イベント環境プロジェクト・レポート

【レポート】テレビ番組の資材が大変身! 「廃材アート」制作

親子で学ぶ体験イベント 其の三「廃材アートの巻」 2022年5月1日(日)開催

4,12,17

3×3Lab Future ではゴールデンウィークの4月29日~5月1日の3日間、NHKアニメ「忍たま乱太郎」と一緒にSDGsを学ぶパネル展示と、親子で参加する体験イベントが同時開催されました。

初日・2日目は、皇居周りのお濠の浄化の仕組みや、都心に暮らす生き物を探すフィールドワークを行いました。最終日となる5月1日は、大手町の「3×3Lab Future」を舞台に、NHKのテレビ番組の美術セットを制作する際に出てくる「廃材」を使ったアート制作を行いました。当日はあいにくの雨模様となりましたが、集まった子どもたちは元気いっぱい。20組近くのご家族に参加いただき、会場全体が活気づきました。

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自分のやり方で、自分らしく好きなように作品をつくる

自分のやり方で、自分らしく好きなように作品をつくる

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エコッツェリア協会 事務局次長・SDGsビジネスプロデューサー・田口の挨拶のあと、NHKエンタープライズのエグゼクティブ・プロデューサーの堅達京子(げんだつきょうこ)氏がSDGsの解説も交えつつ、イベントの説明を行いました。

「SDGsは一言でいうと、『みんながハッピーになること』、『すべての国、すべての人々、及びすべての部分が満たされるよう、誰一人取り残さない』という考え方。今日17あるテーマのうち『つくる責任、つかう責任』をテーマに廃材アートを作っていただきます。今日はみなさん、一人ひとりが自分のやりかたで、自分らしく好きなように作品を作ってもらいたいです」

堅達氏からの「SDGsを知っていますか?」という問いかけに、たくさんの子どもたちが手を挙げて応えます。3日間のイベントすべてに参加しているご家族もいらっしゃり、SDGsについて勉強できたと感じるお子さまも多いようです。

廃材を通してテレビ制作の裏側を知る

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続いて、NHKアートのディレクター・小田貴政氏によって、今回のイベントで扱う廃材がテレビ番組のなかでどのように使われているのか、レクチャーが行われました。

NHKアートは、NHKグループとして、番組に使われる美術・衣装・小道具などあらゆる制作にかかわるほか、東京・渋谷にあるNHKホールなどの運営管理も行っています。これまで携わっているテレビ番組を事例にあげながら、廃材に関する知識を学びます。

例えば、音楽番組で使われるのがキラキラした大粒のビーズたち。少し揺らすとバラバラと音を立てながら動きを見せ、ステージを華やかに盛り上げるために使われています。また、廃材として特に多く出てきてしまうのが木材です。今回は時代劇のドラマのセットを作るときに出てくる端材を持ってきていただきました。サイズ感や質感もそれぞれでバラエティに富んでいます。ほかには、番組収録のときに床に引いて使われるアクリル板など、普段はなかなか見ることができない、手に入れることの難しい素材が盛りだくさん。変わったものとしては、番組セットのデザインの参考として使われていたサンプルなども素材としてお持ちいただきました。

「最近は、LEDの大型映像を中心にしたセットや、すべてデジタルのバーチャルセット、リアルセットにグラフィックなどを投影するケースなど、表現の幅が広がっています」(小田氏)

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実は、「消えもの」と呼ばれる食事に関わるシーンの制作でも、NHKアートの皆さんが活躍しています。今回は、りんごを梱包している素材が、テレビの収録から出てきた廃材リストとしてあげられました。
アナログから、最先端のテクノロジーを活かしたものまで、これまで積み重ねてきた知見と技術を駆使して番組が作られています。テレビの裏側のお話は大人にとっても興味深いことばかり。保護者の皆様も楽しそうにお話に耳を傾けました。

「テレビ番組の美術をつくる上では、どうしても廃材や端材が出てしまいます。モノを作り上げるうえで仕方がないことですが、だからこそ、環境に負荷の少ないサステイナブル素材を使うことはできないかなどの調査研究を、私たちも会社全体で取り組んでいます。まずは小さなところから実践していきたいですね」(小田氏)

子どもたちも、使いたい素材についても少しずつ決まってきたようです。

 自由な発想で廃材アートづくりを楽しむ

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廃材がどのように出てくるのか学んだあとは、さっそく工作の時間です。会場前方に並べられた素材を取るために、全員が思い思いに動き始めます。お目当ての素材がある、いろいろ見ながら決めたい、などそれぞれの方針に沿って廃材を吟味し、両手に抱えて席に持ち帰ります。

今回のイベントでのSDGsのテーマとなるのは、「つくる責任 つかう責任」。持続可能な生産状態を確保することを目指し、少ない資源でより多く、より質の高いものをつくることを考えるというものです。本来の役目を果たした素材にどんな新しい役割が与えられるのでしょうか。

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この日のイベントに携わるスタッフは、テレビ制作の現場の第一線に携わり、デザイナーやプロデューサー、ディレクターとして活躍されているプロばかり。素材選びの説明を行うほか、それぞれのテーブルを回りながら、「何を作る予定ですか?」と話しかけながら、制作のサポートも行いました。

