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【大丸有】"自分ならではの目線"が日本を面白くする

第1回インバウンドナビゲーター養成講座  2月1日開催

観光立国を掲げ、訪日外国人目標を4000万人に定めた日本。昨年2016年の訪日外国人数は2400万人を突破し、今後ますます海外からの観光客数が増加しようとしている今、これからの地域活性化、これからの地域ブランドに求められることは何でしょうか。2月1日に開催されたインバウンドナビゲーター養成講座は、その問いに対して都市側が提示する回答のひとつと言えそうです。

これは、内閣府の「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」に採択されたエコッツェリア協会が、地方のクールジャパン資源と都市部のクールジャパン人材を結び、外国人に対して地方の魅力を効果的に発信していくことを目指そうというもの。

大丸有のオフィスワーカーを中心にしたおよそ20名の受講生が参加していますが、ただ単純にガイドするためのマニュアルを学ぶのではありません。「ナビゲーター」になるためのカリキュラムは、今回も含めて全4回。実際に大丸有エリアや新潟でフィールドワークを行い、「自分だったら外国人にどう伝えるか」を考え、最終回では自分なりのナビゲートプランを発表します。

また、この取り組みは先日有楽町に設立された「丸の内トラベルラボ」とも連動しています。ラボからはフィールドワークの素材を提供するとともに、受講生が発案するプランは、ひとつの成果としてラボで検証されることにもなっています。

第1回目は「ナビゲーターの心得 入門編」として、前半は、丸の内トラベルラボ、丸の内朝大学のプロデューサーを務め、ウィラー・コーポレーションの取締役でもある古田秘馬氏からのガイダンス、古田氏とともに「日本を盛り上げ、情報発信をしている」ジャスティン・ポッツ氏(株式会社umari)によるインプットトーク、後半は受講生による自己紹介が行われました。

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観光地づくりから、関係地づくりへ

観光地づくりから、関係地づくりへ

"rice, tea and bamboo" photo by spinster cardigan [flickr]

丸の内朝大学、Peace Kitchen、六本木農園など数々の地域プロデュースを行ってきた古田氏。美味しいものを求めて世界中を渡り歩く中で、ナビゲーターによるフードツアーが人気であることに気づいたと言います。

ガイドではなく、ナビゲーター。今、観光・インバウンドで求められているのは「観光地づくりではなく、関係値づくり」であるとする古田氏は、これからの時代、「観光地や特産品を一方的に伝え、単に経済効果を求めるだけの観光」ではなく、「人の行いや取り組み自体が観光資源になるのではないか」と指摘します。その「人」をつなぐのがナビゲーターに求められる価値。「これまでの観光は、過去の資源や、すでにそこにあるものを見せるだけだった。ナビゲーターのみなさんには、顧客とともに体験する"未来"を見せるためのプランを考えてほしい」と古田氏は話しています。

背景には、古田氏が指摘する「ギャップ」があります。例えば、沖縄では訪日外国人に向けて観光スポットとしてビーチを訴求していますが、訪日外国人が「沖縄」とセットで検索するキーワードは、1位が「長寿」、2位が「空手」、3位は「ハブ酒」。ビーチは10位にすらランクインしていないそう。
「地域側ではこれで売り出したいと思っているのに、外国人ではそんなことはちっとも求めていない。そういうギャップがいっぱいありますよ、と地方へ行くといつも指摘している」(古田氏)

また、今、日本を代表するホテルのコンシェルジェでも、「半日空いたので、何か面白い体験はできませんか?」「妻と子供が楽しめるような食のコンテンツはありませんか?」というような質問が多いと古田氏。それだけインバウンド需要の中身は多様化しており、既存のガイドやツアープランでは対応しきれない状況になっているということ。ナビゲーターは、「ビジネスマン向けのおもてなしツアーや、女子会ツアー、赤提灯ツアーなど、各自が得意とする分野で」オリジナリティーが高く、柔軟なツアープランを発案することが求められます。

3月1日の第4回の講義・成果発表会では、「個人でもチームでも構わないので、自分だったらこんなツアーを作りたい、というツアーのアイデアを発表するのが最終ゴール」。古田氏は「フィールドワークを通して、大丸有でも新潟でもいいし、それ以外でもいい、おもしろいアイデアを出してほしい」と参加者に呼びかけて締めくくりました。

外国人は何を求めて日本へ?

日本酒を広める活動など、日本各地のローカル資源をデザインしているジャスティン氏。現在は千葉県いすみ市の蔵元「木戸泉」で蔵人としても活動しています。氏は、自身の日本での体験を踏まえ、「外国人は富士山に登りたい」「四季が楽しめるのは日本だけだと思っていないだろうか」と問題を提起し、ナビゲーターツアーを考えるためのポイントを整理しました。

そのひとつが、「あるもので勝負する。ゼロから作る必要はない、あるものをどうやって最大限生かすか」ということ。ここでは、「編集」の視点が重要であるともジャスティン氏は指摘します。

「外国人の多くが、お寺の街並みを味わえる京都の観光地に行き、最初は珍しさゆえにたくさんお寺の写真を撮るが、だんだんと撮る枚数は減り、お寺を見るだけでは飽きてしまう」とジャスティン氏。しかし、例えば、「お寺でライブをしたり、お寺の裏にある田んぼで遊べるなど、周りのものと組み合わせて編集していくことでそこでの体験は変わっていく」。

また、東南アジアから多数の観光客が、雪を求めて北海道や北陸に集まっていることを挙げて、「お客様(対象市場)を事前に決めて、把握し、できる限り理解する」ことも重要であると指摘します。

また、もうひとつ気をつけておきたいことがあります。それは、たくさん選択肢があることは、必ずしも価値があるとは言えないということ。「例えば、海外でワインが有名なところに行ったとして、いくつも選択肢を並べられても、何を基準に選べばいいか分からない。それよりも"あなたのオススメ"を教えてほしいと思うはず。今は"選択肢が多いこと"よりも"キュレーションがあること"が、観光客にとっての価値につながる」とジャスティン氏。

この提案(キュレーション)をするときに大切にしたいことが、ただ情報を伝えるだけではなく、自分なりのエピソードを交えること。例えば、「このお酒がきっかけで、僕と奥さんが日本酒を飲めるようになったんですよと聞くと、なんだか飲みたくなりませんか?」とジャスティン氏は話しています。ただ日本酒の説明をしても、外国人がどう捉えるかは分かりません。ストーリーなどその人にしか伝えられない情報を交えながら、「この人は何に興味があるのか」「この人をどんな風に楽しませようか」と常に頭の中で考えて話していくことが、心を動かすのです。

次回は、街へ!バルホッピング!

トーク後は、これから共に学んでいく受講生同士で自己紹介を行いました。「学生時代の留学先の友人を案内したい」「海外にはよく行くけど、意外と東京以外の日本を知らなくて」「日本のディープなスポットを紹介したい」「自分で体験したことを自分の言葉で外国人に語れるようになりたい」など、講座に参加した理由はさまざまでした。

中には、自分の趣味や詳しい分野など「自分ならでは」のところから発想して、どんなナビゲートをしていくか、早速考え始めている人も。

これからの活動に心を躍らせながら、講座後の懇親会でも熱の入ったトークが続きます。ナビゲーターという存在は、今後、外国人観光客の潜在的なニーズを掴んでいく鍵となるのかもしれません。

次回は、丸の内エリアの飲食店でバルホッピング体験を行います。受講生は、今回学んだナビゲーターの心得をもとに、実際に街をめぐっていきます。


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