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丸の内で写経に阿字観!? "高野山カフェ in 丸の内ハウス"に潜入してみた

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希代の天才・空海(弘法大師)が開いた
真言宗の総本山・高野山。

空海が嵯峨天皇からこの地を賜ったのが弘仁7年(816年)、伽藍の建立に着手したのが弘仁10年(819年)のことですから、以来1200年もの長きに渡って、日本仏教の聖地としてかの地に君臨していることになります。

平成16年(2004年)には、熊野・吉野の霊場とともに、「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。日本の聖地から、世界の聖地へ......。

そんな高野山が、現在、丸の内にやってきています。その名も「高野山カフェ in 丸の内ハウス」。
9月1日(水)から12日(日)までの間、新丸ビル7階 丸の内ハウスを中心に、高野山を肌身で体感することができる、さまざまな催しが企画されています。

そこで、オープン初日の9月1日(水)、潜入取材に行ってきました。

○ 阿字観(瞑想)体験

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まず訪れたのは、エコッツェリア(新丸ビル10階)の特設会場で行われた阿字観(瞑想)体験です。

会場に訪れると、お寺の講堂さながらに、しつらえが施されていました。(写真上)
中央の掛け軸は空海の肖像画、その両脇が、真言密教の教えを視覚的に表現した両界曼荼羅です。左端に掛けられている、紺地に白丸の中に描かれた字が、阿字観の重要な演出装置です。

阿字観とは、読んで字の如く、「阿の字を観ずる」瞑想です。「阿の字」について、お坊さんに聞いてみました。
「"阿"は、生まれては消え、消えては生まれ、を繰り返す、万物の"不生不滅"を表しています。掛け軸の字は、梵語(古代インドのサンスクリット語)での"阿"の表記です」 (高野山東京別院の豊田眞彰さん)

ちなみに、仏教で瞑想というと、座禅をイメージする人が多いと思いますが、真言宗の阿字観と禅宗の座禅は全く正反対のものだということです。
「座禅は、無の境地に至ることを目指すものですが、阿字観は、自らの中に仏を満たし、仏と一体になることを目指すものです」 (豊田さん)

一口に「瞑想」と言っても奥が深いですね。

右上の写真で話をされているのが豊田さんです。右手に見えるのは、高野山開創1200年イベントのキャラクター「こうやくん」。高野山からはるばる駆け付けてくれました
実は豊田さん、ドラッグレースという自動車競技のプロのレーサーでもあります。二足のわらじを履くユニークな経歴の豊田さんは、話し方が柔らかく、気さくなお兄さんといった感じです。期間中、高野山カフェには顔を出されているとのことなので、いろいろお話を聞いてみてはいかがでしょうか。

* 高野山カフェ開催期間中の阿字観体験は、すべて予約受付を終了していますが、高野山東京別院では、実修を随時開催しています。参加をご希望の方は、高野山東京別院までお問い合わせください

高野山東京別院

○ 写経体験

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写経体験会場の中は、密教テイストが満載

阿字観体験の次は、丸の内ハウスに移動します。
丸の内ハウスは、高野山の名物「こうや花鉄道 天空」の装飾などで、高野山色に彩られています。

金剛峯寺の永﨑さん曰く、
「忙しくて常に何かに追われている現代だからこそ、普段の生活から離れて、心を落ち着ける時間をつくってほしいと思います。写経でそういう時間を過ごしてもらえたらと思っています」 とのこと。

筆者も写経を体験したことがありますが、筆でお経に向かう緊張感と、書き終えたときのすがすがしさは、何とも心地良いものがありました。せわしない毎日を過ごして心がお疲れ気味のアナタ、この機会に体験してみてはいかがでしょうか?

会場は、取材中に人の流れが絶えることなく大盛況。担当者の方も「95%くらいが女性」とおっしゃっていた通り、女子率の高さが印象的でした。男性のみなさん、いまどき写経の一つ嗜まないと、女性から相手にされない、かもしれませんよ。

* この写経体験は、高野山カフェ開催期間中、常時開催しています
詳細

他にも、丸の内ハウスの9つの店舗が、高野山の精進料理からヒントを得たオリジナルの精進料理メニューを期間中毎日提供しています。

さあ、皆さんも、東京に居ながらにして高野山の魅力を楽しめる、この機会をぜひお見逃しなく!

高野山カフェ in 丸の内ハウス

期間: 9月1日(水)~12日(日)
場所: 丸の内ハウス、新丸ビル10F「エコッツェリア」、高野山東京別院会場など