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株式会社グランマ 本村 拓人さんインタビュー(前編) -『世界を変えるデザイン展』が大丸有を変える!?

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六本木(東京ミッドタウン・デザインハブ、アクシスギャラリー)での開催には2万人が来場、有楽町ATELIER MUJIでの開催も大好評の『世界を変えるデザイン展』。さまざまな方面から「胸が熱くなった」「世界を変えることに現実味が湧いた」などの熱い感想が聞こえてきます。

その『世界を変えるデザイン展』が、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)を変えようとしているらしい。との噂を聞きつけ、大丸有と進行中だというプロジェクトについて、同展の企画を手がける株式会社グランマ代表取締役本村 拓人(もとむら・たくと)さんにお話を伺いました。

若干26歳の本村 拓人さん。同展の企画を成功に導いた行動力の秘訣、現在のデザインやCSRについての考えについても聞いてみました!

―10月1日~20日まで有楽町MUJIで開催されていた『世界を変えるデザイン展vol.2』も大好評だったようですね。vol.2は初回のものとどのように違ったのでしょうか?

ご覧いただいた方はお気づきかもしれませんが、初回は途上国で使われそこで暮らす人の生活を変えるデザイン、vol.2は途上国から発信され先進国で使われるデザインだったんです。たとえば、前者は汚水を簡単に浄水できる個人用携帯浄水器などで、後者は古タイヤを再利用したサンダルや成長の早い竹を使った自転車などです。

―古タイヤを再利用したサンダル(写真右)については、すでに良品計画さんと商品化の計画が進んでいるとか

サンダルのほかにも、数点のプロダクトの商品化の話が進んでいます。
『世界を変えるデザイン展』は、いわばきっかけづくりの場です。一般消費者の方々にプロダクトを紹介し考えるきっかけをもっていただくとともに、素材や工場までを公開することで企業にプロダクトの商品化を検討してもらう役割もあります。

―大丸有とはどのような取り組みが始まるのでしょうか

まずは11月19日(金)にエコッツェリアでトークイベント『世界を変えるデザイン展のその後 ~作ってみたいから、作ります。プロジェクト~』を開催します。

『世界を変えるデザイン展』はご好評をいただいていますが、展示だけでは伝えきれなかった部分がたくさんあるんです。今なぜ私たちと無印良品が一緒になってこのようなイベントを企画したのか。プロダクトが出来上がるまでの工程やそこに関わる人たち、既にヨーロッパなどで売られているプロダクトが現地でどのようなニーズを満たしているのかといった、プロダクトにまつわるストーリーをみなさんと共有したいと考えています。

―今回のトークイベントでは、どのような方がパネラーになるのでしょうか

プロジェクトの企画者である私や企業の立場から良品計画の土谷貞雄さん、デザイナーの視点からオープンハウス/東京造形大学教授の益田文和、消費者の視点からは大和証券 河口真理子さんにお越しいただき、ディスカッションをさせていただきます。ご来場いただいた消費者のみなさんも含め、プロダクトをとりまく様々なステークホルダーの方々の集まる場になります。今後もトークイベントは定期的におこない、ワークショップなども組み込んでいく予定です。

―「きっかけづくりの場」というお話がありましたが、このトークイベントは、展示会で考えるきっかけを得た方々が、集まりつながってアクションを起こすための更なる「きっかけづくりの場」となっていくイメージでしょうか

sekaidesign7.jpgそうですね。『世界を変えるデザイン展』初回で展示したような途上国で使われるプロダクトというのは、実は企業にとっては手を出しにくいんです。あるプロダクトが40億人の課題を解決しうる、そのプロダクトをつくれば大きなビジネスになるとしても、知識がない人たちにとって未開の地への進出は怖い。プロダクトを開発したとしても現地での売値は先進国の数十分の一で、ビジネス効率の面では疑問です。このようになかなかハードルが高いんですね。

一方、vol.2で展示したようなプロダクトは先進国や新興国を対象にしているので、企業はもっと参入しやすい。vol.2では全体のコンセプトを「消費から変わる世界」としています。消費という、誰もが毎日必ず行っている行為を少し変えるだけで社会が良くなる・世界が変わるというストーリーです。しかし、こういったプロダクトが世の中に増えなければ、コンセプトを掲げるだけでは変化は起こりません。そのためには消費者の意見や協力が必要です。

大丸有では、今回のイベントのように場所を提供していただくだけではなく、大丸有のエリア版エコポイントシステム『エコ結び』によるエコ結び基金でプロダクトのストーリーづくりや製品化をおこなう予定です。トークイベントやワークショップを通して、無印良品のデザインや消費者一個人のアイデアをプロダクトに入れ込んでいきます。

―まちを巻き込んだデザインやものづくりとは、面白いですね。イベントの対象は消費者なのでしょうか?

大丸有でのイベントは、「展示に共感はしているけれど、そこまでのお金はかけられないし、どのように関わればいいかわからない」といった製造者・販売者・デザイナーの方々も巻き込む場にしたいと考えています。

これまで以上に多くの人々が、日本を含めた世界の課題について取り扱くむべき必要があります。このような製品開発も大企業一社が取り組むようなものではないと思います。連合体をつくってみんなでやっていきましょうと呼びかけ、様々なステークホルダーと共に製品の開発においてコミュニケーションを重ねながら、その製品がもつ意義やストーリーを語り合うことで、遠く離れた国で起きている課題に対して本質的に耳を傾けはじめられるのだと思います。

これが今回の展覧会、そして、そこから派生してできるムーブメントで一番伝えていきたいメッセージです。

そのほかにも丸の内朝大学と講座をやったり、受講生の方々とプロダクトをつくったり、大丸有の地域と人を巻き込むようなものにしていきたいですね。

(後編に続く)
株式会社グランマ 本村 拓人さんインタビュー(後編) -「アポなしで人に会いに行くのもアリだと思う。」

世界を変えるデザイン展のその後
~作ってみたいから、作ります。プロジェクト~

ゲスト :
 大和証券 河口真理子
 オープンハウス/東京造形大学教授 益田文和
 良品計画 土谷貞雄
 株式会社グランマ 本村拓人

日時 : 11月19日(金)19:00~21:00
場所 : エコッツェリア(東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビルディング1008区)
料金 : 1,000円
定員 : 80名
主催 : エコッツェリア協会 / 株式会社Granma

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