イベント環境プロジェクト・レポート

【レポート】子どもは泥アート、大人は植物観察。早春を感じる親子同時プログラム

大丸有シゼンノコパン「都会の野の、ちょっと早い春を『視る』」2023年3月4日(土)開催

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大丸有(大手町・丸の内・有楽町エリア)の自然を通じ、人と自然、人と人がつながり、新しいコトを見つけるネイチャープログラム「大丸有シゼンノコパン」。2023年3月4日は大手門タワー・ENEOSビル1階の3×3Lab Futureとその周辺を会場に「都会の野の、ちょっと早い春を『視る』」と題し、子どもは泥アート、大人は植物観察をテーマに2つのプログラムを同時に開催しました。子どもと大人向けのプログラムを分けて同時に実施するのは初めて。子どもも大人も楽しく充実した時間になったようです。

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大人向けプログラム「植物たちの"春の気配"を見つけましょ♪」

大人向けプログラム
「植物たちの"春の気配"を見つけましょ♪」

大人向けは、「植物たちの"春の気配"を見つけましょ♪」と題するプログラム。3×3Lab Futureの周囲を歩き、その植生を学んでいきます。ゲストは、植物観察家で植物生態写真家の鈴木純さん。

image_event_230304.002.jpegみんなで熱心に植物観察

始めは、葉っぱの個性を探ります。例えば、葉の周縁にあるギザギザ「鋸歯(きょし)」に着目。クスノキであれば、鋸歯はなく、葉の縁は波打っていて葉身を茎に付着させる葉柄(ようへい)が長い。クスノキの葉に似たソヨゴの葉との比較も。鋸歯の丸いマンリョウ、鋸歯があるようでないヒラドツツジ......。参加者たちは、鈴木さんのレクチャーに熱心に耳を傾けながら、葉っぱを細部までしっかりと観察していました。

image_event_230304.003.jpegマンリョウの葉っぱの特徴を学びます

葉っぱの形の次は、植物の生き方をフィーチャー。まだ寒さの残る季節なので、茎を高くしないで放射状に草を出している植物を見たり、ちょうど芽吹き出した葉っぱや花の芽を観察したり、虫など他の生き物とのつながりを学んだり。最後に観察したハランは、高いところではなく、地面の近くに花を咲かせます。何でも、キノコバエを誘うために、キノコに擬態している可能性も考えられるそうです。

「花によってもいろんな"作戦"があります。『何でこんなふうに咲いているんだろう』など、ただただ考えてみることも大事です。普段からそんなふうに植物を見てほしいと思います」と鈴木さんは振り返りました。

image_event_230304.004.jpeg大人向けプログラムのゲストで植物観察家の鈴木さん

黒土と赤土で泥染スタート

子ども向けは、kidsアートプログラム「土で楽しむアート」を3×3 Lab Futureで実施。ゲストは鍛金作家でアート・コミュニケータの安部田そらのさんで、土を使った「泥染」にチャレンジしました。

「今日は2種類の土を使って、みんなとたくさん遊びたいと思います」

こんな安部田さんの呼び掛けで始まったプログラム。集まった子どもたちは、2種類の土にすでに興味津々です。まずは、その土を触ることからスタート。「湿ってる」「ベトベトしてる」「畑にある土みたい」など、子どもたちは土の感触を次々に表現していました。用意したのは、黒土と赤土。いずれも東京都内にある土で、黒土は大丸有エリアにもあるもので、赤土は小笠原諸島の父島のものを使用しました。

image_event_230304.005.jpegkidsアートプログラムのゲスト安部田さん。写真左が赤土、右が黒土

次は、染める布。綿100%のさらしを使用しましたが、あるモノを染み込ませています。「どんなにおいか嗅いでみて」と安部田さん。「キウイ!」「竹!」「ブロッコリー!」――、子どもたちの元気な声が響きます。正解は、豆乳。豆乳のたんぱく質を布にまとわせることで、よく染まるようになるそうです。

