イベント丸の内プラチナ大学・レポート

【レポート】いざ、文化&観光資源の宝庫「笠間」へ ~魅力&課題発見の旅~

丸の内プラチナ大学逆参勤交代コース 茨城県笠間市フィールドワーク(2018年8月23日~26日開催)

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7月18日に3×3LabFutureで始まった2018年度丸の内プラチナ大学の「逆参勤交代コース」。「逆参勤交代」とは、地方での期間限定型リモートワークで、働き方改革と地方創生の同時実現を目指す構想のことで、本講座では3つの市町村をケースに課題や挑戦を学び、個人のライフスタイル、企業のビジネスと健康経営、地方の活性化の三方一両得を実現することを目指しています。そのフィールドワーク第2弾として、今回訪れたのは、自然豊かな中に芸術と文化が溢れるまち、茨城県笠間市。まちの魅力や課題を存分に体感すべく、濃密なスケジュールで実施された3泊4日のツアーは、受講生たちがこれからの働き方や真の地方創生について考える貴重な体験となりました。

1日目
笠間クラインガルデン―オリエンテーション―栗圃場―農業生産法人(有)ナガタフーズ―農業生産法人(株)ヴァレンチア―筑波海軍航空隊記念館―グランパとグランマのお店

2日目
磯蔵酒造―石切山脈―セーフティショップおおしま―森の石窯パン屋さん―笠間工芸の丘―笠間稲荷神社―WASUGAZEN

3日目
振り返り・課題解決プラン発表に向けた準備―リフレッシュ・フィールドワーク―地域交流センターともべ Tomoa―俺厨房Hige Boss

4日目
笠間市役所(課題解決プランまとめ・プレゼンテーション準備~プレゼンテーション)―笠間工芸の丘(ロクロ体験)

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笠間の魅力&課題発見の旅へ

笠間の魅力&課題発見の旅へ

東京から電車で1時間ほどの距離にある笠間市。JR友部駅はその玄関口のひとつで、常磐線と水戸線の2路線が乗り入れています。9時40分、笠間市役所の職員の方たちが、友部駅北口に集合した一行を車で迎えてくださり、3泊4日のフィールドワークがスタート。車窓を流れる田園風景を楽しみながら、最初の目的地である「笠間クラインガルデン」へと到着しました。

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クラインガルデンは、約200年の歴史をもつドイツ発祥の農地の賃借制度で、日本では滞在型農園として知られています。平成13年(2001年)に開業した笠間クラインガルデンは、全国で4番目、関東では初の本格的な滞在型市民農園です。

1区画300平米の土地には、「ラウベ」という小屋(バンガロー的な簡易宿泊施設)と農地があり、敷地内には全50軒のラウベがあります。施設内にはクラブハウスをはじめ、ジャム作りやそば打ちなどを行える調理室など、さまざまな活動を支援するスペースのほか、有機農業を指導するサポート体制もあり、利用者は、他の利用者や地域の人々と交流しながら野菜や草花を栽培し、田舎暮らしを満喫できる環境に恵まれています。

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今回、受講生が宿泊したのは、緑豊かな農園の一角に建つクラインガルデンのゲストハウス。チェックインを済ませたあと、一同はクラブハウスに集合し、本コースの講師を務める松田智生氏(三菱総合研究所)の進行のもと、早速オリエンテーションが行われました。

「笠間市とは4、5年前から交流を深めてまいりました。東京からのアクセスが良く、焼き物、石材業、栗など、多様な産物に恵まれた街である一方、解決すべき課題が多いことも知り、逆参勤交代トライアルのケーススタディのひとつに選びました。さまざまなフィールドワークを通して、笠間市の特徴や魅力、抱える課題を発見し、もっと元気なまちづくりのためのプラン提案に向けて進めていきたいと思います」(松田氏)

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次に、笠間市 市長公室 企画政策課 課長の北野高史氏から、笠間市の立地や人口概況、現在の取り組みなどについての説明が行われました。茨城県央に位置する笠間市は、200軒以上の窯元や陶芸家が一堂に集まる陶器の祭典「笠間の陶炎祭」をはじめ、"日本のオルセー"と称するファンもいる「笠間日動美術館」や、近年、絶景スポットとして話題を集めている「石切山脈」など、独自の文化や芸術、そして豊かな自然が共存するまちです。

伝統産業や観光資源も豊富で、年間約352万人の観光客が訪れる一方、「人口は多くの自治体と同じく減少傾向にあり、現在約7万6000人」で、高齢化が局所的に進んでいる友部市では、コミュニティそのものの存続が懸念されていますが、同時に、笠間に思いを持つ方が外部から移住してくるという現象も起きています。

「多くの地方都市と同じ課題ですが、ここ十数年は、人口減少を抑制すると共に、人口構造の変化に対応したまちづくりへの取り組みに力を注いでまいりました」(北野氏)

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笠間市の観光の中核を担うのが、笠間稲荷周辺エリア。北野氏によると、最盛期の1985年ごろには、100名ほどの芸妓さんがいて賑わいを見せていましたが、近年では少数となっています。その一方、地元の若者たちが中心となって開催される「門前ビアガーデン」や、土蔵をリノベーションした「庭カフェKULA」など、新たなまちづくりの動きも始まっています。

