出て、多様な中で学んでいくと一気に見える・分ける世界があり、会社や社会やビジネスをもっと知ることができたりします。今の自分の行動が3年後の自分の未来を作ります。ぜひ"今"を考えてほしいと思います」

ゲストプレゼンテーションの間には、参加者同士を数名のグループに分け、意見交換が行われました。この会はただ聞くだけではなく、積極的に意見交換をすることも目指しています。プレゼンテーションを聞いての感想、日頃持っている自分の意見などを楽しそうに、でも真剣に話し合う姿が印象に残りました。

プロとしてフレキシブルな働き方を提案

田中さん続いて田中さんの登壇です。田中さんを含めた3名の女性が共同代表を務める株式会社Waris。Warisは登録した個人と企業のマッチングを行う企業ですが、一般的な派遣会社や人材紹介会社とは異なる、新しい着眼点と発想を持った会社です。

田中さんは「日本では第一子出産前に仕事を辞める女性の割合が62%もいます。それくらい、日本は継続就労が難しい国です」と話します。その原因は3つあると、Warisでは考えているそうです。

1つ目は"性別役割分担意識"。男性は働く・女性は働く+家事・育児が役割という認識が根強く残っているとのことです。2つ目は"長時間労働と働く場所の固定化"。例えば、育児や介護をされていて、時間や場所に制約のある女性はなかなか仕事を任せてもらえない・評価されづらい、といった事象が実際にあります。3つ目は"復職後のキャリアダウン"。育児休業から復職後、キャリアダウンされてしまって、思うようなキャリアを描けない女性が少なくないそうです。

「Warisでは女性が"プロ"として時間や場所にとらわれず、自由にイキイキと働き続けられる社会の実現を目指しています。サービスの特徴の1つは、プロフェッショナル人材にフォーカスを当てていることです。私たちの考えるプロとは、営業や企画、マーケティングなど、企業の基幹となる職種で10年以上経験を積んできた方をさします。もう1つは、雇用の形態としては7割が業務委託契約、つまりフリーランスです。プロジェクトとして業務を請け負うスタイルを提供しています」

田中さんは、フレキシブルな働き方を多くの女性に紹介する中で、3点の課題があると指摘します。
1点は、自由な働き方をすることで"性別役割分担を固定化しているのでは"という矛盾を感じていること。『自由に時間を使えるのだから』と、より旦那が家事・育児を手伝ってくれなくなった、という声は少なくないそうです。
2点目は、フリーランスは専門性に対して案件を受注するため業務の幅が広がりにくい、というキャリアアップの面から見た課題。 3点目は、流動性の担保。フェーズごとに社員やフリーランス、派遣や契約など雇用契約を自由に行き来しながら働き続ける、そういった流動性の担保が現状は難しいと感じています。現在、Warisでは、こういった課題解決にも取り組んでいることを話してくれました。

大阪から"複線社会"の実現を目指す

最後の登壇者は小野さんです。小野さんは大阪府在住。独立・起業やパラレルキャリアを目指す人が、事業創造にチャレンジするためのビジネスサークル『転石 ビジネスサークル』を主宰しています。

小野さん「男女問わず、いきなり会社を辞めるのは怖いと思います。だったら、会社を辞める前に自分がやってみたいスモールビジネスを作って、やっていけそうなら会社を辞めればいい、と考えたんです。会社とはまた違ったもう一つの道を実現する"複線社会"が必要だと思いました」

転石 ビジネスサークルでの活動内容は、新しく面白い発想でした。

「自分が複線化したいことを皆さんの前で発表してもらい、同様のことをやりたいと思っていた人が2人以上集まったら、その人達でチームを作って活動してもらいます。ダラダラやっても仕方ないので、3〜4ヶ月で必ず期限を切るんです。ただ、ビジネス創造がこんな短期間でできるわけがないので、活動後の振り返りをしてもらいます。自分の中で何が伸びてきたのか、見えてきたのか、そういったものを大事にしているサークルです」

