イベント丸の内井戸端会議・レポート

【レポート】丸の内井戸端会議 第4回 ~陽気なイタリアに学ぶ女性の幸福論~

2015年6月4日(木) 開催

イタリア女性が教えてくれる女性の幸福論

これまで3回にわたって開催してきた丸の内井戸端会議では、女性が企業で活躍していくための課題とそれをクリアしていくための知恵を参加者が共有してきました。また、20代女性がリアルに語る"自己実現"についての講演をもとに、ライフステージを意識した時の働き方について、さまざまな観点から議論を深めてきました。

6月4日に開催された第4回のテーマは、「陽気なイタリアに学ぶ女性の幸福論」。生粋のイタリア女性であり、本国で15年、日本で10年のキャリアを持つフィアット クライスラー ジャパン マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさんをゲストに迎えたトークセッションを中心に、30余名の参加者と共に女性の幸福論について、熱い議論が繰り広げられました。

濃密な2時間の幕開けは、自己紹介から。10分間、参加者が隣の人とペアになって、フリートーク。女性だけでなく、男性や外国人の参加者の姿も見受けられました。やはりテーマに"陽気"の二文字があるからでしょうか。ほとんどの人が初対面同士とは思えない盛り上がりぶりで、お祭りのような賑いムードに包まれた中、セッションは始まりました。

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命のにぎわいにあふれる国、イタリア

命のにぎわいにあふれる国、イタリア

「"Diversity(多様性)" というテーマをみんなで考えてみようということで始まった井戸端会議ですが、多様性とは、いろいろな命が賑わっている状態ではないかと思っています。2012年に、10日間ミラノに行った時、改めて"命のにぎわい"を実感しました。ミラノといえば石の街ですが、至るところ、懸命に緑で彩ろうとしているのが見て取れました。それは町中だけでなく、そこに暮らす市井の人たちの住空間においてもそうです。家族や愛する人たちと食事を共にして、議論して、笑って、抱き合って...、そこにあるのは、日常の暮らしを非常に情熱的に生きている人々の姿でした」と語るのは、モデレーターの井上岳一氏。

それ以来、同氏の中には、"命感覚"がひとつのテーマとしてあったそうです。

「イタリア語の"Vita"とは、"Life"のことですが、生命という意味もあれば、生活という意味もあります。イタリアに行って、それらの本当の意味が初めて分かったように思います。経済や政治、国際社会のプレゼンスにおいても、決して"優等生"ではない国家イタリア。街ごとにその歴史や文化を重んじ、スタイリッシュな都市と自然豊かな地域をあわせ持つ特徴は、日本にも通じるところがあります。どうしたらイタリア人のように、生命を取り戻せるのか? もっとイタリアを知りたい、学びたいという気持ちから、今回、ティツィアナさんにお越しいただきました」

在住10年。日本への深い愛

登壇したティツィアナ・アランプレセさん。開口一番、「井上さんの素晴らしいスピーチの後だと、プレッシャーを感じます。どうしましょう!」とユーモアたっぷりのコメントで、会場に笑いを誘いました。
ティツィアナさんのトークセッションは、まずは自己紹介からスタート。

フィアットグループの国際マーケティング全般に関わり、現在はFIATクライスラージャパンのマーケティング本部長を務めるティツィアナさんは、学生時代に文部科学省の奨学生として日本に滞在、九州大学で学んでいました。「この時の経験は私にとって大きな財産となっています。」と、日本へのリスペクトを示しました。

※当日のプレゼンテーションから抜粋

フィアットグループでは、イタリアにてキャリアを積んだ後、2005年より日本に赴任してからすでに10年目を迎えています。

『スマイルが一番大切。女性はみな、生まれながらのリーダーです』

「一人ひとり皆、ユニークな人間ですし、皆それぞれが大事な存在です。私は多様性を信じています」とティツィアナさん。男性が大半のマネジメントの舞台で、果敢に働く女性として、「一番大事にしているのは、"スマイル"、心からのスマイルです。フィアットの1994年の広告にも取り入れました。これは当時、お客様のアンバサダーをしていた私で、"スマイルのメンテナンスが大事"というコピーが書かれています」

話題はいよいよ、今回のテーマである「女性の幸福論」へと移っていきました。女性は生まれながらのリーダーであるとティツィアナさんは言います。「すべての人がユニークで、大切な存在であるように、女性も皆、ユニークで大切です。女性が"ジェネレイト=生む"すると言うと、子供を産むことが想起されますが、それだけではなくて、自分自身を"育てる"、"チェンジする" このトランスフォーメーションもまた、女性の大事なミッションです」