笠間市が取り組んでいる都市計画には、立地適正化・景観形成や「道の駅」整備の推進、「地域医療センターかさま」での医療・保健・福祉の連携強化など、多岐に渡ります。少子高齢化の進展や人口減少社会の到来を受け、大きな問題となっている空家や空地の増加については、空家・空地バンク制度の推進を図っていくほか、空家解体撤去補助金など、実効性のある施策を展開しています。

北野氏は最後に、「今回の逆参勤交代トライアルでは、皆さんにご提案をいただくだけでなく、それを参加した皆さんとともに実行・実現するための第一歩となるよう、取り組んでいきたい」と力強く語りました。

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続いて登壇したのは、一般財団法人 笠間市農業公社 総務課長兼販売課長 深澤充氏。笠間市の栗農業の現状についての解説が行われました。

「栗の栽培面積は日本一ですが、現状、生産量は日本一ではありません。栽培面積も生産量も、そしてブランド力も日本一を目指していこうと、昨年から本格的な取り組みを始めています」(深澤氏)

農林業センサスの統計によると、平成18年に819ヘクタールあった笠間市の栽培面積は、平成27年には564ヘクタールに、経営体数も平成18年から平成22年にかけて、845件から823件へと減少してはいるものの、平成27年には87件の増加があり、現在910件が栗の栽培を行っています。

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「日本一を目指すためにも、やはり農地を守っていくことが最優先。笠間市にある3693ヘクタールの農地のうち、約15%が栗畑ですが、従事者の高齢化などによる耕作放棄地の問題は、その他の自治体と同様にやはり否めません。そこで、市の広報誌を通じて、遊休農地になっている畑を募集してみたところ、20ヘクタール以上の栗畑の応募があり、それらの中から厳選した畑は、平成28年度より、栗生産拡大事業における地方創生応援税制(ふるさと納税)を活用し、弊社の委託事業として管理を行っています」

農業公社は、昨年までに14.5ヘクタールの畑を管理してきましたが、草刈りから木の剪定、栗拾いに至るまで、メインで稼働しているのはたった2名の臨時作業員。職員たちも一緒になって手伝っているのが現状です。

image_platinukasama1009-09.jpegガルテナーの石川さん(左)と三橋さん

オリエンテーションの最後に登壇したのは、「ガルテナー」と呼ばれるクラインガルデンの居住者のお二人。ガルテナー歴4年目の石川さんと2年目の三橋さんを囲んで、さまざまな質問が投げかけられました。日本全国に約70ヶ所のクラインガルデンがある中、笠間市を選んだ理由についてこう語ります。

「東京での仕事を辞めることが決まった頃、笠間市にクラインガルデンがあることを知りました。これから自分の時間はたっぷりある。家庭菜園は20年以上前からやっていましたし、これは良い機会だと思って入居を決めました」(石川さん)

一方、会社員時代から、田舎暮らしに憧れていた三橋さん。しかし農業の経験もなく、本当に自分に合うのかどうかもまだ分からない。当初は、自宅のある横浜市から通うことを前提に、"第二の生活の拠点"を探していたそうです。

「有楽町のふるさと回帰支援センターで、初めてクラインガルデンのことを知り、茨城県と千葉県が候補に上がったのですが、主人の"勘"で茨城県に決めました。県内には、八千代市にもありましたが、笠間市の方が、自由度が高い印象を受けました。農機具の無料貸し出しなど、イニシャルコストの面で抑えられた点も魅力的でしたね」(三橋さん)

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「クラインガルデンの農園で作った野菜の行方は?」という質問については、「ここで食べたり、埼玉に持って帰って家族で食べたりしています。私はどちらかというと、種を蒔くところから、野菜が成長していく過程が好きですね」(石川さん)

「常時20~30種類のさまざまな野菜を作っていて、前職の上司や同僚などに送っています。最近、笠間の飲食店でアルバイトを始めたのですが、たくさん作った野菜はお店に持っていったり、直売所に置かせていただいたりしています。地域の方々は垣根を作らず、非常に温かく迎えてくださいます。おかげさまで楽しい毎日を過ごせています」(三橋さん)

ガルテナー同士や地域の人々との交流も盛んで、野菜や種を物々交換したり、自分たちで作った野菜や釣って魚を料理して、飲み会を開くこともしばしばなのだそうです。

image_platinukasama1009-11.jpeg その後、クラインガルデン内にある「そば処 結の庵」で昼食。笠間産の常陸秋そばを使った本格的な手打ちそばと、笠間焼の豆皿に好きな野菜を取り分けて食べる「マメザラバイキング」を市役所の職員やガルテナーの方たちと一緒にいただきました。

栗、大根のつま、有機野菜。笠間の「農業」の今を知る

お腹を満たしたあとは、いよいよフィールドワークへ。肥沃な平野部で、稲作、野菜、果樹、畜産業など多様な農業が展開されている笠間市。その実態を知るべく、栗圃場と2名の農業従事者を訪ねました。

