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「おじいちゃん」×キッズの力で、日本初の国産ジェット旅客機が飛んだ!? −エコキッズ探検隊2012「紙飛行機を飛ばそう」

日本初の国産ジェット旅客機がまもなく誕生するのをご存知ですか?2010年に三菱航空機が本格的に製造を開始し、環境にも配慮した次世代のリージョナルジェット機、三菱リージョナルジェット(MRJ)は、年内にもテスト飛行を開始する予定。ところが、そのMRJが一足お先に、エコキッズの教室で飛んでしまいました!

ecokidsmrj_1.jpgエコキッズ探検隊2012が、8月22日(水)に実施したのが、「紙飛行機を飛ばそう」。なんだ、紙飛行機かと侮ってはいけません。戦後日本で初めて製造 された旅客機YS11の設計者であり、テストパイロットでもあった、山之内憲夫さんが自ら企画、制作した本格派の紙飛行機のMRJを使い、どうして飛行機 が飛ぶのか?どうしたら上手に飛ばせるのか?を学ぼうというプログラムです。

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この日の先生方は、一般社団法人ディレクトフォースの理科実験グループに所属する皆さん。ディレクトフォースは、第一線のマネージメントクラスで活躍後退職された方々が、自身も楽しみながら自らの知識・経験を活かして社会の役に立ちたいと、大学での講義、社外取締役等の人材紹介、ベンチャー企業支援からボランティアまでと、幅広い活動をされている団体です。
一般社団法人ディレクトフォース

まずは紙飛行機づくりから

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細かな部品を切り落としてしまわないよう、慎重に切っていきます。切り取ったものを折り、尾翼を組み込んでテープで留め、機首にクリップを付けて完成。

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早速テスト飛行を始めるものの...

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なかなか思うように飛ばず。四方八方へと乱れ飛ぶという残念な結果に。

飛行機はどうして飛ぶ?

なぜきちんと飛ばないのと、ちょっと落胆を隠せない子どもたち。続いて、飛行の原理をドライヤー、ナイフとスプーンを使った実験で、少人数に分かれて学びました。

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実験結果を用紙にまとめ、山之内先生の解説に聞き入る子どもたち。飛ばすためにはと真剣そのもの。

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原理を学んだ後は、自分の飛行機のクリップの位置を前後にずらしたり、主翼に角度を付けたりと、テスト飛行を繰り返しながら、思い思いに調整しました。

そして、最後は飛行距離ナンバー1を決めるトーナメントを実施。まず4グループあるグループ内での1位を決め、最後に1位4名で決勝戦です。

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いざ決勝戦。自分のグループの代表を応援する「ガンバレー」の声が飛び交うなか優勝したのは、山中剛くん!

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ecokidsmrj_13.jpgはにかみながらも「楽しかった」と答えてくれた、山中くん。景品のMRJグッズと紙飛行機を大事そうに扱っているのが印象的でした。

「2回戦やりたい!」などの声もあがるなか、残念ながら時間オーバー。プログラム開始前は初対面のため人見知りしてうつむきがちだった子どもたちも、紙飛行機を通じてすっかり打ち解けた様子。名残惜しそうに、教室を後にしました。


企画を担当された、守屋雅夫さんにお話をうかがいました。

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−理科実験グループについて教えてください。

「理科実験グループのメンバーは皆理系出身で企業トップやマネージメントを経験しています。2009年、横浜開港150周年のときに初めて理科実験のクラスをやってみたところ、とても評判が良かった。またやろうじゃないかと翌2010年に理科実験グループを立ち上げました。2010年には6回実施だったのが、昨年は53回、今年は80回に。メンバーも14名から40名に増えました」

−皆さんのやりがいはどんなところにあるのでしょう?

「勉強する意味を子どもたちに伝えたいと思っています。今日のメンバーは理系のうえ、全員が海外駐留も経営も経験している。そういう経験をしてきた者として、お子さんたち、そして親御さんにも学ぶことの意義を伝えたい。というのもあるんですが、一言で言ってしまえば、孫と遊んでいる、幸せなじいさんたちです。こちらの方が喜んでいるんですよ」

一線は退かれたと言っても、まだまだ仕事もし、大学で講義もし、ボランティアもすると大活躍の皆さん。子どもたちのパワーはもとより、"おじいちゃん"のパワーにも圧倒された、ひとときでした。

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