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【レポート】近未来の東京と働き方改革―人間の真価と都市の未来を考える(前編)

エコッツェリア協会会員総会(6月22日) 渋澤健氏が見る未来

2017年度のエコッツェリア協会会員総会が6月22日に開かれました。当協会の年次報告のほか、理事長の伊藤滋のファシリテーションのもと、会員のみなさまも交えて未来の東京を語り合いました。今年のテーマは「近未来の東京と働き方改革」。ゲストはコモンズ投信代表取締役会長の渋澤健氏、認知科学者の苫米地英人氏です。お二人の講演と、伊藤理事長も交えたパネルディスカッションの様子をレポートします。(中編はこちら後編はこちら

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「と」の力で未来を切り拓く

「と」の力で未来を切り拓く――渋澤健氏

トークは渋澤健氏からスタート。氏は開口一番「今日お伝えしたいのは"と"の力」であると話し、2020年に訪れるであろう「パラダイムシフト」において、「と」の力を生かすことが必要になること、そして、その能力を持った人材を育成する重要性を説きました。

まず渋澤氏は時代の流れを読み解きます。「人間は未来を直線的に訪れるものだと考えがちだが、そうではない」とし、マーク・トゥエインの言葉「History doesn't repeat itself, but it does rhyme.」を引用して、時代とは「リズムをもって」回っていくものであると語ります。そのリズムとは氏の見るところ、30年ごとの破壊と繁栄の繰り返しです。幕末から明治時代初期の30年は破壊、その後大正期の繁栄を経て、戦争期の30年。そして戦後、高度経済成長からバブルが崩壊する1960年から1990年の30年。1990年からの30年は"失われた時代"も含む破壊の時で、「今もしかしたら、私たちは破壊の時代の27年目にいて、次の時代が2020年から始まるのかもしれない」と渋澤氏。「周期で考えると2020年が節目となって繁栄の時代になる。2020年は日本の在り方を大きく変えるパラダイムシフトが起こるのではないか」(渋澤氏)。
その鍵を握るのは「団塊ジュニアのさらにその下の世代」であると渋澤氏は見ています。それは成功体験を持たない、過去の成功体験がないために「まったく新しい成功を実践してくれるのではないかと期待している」と渋澤氏は話します。

そのパラダイムシフトを起こす力として力とは何か。渋澤氏はヒントとして高祖父・渋澤栄一が提唱した「合本主義」を示し、「共感、共助、共創」がその力になるとしています。渋澤栄一が語った資本主義の原点である合本主義とは、一人ひとりの持っている微かな力、資源を集めて大河にし、大きな事をなす力にしようというもの。銀行はまさにその役割を担い、日本の経済成長を支えました。明治・大正・昭和の経済発展は「国民のお金を集めて大河にした」ことでもたらされたもの。この大河の流れが向かうのは「未来」。すなわち銀行とは「単にお金をつなぐのではなく、現在から未来への成長をつないでいくもの」なのです。

この思想は現代にも生きています。その一例として渋澤氏はNPOテラ・ルネッサンスの鬼丸昌也氏の「私達は微力だが無力ではない」という言葉を引用。それは「微力とはゼロではない。足したり掛けたりを繰り返せば大きな力になる。今は微力でも、いずれ世の中を変える勢力になるという力強いメッセージ」です。これはまさに「合本主義と同じだと気付かされた」と渋澤氏は話します。

その散らばっている小さな力、一滴一滴を集めるために必要なのが「共感」。そして集まった力はそのままでは「デコボコがあって使えない」。だから「共助」、互いに助け合い、足りないところを補い合うことが必要になる。そして共助が「足し算」だとすれば、掛け算になるのが「共創」です。この共感・共助、共創が、渋澤栄一が考えた資本主義の原点であり、同時に2020年以降の未来を作る力でもあると渋澤氏は語ります。

そして、それらを生み出していくために必要なものが「『と』の力」です。その一例が渋澤栄一が著した『論語と算盤』。論語=道徳・倫理と、算盤=経済的な利益を両立させるもの。倫理だけでは長く続く社会は作れない。一方で経済利益の追求だけでも社会は存続し得ない。だから『と』が重要になる。「論語"か"算盤じゃない。『か』はすでに有るものを選別し効率を高めるために重要だが、新しいものは生み出さない」と渋澤氏。「『と』の力とは、一見矛盾したものをつなぎ、ああでもこうでもないと押したり引っ張ったりするうちにフィット感を見出し、新しいものを作る力ではないか」と渋澤氏は語ります。
「私達にとって、もっとも矛盾しているのは現在と未来だろう。現在はわかっていることばかりだが、未来はまるで分からない。それをつなげるのが我々の日々の行動なので、『と』の力は非常に大切だと思う」

そして最後に"枠"の外側の視点を持つことの重要性をクイズのように示して話を締めくくりました。
近未来の東京と働き方改革 中編に続く)


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