いよいよ、制作の時間。机に用意された▽輪ゴム▽割り箸▽木製へら▽洗濯ばさみ▽ペットボトルのキャップ――などを使って、模様をイメージしながら布を挟んだりギュッと縛ったりしていきます。ポイントは、泥水が入らないようにしっかり固く縛ること。そうすることで、模様がくっきりとつくようになります。試行錯誤しながら、子どもたちはみんな真剣に作業を進めていきます。

image_event_230304.006.jpeg模様をつけるためにみんな一生懸命

模様をつける準備が整った後は、泥水に浸してもみもみタイム。きれいな布を泥水に押し込む貴重な経験に、楽しそうに笑ったり、ちょっと不安そうな面持ちだったりと、子どもたちのいろいろな表情も見られました。kidsプログラムを運営した「トリプター」("身近な自然"をテーマにイベント、ワークショップの企画・運営をしている任意団体)のスタッフに、浸した布をしっかりともみ込んでもらいます。

image_event_230304.007.jpeg泥水に布をグイグイ押し込みます

早春をテーマに泥でお絵描き

泥水に浸している間は、泥を使ったお絵描きの時間。泥水を作るために、こして残った土を使い、早春をテーマに大きな1枚の紙に子どもたちみんなで絵を描きました。

「春の植物を描くのも良いな。土の中にいる生き物が『あ~、春だ~』って、目を覚ます時期でもあるよね。土の中で春を待っている生き物も想像して描いてほしいな」と安部田さん。子どもたちは手にたくさん泥をつけながら、白い紙にどんどん"早春"を描き込んでいきます。あまりない経験に、みんなすごく楽しそう。瞬く間に、泥による素敵な早春の絵が出来上がりました。

image_event_230304.008.jpeg泥染の待ち時間に、泥でお絵描きタイム

そうこうしているうちに、浸した布を取り出し、洗う時間に。子どもたちはいっせいに走って会場の外へ。水をためた3つのバケツで順番に洗い、布の泥を落としていきます。みんなでバケツに手を突っ込み、子どもたちの笑顔があふれます。洗った後は、洗濯ばさみや縛った輪ゴムなどを取り外して室内のロープに干し、後は乾くのを待つだけ。どんな模様が浮き上がるかちょっとドキドキです。

image_event_230304.009.jpeg泥を3回に分けて水洗い

布を干している間は、さっき描いた絵をみんなで囲んで、想像をさらに膨らます時間に。他の子が描いた絵を見て、何を描いたかを話し合いました。

「地面から生えてきたタンポポ」「こっちは綿毛だ!」「ウサギみたいな動物が椅子に見える」「グルグルなっているのが、風みたい。ちょっとポカポカした風に感じる」――。感受性豊かな子どもたち。早春の泥の絵は、大人の想像をはるかに超えて、その"物語"を色彩豊かに広げていきました。

image_event_230304.010.jpeg他の子どもが描いた絵に想像を膨らませます

泥染は家でもできる

 最後は、大人が子どものプログラムに合流。子どもたちが描いた泥の絵を見つつ、安部田さんから家での泥染方法の説明がありました。▽布に豆乳を染み込ませる際にはジップロックに入れて15分ぐらいもむ▽泥水は水1~2に対して土1の割合にして、できれば1日おいてからざるでこす▽染める時に1回目は赤土、2回目に黒土などブレンドしても良い――など、コツを教えてもらいました。

image_event_230304.011.jpegロープに干している完成間近の泥染

鈴木さんは、「植物を見ることに関しては、大人よりも子どもの方がすごい能力を持っています。子どもは、『これはアセビだね。こっちはツワブキだね』と言っているだけで、勝手に覚えてしまいます。大人は葉っぱにはギザギザした鋸歯があるなど、理屈をつけないとなかなか覚えられないようです。今日は大人が子どもに追いつけるようにしたいと考えていました。参加したお父さん、お母さんはちょっと子どもたちに近づけたと思いますので、(子どもたちは)確かめてあげてください」と語りました。

プログラムが終わり、子どもたちは勢いよく泥染をロープから取り、その模様を見てみんなうれしそうでした。「泥染を体験できて、すごく楽しかった。輪ゴムでいっぱい縛ったのが特に楽しかった」と笑顔の男の子。大人向けプログラムに参加したお父さんは、「大人だけの教育コンテンツは意外と少ない。子どもと共通の話題になりそうなテーマを大人側に提供いただきつつ、子どもは子どもの時間があって、すごく有り難いと思いました。また参加したいです」と話しました。

 

image_event_230304.012.jpeg泥染はこんな模様になりました

早春に泥や植物とともに子どもも大人もそれぞれ充実の時間となった今回の両プログラム。エコッツェリア協会は今後も大丸有シゼンノコパンを定期的に開催する予定です。ぜひご参加ください。

image_event_230304.013.jpeg

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