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俳優・「青空市場」代表の永島敏行さんインタビュー(映像メッセージあり) -「青空市場 x 丸の内マルシェ」のその先

丸ビル1階マルキューブで定期的に開催されている「青空市場 x 丸の内マルシェ」。第4回目の開催となった10月のマルシェは、京都の料亭「紫野和久傳」の初出店や、AWkitchenと福臨門の食事がワンコイン(500円)で楽しめるキッチンカーなど多くの魅力的な出店により大盛況をおさめました。

今回は、このマルシェを共同企画する、「青空市場」代表の俳優 永島敏行さんに都市型マルシェの面白みや今後の展望について伺い、丸の内のみなさんに映像でメッセージをいただきました。

――「青空市場 x 丸の内マルシェ」の面白みは、どこにあるとお考えですか?

職場の近くで野菜を買えたり、ランチタイムに新鮮なフルーツなどのいつもと違った食を楽しめることに魅力を感じていただいています。

しかし、なにより、生産者が店頭に立っているので、自分が食べるものをつくっている人がどのような思いを持っているのかといった話を聞けるのがマルシェの面白いところです。東京のど真ん中にいる人が農家と直接話すことなんて、なかなかありませんから。

まちの人とお店の人が"話す"というのが大事なんです。話さないと売れないんですよ。ただ野菜を置いて待っていても売れない。話すことでファンになって、また買いに来てくれるんです。出店者たちは自分たちの自慢のものをやってきていますから、その思いをどんどん伝えていきたいですね。

――それがマルシェの意味ですよね。ただ売るだけなら、各地から運んできた野菜をお店に並べておけばいい。でも、わざわざ生産者の方々に来ていただいて売り子になっていただいているのは、そういう会話にこそ価値があるからだと

マルシェは人間臭く、地方色がなければ意味がありません。それをうまく出していきたいと思っています。

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大盛況に終わった「青空市場 x 丸の内マルシェ」
――「青空市場 x 丸の内マルシェ」は今回で第4回目となったわけですが、変化はありましたか?

以前は買い物のついでなど、"ながら"でマルシェに寄る方が多かったのですが、最近はマルシェで買い物をすることを目的にいらっしゃる方が増えましたね。認知度が上がったのだと思います。

――今後の展開についてはどのようにお考えですか?

もっといろいろな地域の生産者の方にも参加してほしいですね。丸ビルで自分たちのつくったものが評価されるということは、生産者にとって励みになります。

私たち「青空市場」に関しては、マルシェの先をやりたいと思っています。今、都会では野菜を買える場所がなくなってきているんです。個人店や商店街はおろか、スーパーでさえ駅前店や郊外店に集約されて、小さなお店はなくなってしまってきている。

そこで、私たちは最近、移動販売を始めました。このようなマルシェをやっていると、「うちの近くでも毎週これを買いたい。うちの近くには買えるところがないの」などと言われるんです。だったらこちらから出向いていこうと。

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先日は500世帯のマンションに移動販売車で野菜を売りに行きました。少し先にスーパーはあるのですがそれだけで、消費者に選択肢がないんですね。移動販売でも、もちろんただ売るだけではなく生産者の情報を伝えたり、そこに住む人たちの情報を聞いたりと、コミュニケーションを大事にします。

売るほうも楽しいんですよ。いろんな話をしますから。そうすると、いつの間にかそこに来たお客さん同士が情報の交換を始めたり。先日も娘がお世話になった小さな塾の方々がいらっしゃって、そこで、進路相談会が始まったんですよ(笑)。そういうのは面白いですよね。

――みんなつながるきっかけや場を求めているのかもしれませんね

食べることは、人間の基本的な行為です。食べるものを買うことを通して話が広がり、情報が流通していく。話が弾むきっかけになるような、井戸端の代わりになるような八百屋がなりたいですね。

――人と人のつながりが薄れている時代に、それをつなぐのが私たちの生活の根底にある食であるということが素晴らしいですね。また、ここ大丸有(大手町・丸の内・有楽町)においては、隣の会社の人と触れ合う機会などなかなかない生活の中で、人と人とをつなぐのが都会のビルとは対照的な野菜であるというところが面白いです

私たちに野菜はつくれませんが、私たちが購買を増やせれば農家に還元され、日本の農が元気になります。やっていてとても楽しいですよ。

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