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天球儀、天体望遠鏡を作って、夜空を観察! ―親子環境学習2012「丸の内で宇宙と、生きものを感じる夏」丸の内さえずり館

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夏休みまっさかり。丸の内さえずり館では親子で環境が学べるさまざまなイベントが開催されています。7月25日の親子環境学習2012のテーマは「丸の内で宇宙と、生きものを感じる夏」。昼は天球儀や天体望遠鏡をつくって星図の読み方を学び、夜は実際に星空を観察しようという、丸1日がかりの充実したプログラムです。丸の内地球環境新聞では、10組22名が参加した天球儀をつくるワークショップにおじゃましてきました!
自然環境情報ひろば 丸の内さえずり館

さっそく天球儀をつくってみる!

saezurioyako_2.JPG各自に配られた天球儀のペーパークラフトを、切り抜く、折る、組み立てる、留めるのステップで制作していきます。組み立てが正しいかどうか、天の川がつながっているかでチェック。お子さんはもちろん、お父さんお母さんたちも真剣そのものです。

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完成!

星座を探してみる!

完成した天球儀を使って、東京の夏の夜空で見られる星を探していきます。天球儀には肉眼で確認できる6等星までが表示されていて、その数およそ6000個。天球儀や星図も使って、天の川を手がかりに、北斗七星、カシオペア、夏の大三角、さそり座、いて座などを探すのですが、星の数が多いので、これには皆さん四苦八苦。明るい東京では6000個もの星は見られないので、実際の夜空を眺めたほうが星座は見つかりやすいそうです。

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星図の記号の見方なども学びながら、1時間半にわたる天球儀づくりのワークショップはあっという間に終了。

saezurioyako_12.jpg最後にこの日のメイン講師である高梨直紘先生(天文学普及プロジェクト「天プラ」代表)に、宇宙の魅力についてうかがいました。
「まず、天文学は科学の最先端の分野であるところ。私たちがどこからきてどこへいくのかという根源的な問題を取り扱っているので、面白みは尽きません。そして、宇宙はまだまだ解明されていない部分が大きいので、研究者でも素人でも子どもでさえ、知識としてはどんぐりの背比べ。むしろお子さんからの質問はなかなか手ごわいです。例えば「宇宙ってどこまでいけるんですか?」という質問に「無限です」と答えると、大人は「なるほど無限ですね」で終わるのですが、子どもは「無限ってなんですか?」と逃げられない(笑)。子どもたちとのこういった機会は、私たち研究者にとってもふと立ち戻って考えさせられる勉強の場になっています。年齢も性別も宗教も問わず、星がキレイとか月がキレイとか、そういうところからでもコミュニケーションとして成り立ってしまうのが宇宙の魅力だと思います」

saezurioyako_13.JPG最後に残ってまで、先生に星はいくつあるのかききたいと張り切って質問してくれた、さえずり館イベント常連の板垣優輝くん。内藤誠一郎先生(国立天文台広報普及員、天文学普及プロジェクト「天プラ」)からは「銀河系で1000億以上2000億くらい。この銀河系のようなものが観察できているだけで1000億はあるので、かけ算するとどうなるかな。わかっているだけでその数、正確なところはまだわかってないんだよ」と容赦のない(!?)真摯な回答をもらって、一瞬遠い目になってしまいました!
高梨先生が言うとおり、専門家と子どもが対等に話せる、そんなところも宇宙の魅力なのですね。

この夏は、8月12日の深夜にはペルセウス流星群(東京都心でも、流れ星が1時間に10~20個ほど見られるとのこと!)、8月14日早朝には金星食と天文イベントが続きます。星図は国立天文台のサイトでダウンロードできますよ。皆さんも星図を片手に、夜空の星を探してみませんか?
国立天文台(各月ごとの星空画像)

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自然環境情報ひろば 丸の内さえずり館

saezurioyako_14.JPG8月31日(金)まで(最終日は13時閉館)、「宇宙の全体構造を把握する」を企画展示中。 会期中、8/24(金)には関連セミナーも開催されます。詳細はオフィシャルサイトで。
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