自分を愛して、自分らしく生きる

※当日のプレゼンテーションから抜粋

自身のことを"LOVE BRANDING"の専門家であると語るティツィアナさん。「ブランドにおける"LOVE"を作ることが私の仕事です。ここでいう"LOVE"とは、甘い、可愛い類いのものではなく、エネルギー、パワー、パッションを意味します。今こそ、女性には、自分の生活や成長を守るためにも、自分の頭と心でしっかり考え、愛という名のもとに、リスタートして欲しいと思います。私たちには、変化する責任があるのです。この責任をもう一度、取っていきましょう」

"Love Yourself" "Share the Love" "Love what you do"―ティツィアナさんが大切にしているのはこの3つです。一つ目の"Love yourself"は、文字通り、自分を愛すること。言い換えれば、"Be yourself"となり、自分らしくあること。そして、命を大切に生きることです。

※当日のプレゼンテーションから抜粋

フィアットでは、2010年より"Be Yourself"と題したアルファ ロメオのキャンペーンを通して、LGBTをサポートする活動を行っています。アルファ ロメオは、自己アイデンティティを大切にしているブランド。自分らしく生きる"Be yourself"の精神を持つLGBTの活動に共感したことから、国際レズビアン&ゲイ映画祭をサポートし、日本初のLGBTがテーマの美術展や東京レインボープライドにも協賛しているそうです。

共有、情熱。自分の仕事を愛して、成長していく

2つ目の"Share the Love"は、共有すること。フィアットでは、"Share with FIAT"と題して、教育にアクセスできないバングラデシュなど、アジアの優秀な女性たちが通えるAsian University for Womenや日本ブラインドサッカー協会(JBFA)、非営利・非政治の会員制動物救援組織ARKなどの活動をサポートしています。

「女性、困っている人、子供、将来のため、平和のためにがんばっている人と繋がると、私たちはもっともっと強くなれると信じていますし、がんばることができます。それぞれの活動を通して、関わる人たち皆が強くなれましたし、私自身も大きく成長できました」

3つ目の"Love what you do"は、自分のしていることを愛しなさいという意味ですが、ここには、情熱が不可欠だとティツィアナさんは言います。

「日本は国産車のシェアが約96%と言われ、私たちはその中の約5%で闘うブランドです。私たちの目的は車を売ることではなく、イタリアのライフスタイル、デザイン、夢、パッション......これらの魅力をトータルに伝えていくことです。どれだけ素晴らしいサービスや商品があって、お客さまに満足してもらえたとしても、それを提供する側である自分自身がその仕事を愛していなければ、幸せとはいえないでしょう。自分の仕事を愛してこそ、お客さまにも愛される。これは非常に大切なプロセスです」

最後にティツィアナさんから向けられた参加者へのアドバイスは、こんなユニークなものでした。「"Do something Crazy Everyday!"です。毎日、何かひとつ、クレイジーなことをぜひしてみて欲しいと思います。楽しいですし、ハツラツと元気になれます。Let's keep smiling!」

何が起きても、スマイル。先を案じるより、今にフォーカスし、受け入れる

トークセッション後の質問タイムでは、次から次へと手が上がり、輪をかけて盛り上がりを見せました。

会場の男性からは、次のような質問があがりました。「社会に対するハードルやご自身の心の中のハードルは、どのように越えてきましたか?」――ティツィアナさんの答えは、トークセッションにもあったように、「何があっても、スマイル、スマイル。維持するように努めてきました。大学を卒業したばかりの時、大きな交通事故にあって、3ヶ月ほど身動きできない状態でした。落ち込むというよりも、学びたい気持ちの方が強かったので、起きたことを受け入れることが先でした。人間関係でうまくいかないことがあると、一瞬は落ち込むけれど、気持ちを前に向けていれば、仕事のビッグオファーが来たり、いいことが起きるんですね。先を案じてネガティブに考えるより、今にフォーカスする、これが大事だと思います」

"女性は生まれながらのリーダーです"という言葉をエネルギッシュに体現しているティツィアナさん。懇親会の彼女の周りには、円を描くように参加者たちが集まり、和気あいあいとした雰囲気の中、食事とお酒が振る舞われました。

昨今、管理職への登用推奨や育児休暇の取得期間拡大など、成長戦略の柱のひとつである「女性の活躍の実現」に向けて、女性の働き方を見直すべく、さまざまな施策が進められようとしていますが、実のところ、結婚・出産・子育てなど、ライフステージの変化と共に、女性の働く環境は大きく変わるゆえ、一筋縄ではいかないところがありますが、自分を大切にするという一番根っこの部分における真意を、ティツィアナさんは教えてくれたのではないでしょうか。


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「女性の働き方」について考える

丸の内井戸端会議では、女性が企業で活躍していくための課題とそれをクリアしていくための知恵を、参加者が共有する講座を提供しています。女性がリアルに語る"自己実現"についての講演をもとに、ライフステージを意識した時の働き方について、さまざまな観点から議論をしています。

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