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「未来のCSR」とは何か?昼間っからサラリーマンが粘土をこねる環境コミュニケーション・ワーキンググループ

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エコッツェリアの会員企業のCSR担当者が集まり、ワークショップなどを通して実践的に「環境コミュニケーション」を学び、新しい時代のCSRについて考えていく「環境コミュニケーション・ワーキンググループ」。2011年度の成果「エコのまど」をぜひウェブでご覧頂きたいですが、2012年度の開始を前に、3月に行われた最終回の模様をレポートでお届けします!

  1. 「エコのまど」(PDF版)

この最終回は「エコのまど」完成後のグループワークということで、参加者の感想とファシリテーターの鈴木菜央さんの総評ののち粘土を使ったワークショップを行いました。それにより1年の活動を振り返るとともに、来年に向けてまた新たな切り口を発見できる、そんな会となりました。

「エコのまど」感想と総評

まずは各企業の担当者が他の企業のポスターの中から好きなものを上げて行きました。「コピーが秀逸」というヨシモトポールや「人の笑顔が写っているのがいい」というエコッツェリア協会、「人の動きを捉えた写真がいい」という大成建設などが人気を集めました。どの参加者も褒められる嬉しさや他の企業の作品からの刺激を受けて来年はよりよいものを作ろうと決意を新たにしているようでした。

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ヨシモトポール株式会社

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エコッツェリア協会

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大成建設株式会社

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ファシリテーターの鈴木菜央さんはすべての作品について短くコメント。写真のクオリティや信頼性が評価される基礎となるのでそれを徹底することでいい作品になると評価する一方で、その基礎の上に感情に訴えたり物語を感じさせるものや意外性を加味することで迫力やインパクトのある作品になると評価しました。

鈴木さんも「すごい勢いでクオリティが上がっている」というように広告のプロが作ったのではないかと思わせるような作品もいくつも生まれた今年度の「エコのまど」ですが、それでもまだまだ来年に向けて意欲を持つ参加者たちですので、来年はもっともっと素晴らしい作品がたくさん生まれるのではないでしょうか。

粘土を使ったワークショップ

そんな来年度に向けて、今回はゲスト・ファシリテーターにNTTデータ経営研究所の桜井亮さんを迎えて粘土を使ったワークショップを行いました。テーマは「未来のCSRを創ろう」ということで、10年後のCSRを色粘土で表現するというものです。

と言ってもなかなかイメージが湧かないと思いますので、その過程を順を追って説明して行きましょう。

まずは参加者は6つのグループに別れ「未来のCSR」とはなんなのかについて5分間ディスカッションし、その内容を全体で共有します。そうしたらグループで出したアイデアを色つき粘土で形にします。粘土は赤、青、黄色、緑の4色で、赤は人、青は企業、黄はCSRを表し、緑は各グループで自由に意味を決めて使って良いという規定です。約30分の時間中、約5分間他のグループを偵察に行って質問することができる時間も設けられます。これによって全体でコミュニケーションを取りながらそれぞれに作品を完成させていくというワークです。

参加者から「童心に返った」「楽しかった」という感想が次々出るくらい盛り上がったワークでしたが、その様子はさておき、各グループの作品を紹介しましょう!

最初のグループは「ボーダレスな社会」がテーマ。緑は「家」にして、世代による隔たりもなく誰とでもコミュニケーションが出来る社会を表現しました。ちょっと高いところに立っている頭が尖った人は「宇宙人」!宇宙人さえもボーダレスな社会を目指すのです。

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次のグループは偶然にもゼネコンの担当者が集まったということで、ゼネコンの威信をかけて遊園地を作りました。この遊園地ではステージのまわりを人と企業が囲み、中には夢と緑が意味する「愛」がつまっています。

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3番目のグループは緑を「環境」とし、企業も人の形にして全員にハートの形のCSRを持たせました。CSRが企業と人と環境をつないでいるので、ハートが溢れる社会を作ります。

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4番目のグループは「つながりと拡張」がテーマ。緑は「想い」で子どもから大人まで誰もが持っているCSRマインドをその想いがつなぎ、企業も外側にいた人もその想いの輪の中に入っていくという社会が出来上がります。

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5番目のグループも3番目と同じく緑を「環境」とし、人を中心として、企業や環境がCSRによって人とつながっていているという社会を表現しました。4つの色がひとつになった塔があり、温泉などもある温かい社会を見つめています。

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最後6番目のグループは「江戸に戻ろう!」というテーマを設定。緑を「成果物」として野菜やお神輿などさまざまなものを緑で作りました。CSRはコミュニティ的なワーキングテーブルであり、そこに人と企業が集い、音楽などを通じて活発化したコミュニケーションからさまざまな成果物が生まれるのです。

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最後に桜井さんからこのワークショップを受けて少し真面目なお話が。まずは「場を創ることの重要性」について「未来志向で語る、多様な人材で語る、議論を先送りしない、新しい価値を創る、アイデアを共有することを恐れない、そのような場(=Future Center)を作っていくことが新しい場を創造する」といいます。今回のワークショップはまさにその場を作る試みだったわけです。

そして、そのような場において人々の活性を促すには「"ユルい"と"ガチ"のモードの使い分けが重要だ」といいます。企業活動等のは基本的に"ガチ"なわけですが、そこに「"ユルい"要素を取り入れていくとうまくいく」。CSR戦略も「堅さと柔らかさの2階建て」とし、1階は各社の戦略にあった「ガチ」のCSR戦略を練る場、2階は社の枠を越えて協創し未来を見据えた大きな絵を描く場にする。そうすることで未来へとつながっていくというのです。

右脳を使っていろいろな人とつながりながら考えを練っていく方法を身に着けた参加者が今年度どんな活動をしていくのか、楽しみになって来ましたね!今年度の環境コミュニケーション・ワーキンググループは6月からスタートです!