シリーズVOICE

【VOICE】田中淳夫 さん

銀座ミツバチプロジェクト 副理事長
農業生産法人 ㈱銀座ミツバチ 代表取締役

ミツバチがつくる「夢縁社会」を

私は銀座でミツバチを飼い、蜜を取り、銀座のみなさんと商品を作る、ということから始まって、今では日本各地とつながりを持って都市と農村の交流をするようになりました。こうしたことがきっかけで、今年地球大学が「Eating Design」で「食」をテーマにする際に、竹村先生からお誘いいただいてCommitteeに専門委員として参加する事になりました。企業の壁を乗り越えて、革新的なことを始めるのはとても難しいものですが、丸の内と言う場所と地球大学ならば、とてもインパクトのあるアクションができるのではないかと期待しています。

Q1
銀座で、ミツバチはどれくらい飼っているのでしょうか?
A1
8年前から始めて、セイヨウミツバチが16~18箱、ニホンミツバチは10箱になりました。なんと今年はカラ梅雨の影響もあり、蜜の収量が初めて1トンを超えました。これは日本の蜂蜜生産の0.04%にあたります。それだけ、銀座周辺には"豊かな環境"があるということをミツバチを通して学びました。
Q2
都市と農村の交流というのは、どうやっているのでしょうか。
A2
ミツバチを飼って町を活性化させたいと相談を受けて、日本各地へ伺うことが増えました。そこでは全国に多くの環境に配慮して農産物を作る皆さんがいることが分かりました。こうして知り合った方々に、銀座に来ていただいて、年に4回開催される「ファームエイド銀座」(写真。10月14日開催)に出店いただき、直接都会の住民と顔の見える関係作りをして頂いております。逆に私たちも、銀座の料理人やクラブのママ、そしてバーテンダー等の皆さんを連れて地方へ食のツアーに出かけていきます。双方向に定期的に会っていると日本各地に親戚ができたようなもので、銀座は「無縁社会」とは無縁の「夢縁社会」になっていると思います(笑)。
Q3
大丸有のすごいところは?
A3
地球大学のように、さまざまな企業や研究機関のリーダーたちが集まる"場"の力は凄いと思います。こうした方々が企業の壁を取り払って、共通の社会の有るべき姿を思い願い「同志」になっていくと、日本は必ず良い方向に変わっていけると思います。
Q4
ミツバチと都市の関係について教えてください。
A4
昔、銀座で建物の高さをどう制限するのかということを銀座のみなで集まって喧々諤々議論していたことがありました。そのときに決まったルールは56メートルまで。それは、ミツバチが生きることのできる高さでもあります。環境指標と言われるミツバチが生きられる世界は、人間にとっても安全です。そこで現在10数カ所1000㎡を超える屋上に「銀座ビーガーデン」と称して野菜、ハーブ、ベリー等、蜜源になるものを育て始めております。機械設備が並ぶ無機質な屋上に人が集まる様になり、自然環境も豊かになってきました。小さくて弱い存在のミツバチが、環境と共生する新しい都市の在り方を示すきっかけになりました。
Q5
大丸有を1日好きにしてよかったら、何をしたいですか?
A5
1日でなくできれば5月の1ヵ月間、パリのように広場でミツバチを飼って、働く街の皆さんと一緒にハチミツを採る作業をしてみたいですね。採れたハチミツは、即街中のカフェやレストランで一斉に食べたり飲んだりして、足元の環境を香りや味で楽しんで欲しいと思います。
もっと長期で出来るならば、高層ビル全体を、花の咲く緑で覆ってみたいです。今までの無機質な建築物が、様々な生き物が集う里山の風景の一つになるのではないでしょうか。
多分その瞬間、丸の内は世界でも別次元のトップランナーに躍り出ると確信します。
田中淳夫(たなか・あつお)
銀座ミツバチプロジェクト 副理事長/農業生産法人(株)銀座ミツバチ 代表取締役社長

1957年東京生まれ。1979年紙パルプ会館入社。その後、2006年に銀座ミツバチプロジェクトを設立し、紙パルプ会館の屋上でミツバチを飼い始める。収穫したハチミツは、松屋ほかレストラン、ホテル、さらには化粧品会社やビール会社までさまざまな形でのコラボレーションで製品化された。全国の農業生産者が集うファームエイド銀座は、年4回開催され、都市住民と顔に見える関係作りができている。さらに銀座のデパート、結婚式場、小中学校等、様々な施設に「銀座ビーガーデン」と称する屋上緑化が1000㎡を超えて誕生し、ファームエイド銀座で縁ができた全国の地域の野菜や果物などを栽培している。

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