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【レポート】広がるKOUBA、つながる地方と都市

「燕三条 工場の祭典2016」を振り返る! 2016年12月9日(金)開催

昨年に続いて敢行された燕市三条「工場の祭典」弾丸ツアー。その振り返りのイベントが12月9日、TIP*Sで開催されました。

工場の祭典は今年で4回目、TIP*S、3×3Lab Futureがジョインするのは今年で2回目ですが、すでに恒例になった感もあります。この日は実行委員長の山田立氏が来場し、今年の祭典を振り返りました。また、TIP*S、3×3Lab Future側からは、ツアーに参加した人を含め、燕三条、工場の祭典に興味を持つメンバーが集まりました。

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数字のうえでは大成功も......

数字のうえでは大成功も......

オープニングとして、参加者全員から「なぜ今日この場に来たのか」、気になっているポイントをシェア。工場の祭典に参加したから、中小企業の活動に興味があるから、メイドインJAPANを世界に発信したいから......とそのアプローチは人それぞれです。

山田氏その後、山田氏が登壇し、2016年の工場の祭典の成果、結果を総括する形でお話しいただきました。

改めて振り返ると、2016年、工場の祭典の特徴は、「KOUBA」とアルファベットで読み下し、「工場」「耕場」「購場」の3つの意味をかけ合わせ、工場の祭典の枠組みを大きく押し広げたことにあります。「工場」は78(市役所や資料館等含む)、「耕場」13、「購場」5、合計96拠点が参画、点と点をつなぐツアーから、より面的な性格が強化されています。

山田氏は、まず「今年は1週間後ろにずらしただけで、ものすごく寒くなって天気も悪かった。皆さんにはご迷惑をおかけしたと思うし、燕三条でも随分"お前のせいだ"と言われてしまいました(笑)」と笑いを誘います。

そして成果のアウトラインを提示。来場者は約3万5000人。過去3回の変遷を見ると、第1回約1万人、第2回約1万2000人、第3回1万9000人と順調に伸びています。このうち4割が県外で、県内の約半数が燕、三条からの来場者でした。

来場者動向を見ると平均訪問工場数は3.8。製品購入率は50.2%。購入率は特に上昇が著しく、昨年からおよそ12ポイントのアップ。しかし、「残念なのが宿泊者率」で、昨年の33.6%から2.5ポイントダウンの31.0%となっています。これは「新潟シティマラソンなどの地域のイベントがいくつもかぶってしまい」、決して多くはない市内の宿泊施設が埋まるのが早かったことも原因のひとつと考えられているそうです。

また、「満足度」を見ると第2回79.6%、第3回77%から、今年は75.7%とダウンしたことについて、「不満の理由は駐車場だったのではないか」と分析。車で移動する人が多いため、今後の課題となりそうです。

「"産業観光"とはちょっと違う」

そして、「購場」としての売上高が、第3回の約780万円から今年は約2800万円にのぼったことを提示し、「いい数字なのかもしれないし、メディアは大きく取り上げてくれるが、これをもってして"大成功だ!"というのはちょっと違うかなと思う」とコメント。「少し混みすぎたと感じている。フワフワとしたお客さんが多かったのも事実で、こだわりを持った人が落ち着いて見れなかったことも否めない」としています。例えば山田氏が番頭を務める玉川堂では、昨年の来場者800名に対して今年は1400名。「だいたいどこも2倍くらいの集客があった」と話しており、単なる産業観光として人集めをすれば良いのではない、工場の祭典としてのこだわりを語りました。

もうひとつのKOUBA、「耕場」については、「思ったよりも集客はなかったが、参加した農園などからは"こんなもんだ、ちょうど良かった"これ以上多くなっても対応しきれないというのが正直なところ、という声があった。工場を巡る間のちょうど良いブレイクになったのでは」。

そして来年に向けてすでに動き出していること、抱いている腹案を紹介。それによると、日程は今年と同じ10月の三連休を当てること、新しい「KOUBA」として「"香場"として、コーヒーを取り上げたい」と考えているそう。国内で生産流通しているコーヒー系の器具のほとんどが燕市で作られてはいるものの、その実体は知られるところは多くありません。「こだわりのコーヒーを入れるオーナーさんなどを招いて、道具やその作り手と組み合わせたトークやイベントなどができたら面白いのでは」。また、今年すでに取り組みが広がっている大学とのリレーションも強化していきたい意向です。

課題としては依然として二次交通が最大の問題として挙げられていますが、今回改めて「宿」「食」も提示。「背脂ラーメンの発祥の地として知られているが、ほかにもいろいろな人がおいしく食べられる場所を開拓したり、紹介する体制を整えたい」とし、「できることから手を着けていきたい」と来年への意気込みを語りました。

個人のつながりから大きなうねりを

トークの後の質疑応答では、子どもを含む学生の巻き込みの実態や、来場者の見学の様子などについて質問意見が交わされました。

そして休憩を挟んでのグループワークでは、田口氏がファシリテーターを務め、「工場の祭典のために何をどうつなぐか、何ができるか」を話し合いました。

10月の祭典が終わったあとにも個人的に工場見学に行くなど意欲的な参加者もおり、非常に積極的なメンバーが揃った今回のイベント。グループワークの後でシェアされた内容も多くの示唆を含むものとなりました。

Aグループからは「購入した道具を使っている様子を地元にフィードバックしてはどうか」と、関係性を強化することで祭典を広げるアイデア。Bグループからは工場の祭典を広げる"ツール"として「"プレゼント"が有効では」というアイデアや、「見学者の"レベル"に応じたガイド」の作成や、食べるところの重要性についての提案がありました。特に地域理解には「夜のお酒と料理がおいしいことは大きな印象を残す」とし、「宿泊が伴う際に夜食べるところの情報がないのは致命的」という厳しい指摘も。
Cグループからは、民泊導入や事業継承のための金融施策のアイデアのほか、伝統技術を"大切に箱にしまい込む"のではなく、より生産性を高くしていくために、ディープラーニングによるAIの活用の提案などもありました。

最後に感想を求められた山田氏は「食事の重要性についてはまったく同感。やれることからやっていくし、もっと力を入れていきたいと感じた」と食の充実について語りました。

地方と都市の関係は

3×3Lab Futureでは、単に「東京が地方を支援する」というような一元的な関係ではなく、よりフラットで有機的かつ相互的な関係強化を図ろうとしています。燕三条工場の祭典との取り組みもそれを目指したもので、エコッツェリア協会が2017年にスタートするクールジャパン関連の実証事業へ、燕市三条市が参画することも期待されています。どのような関係性が作られていくのか、来年の工場の祭典ばかりではなく、今後の動向にも注目したいと思います。


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