小野さんがこのサークルを立ち上げたのは、大阪に引っ越したことが一番の理由。「日本第二の都市といわれる大阪でさえ東京と比較すると、繋がりや交流のきっかけが少なく、規模も小さい。東京にいればWarisさんのサービスに登録していた(笑)」

しかし、小野さんは東京以外の様々な地域の魅力についても目を向けていました。「これから一番挑戦できるのは、地方なんじゃないかと思っています。地方は人材も足りないし、課題も多いのが現実で、しかも地方は地域社会なんです。その中にこそ、本当に人間が必要としているものが埋まっているのではと思います」

全員で考え合うディスカッション

ゲストプレゼンテーションの次は、パネルディスカッションが行われました。モデレーターはエコッツェリア協会の田口。最初に、河北さんへの質問が投げかけられました。

「女性を生徒として招き入れる中で、育児や介護などで時間的・精神的に"ワーク"から見た時に"ライフ"に時間がとられるのが現実だと思います。今いる環境の中で学び、自己成長を上手く遂げていくには、どうしたら良いと思いますか?」

河北さんは答えます。
「ワークとライフはどっちが重い軽い、ということではないと思っています。ビジネスでもプライベートでも使えるのは"時間"です。時間の有効に使うことはスキルであって、訓練でもあります。

そしてもう1つ、家族と互いにどんな風に暮らしたいのか、共有することです。自分がお願いしたいことをストレートに伝えていく。家事・育児は本来幸せなことです。押し付け合うのではなく、その喜びを一緒に知っていくことが大事だと思います」

次は田中さんへ質問。
「田中さんのプレゼンテーションでは"プロ"という言葉出てきました。しかしいきなりプロにはなれません。プロになる過程で必要なことは何でしょうか?」

田中さんはプロの条件と、プロになるために必要なことを次のように述べています。 「プロとして必要な条件は、まず、自分の得意とする領域・強みを持っていて、それを自分でも分かっていること。そして、ご自身のスキル・領域を高めていくことに対してポジティブなことです。ハイパフォーマーな方は、スキルやネットワーク構築にすごく自己投資をされています。また、仕事に対してやり切る力も必要です。与えられたプロジェクトに対して期待値以上のものを出そうと、こだわり・粘りを持っていることがプロだと思います。

プロになるには、キャリアの主導権を自分自身が握ることが重要です。会社勤めだとつい主導権を会社に預けてしまいがちですが、自分が3年後・5年後・10年後どうなっていたいのか?そのためには、今何をすべきなのか?といいう感じで、なりたい自分から逆算して考えていけると良いですね」

小野さんへは、仲間づくりの課題における質問がありました。
「ネットワークや仲間は重要だと思いますが、その時に難しいのは馴れ合いになってしまうことです。ネットワークや仲間の作る際、目的の共有化やクオリティ維持のコツを教えてください」

小野さんからは端的に、核心をついた回答。
「私はビジネスサークルで、最終的にはお金を目当てにしましょう、と言っています。そうするとお金を目指してみんなが走り、その時に利害関係も出てきます。自分が何をどれだけ必要なのか、それに対して自分の能力はどれくらいなのか。お金の話をしたからと、人間関係がくずれるワケではないですし、一番やりやすいと思いますよ。少額でもいいから、お金を稼げるようにするのが大切です」

次いで参加者からの質問タイムに。積極的に手があがり、それぞれの意見や質問を述べていきました。

今回はテーマが"女性"ではありましたが、参加者の4割ほどは男性でした。男性が女性の働き方について注目する・考える、というのは素晴らしいことであり、今後より必要になっていくことだと感じます。

そして今回のイベントを通じ、自分らしく働く女性の魅力を改めて実感することができました。凛とした佇まいが印象的で、発信する言葉の一つひとつに熱量を感じさせる河北さん。女性らしい柔らかさと芯の強さを感じさせる田中さん。知的でありながらユーモラスで、会場の雰囲気を明るくした小野さん。タイプの違う3名の、個性あるプレゼンテーションとディスカッションは、参加者にとっても有意義な学びの時間・新たな気付きの時間になったのではと思います。


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