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【レポート】NPOと企業のつながりが、未来を創る

岩手からはじまるふるさと発信型ビジネス創出  第2回「岩手NPO×東京交流会」2月25日開催

岩手NPOと在京企業の結びつきを生む

岩手県のNPOと、ゆかりのある都内の企業人らが交流する「岩手からはじまるふるさと発信型ビジネス創出 岩手NPO×東京交流会」。その第2回が、2月25日に開催されました。

今回も岩手県の主催で行われ、参加したNPOは15団体。在京企業の関係者も50名ほど集まり、会場はほぼ満席となりました。震災復興が新たな局面を迎え、県内のNPO法人の、活躍の場は広がっています。在京企業との連携から、さらなる可能性が生まれることが期待されます。

内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長の間宮淑夫氏まず、来賓あいさつに立ったのは、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長の間宮淑夫氏。「同様のイベントで、これだけ座席が埋まるものはあまりない」と会場の熱気に驚いていました。間宮氏は地方創生においてNPOによせる期待を述べ「NPOにしかできないことを自由な発想で行ってほしい。そこに企業のサポートがあれば、1+1が3にも4にもなる。地元密着活動からソーシャルイノベーションが生まれることで地方創生が成る。国もサポートを進めていく」と語りました。

環境生活部若者女性協働推進室NPO・文化国際課長の吉田真二氏続いては、主催する岩手県より、環境生活部若者女性協働推進室NPO・文化国際課長の吉田真二氏が登壇し、震災後5年経った現在の復興状況などの報告がありました。震災を機に若者のUターンや移住者が徐々に増えつつあるというポジティブなニュースも紹介され、「さらに若者を増やすための取り組みに力を入れていく」と語りました。今回のイベントに関しては「例えば岩手NPOの活動と在京企業のCSR活動のマッチングなど、つながることで互いにwin-winとなれる関係がきっとある。時間の許す限り、岩手のNPOを知っていだだきたい」とその目的を述べました。

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NPOが語る、被災地の課題

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そしてここで岩手県NPOが登壇し、各団体の活動の紹介と、在京企業に期待することなどをショートピッチでアピールしました。登壇NPOとその内容を、簡単に紹介します。

各団体の熱意あふれるショートピッチが続いたあとは、その熱気のままに名刺交換会が行われました。

地域支援事業を手掛ける在京の財団法人の理事は、「現地で今、何が必要とされているかを知るために参加した。人材不足解消や仕事の創造につながる新たなビジネスモデルを見つけるきっかけになれば」と話しました。IT業界からの参加者も「今後、岩手で事業を展開するにあたり、まずは現地の考えを知りたくて来た。支援ではなくビジネスとしてのつながりを作りたい」と語るなど、CSRなどに基づいた支援といった観点よりも、互いを高め合うビジネスの種を探して来場した参加者が目立ちました。

名刺交換会では、NPO同士や在京企業同士での交換も活発に行われていた

その後は、岩手にゆかりのあるアカペラユニット「XuXu(シュシュ)」によるライブが行われ、会場はさらに盛り上がりました。

そして、ここで飛び入りのサプライズがありました。第1回交流会に参加したNPO「岩手わかすフェス実行委員会」が登壇し、「前回の交流会での出会いにより、目標に掲げていた200万円の資金調達を実現して無事イベントを開催できました」という報告と、感謝の言葉を述べました。それを受け、他の岩手NPOからは、ひときわ大きな拍手が送られました。

地方創生には、発信力のあるプラットフォームが必要

最後の登壇者は、株式会社伊藤園の笹谷秀光氏。「地方創生・日本創生にビジネスの力を-新時代に問われる協創力-」というテーマでの講演がありました。

笹谷氏は、伊藤園の茶産地育成事業に見る地方創生の在り方や、福井県鯖江市の地域おこしの取り組みなどについて分析し、「地域に根付いたものを組み合わせ、パッケージとして打ち出していくのがポイント」と話しました。また、今後については「産官学だけではなく、金(金融機関)、労(労働団体)、言(メディア)の連携が必要。そこにNPOも加わり、協働するためのプラットフォームを増やすとともに、プラットフォーム自体の発信力もつけていかねばならない」として「この交流会が、明日につながるヒントがつかめる機会となるよう、願っています」と締めくくりました。

株式会社伊藤園の笹谷秀光氏

「支援」から「協働」へ―――。自立への歩みを進める岩手県のNPOと、ビジネスパートナーを探す企業が、互いの特性を生かし合い継続的に事業を行っていけば、震災復興の進展はもちろん、今後の地方創生のモデルケースとなることもできます。その可能性が大いに感じられる、交流会となりました。


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