また、会場後方には、安全第一で作業を行うための工作スペースが設けられました。ノコギリやグルーガンなどを準備して、木材などの資材に穴をあける、素材を接着させるといった作業を進めます。ひっきりなしに子供たちが訪れ、「ここをくっつけたい」「素材のはしを切り落としてほしい」と要望を伝えます。
作業の後半になると、最後の仕上げに向けて、長蛇の列ができていました。

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ご家族の皆様も、お子様にすべてを任せてサポートを行ったり、繊細な細工をはりきって行ったりと、アート制作への取り組み方はそれぞれです。
1時間半という、長時間に渡る作業でしたが、子どもも大人も、作品づくりに夢中。小田氏の「作業を終了してください」という掛け声に、会場からは「あっという間だった」「もう少し時間が欲しい」という声も出てくるほど楽しんでいました。

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最後に、参加者が2グループに分けて、作品を鑑賞する発表会が設けられました。各テーブルを回って、廃材アートを見て回ります。アイデアも手法も多種多様で、それぞれの個性が見えてきます。

綿を敷き詰めてクッションのような柔らかさ・質感を出したり、きらめくスパンコールでアクセントをつけたりと、素材にこだわりを見せている作品。複数個のコルクを並べて小さな人形を作る、本物そっくりの駅のモチーフを作るといった、世界観にこだわりのあるものも見られました。なかには動く仕掛けが施されたものもあり、「この方法は考えつかなかった」と驚きの声も上がりました。

また、「SDGsを勉強したので、テーマを作品に盛り込みました」という声もありました。17の目標のアイコンカラーを入れ込みカラフルな仕上がりで、イベントに絡めたアートを完成させる発想力と行動力に周りの大人も感嘆していました。

じっくりと作品づくりに向き合うことができ、子どもたちも大満足の様子。「好きなものをつくりました」と、持参したぬいぐるみにそっくりのアートを楽しそうに見せる様子や、「親戚が飼っている犬を作りました。ふわふわした質にこだわりました」と、作品のポイントを明確にお伝えしてもらいました。

また、参加いただいた保護者の方からも「幼稚園や小学校でも工作をする機会はありますが、ここまで素材を揃えることは難しいです。子どももいつもより生き生きと楽しそう」 「SNSでイベントが行われることを知りました。1日目、2日目がすでに満員となっていたので3日目に参加できて良かったです。広いスペースを使って、工具も揃っているので大人も夢中になってしまいました」「普段見ているテレビを作るために、裏でこんな仕掛けがつくられているのですね。違った目線からもテレビを見ることができそうです」など、普段とは異なる環境で、のびのびとアート制作に取り組めたという感想をいただきました。

 「つくる責任 つかう責任」で大切なのは一人ひとりの心がけ

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今回のイベントは、NHKの番組を彩るために制作される美術セットの製作過程で出てくる端材を「アートを作る」ことで再利用し、その価値をよみがえさせることで、楽しく手を動かしながらSDGsの目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」についても考える場となりました。

イベントの最後に、堅達氏がイベントのまとめを行いました。プラスチックのゴミが流れ着き泳ぐことができなくなってしまった海の写真がスクリーンに投影されます。これまで、プラスチックゴミを廃棄してきたことが積もりに積もって、環境にも影響を及ぼしているのです。

「このような状況を少しずつ変えていくため、廃材として捨てられてしまう素材を何度も使うことで、世の中の役に立つことができます。皆さんが使った素材のなかにもプラスチックが入っていますね。プラスチックを使う機会を減らし、たくさんのゴミが出てこないように、マイボトルやマイバッグを使うことなど、できることからぜひ頑張ってほしいなと思います。今日は皆さん、本当にお疲れさまでした」(堅達氏)

堅達氏からは、地球が抱えている問題はあるものの、一人ひとりが少しでもゴミに関する意識を変えていくことで、今の状況は変えられる。今から意識して変えていきたいという思いが伝えられました。「みなさんの作品がどれも素敵で感動しました」という言葉に、会場には拍手が起こりました。

イベント全般を見守っていた小田氏も、「子どもたちが楽しそうに作業をしていて何よりでした」と胸をなでおろしました。

本来であれば捨てられてしまうはずの廃棄物に、デザインやアイデアを付け加え、手を施し、新たな付加価値を付けることを「アップサイクル」といいます。「リサイクル」は、廃材を原料に戻す工程でエネルギーが使われますが、「アップサイクル」は、廃材のそのままの形をいかすため、環境への負荷を抑えることができます。

今日のイベントを通して、参加者の皆さんは、まさに、廃材を楽しい作品に生まれ変わらせる「アップサイクル」を経験しました。広い机をいっぱいに使いながら頭を柔らかに、想像力を働かせる機会を楽しんでいただけました。

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また、3×3Lab Futureにおいて、今回のイベントと同時に行われた『忍たまと一緒にSDGsパネル展』も好評でした。「マイバッグ・マイボトルを持ち歩こう」など、イベントの中でも話にのぼったSDGsチャレンジには子どもたちも興味津々。クイズコーナーでは、全問正解者も続出し、SDGsについて楽しく学ぶ姿が見られました。キャラクターのパネルと一緒に記念撮影を行うなど、ゴールデンウィーク中の思い出づくりにもなったようです。

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