一品種で収穫時期が2~3週間と短く、収穫量の限られている栗。そのため、笠間市では、9月初旬から10月下旬まで、収穫期の異なる複数の品種を栽培し、安定した生産量を保つ取り組みがなされています。収穫には少し早い8月下旬の1日でしたが、割れたイガから熟した栗の実がそこかしこに顔を出していて、受講生たちは、夢中になって栗拾いを楽しんでいました。

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「これまで笠間の栗は、加工食品などの原材料として提供することが多く、日本一の栽培面積を誇りながらも、全国的な知名度は低かった」と笠間市農業公社の深澤氏。そこで、「笠間の栗」としての認知度を高めていくために、昨年からさまざまな取り組みが行われています。JR東日本グループの「地域再発見プロジェクト」では、東京、上野などの主要駅で、映像やポスターを使った大々的なプロモーションが行われ、笠間の栗を使ったマロンパイやおむすびなどの食品を計22店舗の飲食店で販売。そのほか、栗まんじゅうなどの加工品の開発や保存技術の研究なども進められています。今後は、新規就農者や販売先の確保やブランド化による取引額の改善などの課題に取り組んでいく予定です。

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次に向かったのは、農業生産法人 有限会社ナガタフーズ。刺し身の「つま」をはじめ、業務用の大根おろしやドレッシングなど、自社及び契約農家で栽培した大根を原料に、収穫から加工までのプロセスを一貫して行っています。同社代表を務める父・永田良夫氏と共に工場運営の舵を取りながら、大根の生産から製品開発、販売、運送に至るまでオールマイティにこなしているのが、永田修一氏。

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同社は元々、大根やさつまいも、かぼちゃ、里芋、にんじんなどの野菜を生産する農家でしたが、30年ほど前から、つまと干しいもの産業化を本格的にスタート。卸先は、水戸市の魚市場に始まり、秋田県、山形県、新潟県、長野県、関東全域にまで広がり、現在は年間7000トンの大根をつまに加工しています。

「おかげさまで、ここ数年、営業せずとも注文数は増えているのですが、人手不足の問題が深刻化しています。主力のパートさんは、60代が中心で、70代も2名います。夜中の2時、3時に電話がかかってきて、出荷日の当日に数量が決まるうえ、つまは冷蔵品のため、作り置きができません。もし私が動けなくなったら、誰が電話に対応するのか、それが今一番の心配ごとです」(永田氏)

永田氏の発案により開発された「すいーとぽてと」などの菓子類も、同社の主力製品です。大手スーパーで販売しているほか、現在はシンガポールにも輸出しているのだそう。

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最大の課題について尋ねると、人手不足の話が再び上がりました。「つまは、365日稼働体制で生産しなくてはならず、繁忙期にあたる"盆・暮れ・正月に出勤できる人"というのが、弊社の入社面接の重要事項のひとつ。ちょうど学校給食のパートさんの休みの時期と重なるので、手伝いに来てもらうこともありますが、全体としては、生産が追いついておらず、お断りする案件も多いのが現状です」(永田氏)

夏休みや冬休みなどを利用した期間限定のお手伝い、あるいは、週に2~3日でも、夜中の電話を代わりに取ってくれる人がいたら、「大変ありがたい」と永田氏。ディスカッションの後は、加工前の大根を保存する巨大冷蔵庫など、工場内を見学。帰り際、同社のオリジナルドレッシング「大根百笑」をお土産にいただき、受講生たちは嬉々としていました。

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続いて、農業生産法人 株式会社ヴァレンチアへ。同社代表取締役の池之上 透氏は、IT業界で起業し、四半世紀以上その分野で活躍したのち、2010年に農業で独立したという異例の経歴の持ち主。鹿児島県出身の両親が、黒豚、黒牛などのブランド豚・牛の生産を行う姿を見て育ち、「幼い頃から、農業もやり方によっては十分に食べていけると思っていた」と話します。

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農薬や化学肥料などを使わず、自然の力で生産された農産物である証「有機JAS認証」と、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる日本初の認証制度「JGAP」を2012年に取得し、ほうれん草と小松菜を生産しています。現在、都内の主要卸先は、スーパーマーケット成城石井や5つ星ホテルのシェラトンなどで、ヨドバシカメラでの通信販売も好調だそうですが、驚くことに、販路開拓や販売の管理、営業などは、池之上氏自らが行っていると言います。

「直接取引していると、一番大事なエンドユーザーの声が耳に入ってきます。特に苦情が来た時は、チャンス。人間、怒っている時ほど、こちらの話も本気で聞いてくれますから、逆にそれを利用して売り込みをかけることもあります」(池之上氏)

独立した当初は、笠間市で土地を借りるのにも苦労したそうですが、「好きなことをやっているから、辛いことが逆に面白い」と池之上氏は満面の笑顔で話します。

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「笠間で起業して良かったことは、やっぱり水ですね。ここは江戸時代から水が渇れたことがない。水質検査でも完璧な数値を出します。当社では、その良い水に恵まれた土地をさらに100メートル掘ったところから湧き出る良質な水を使って作物を作っています」(池之上氏)

一番の課題は「ゴミ」。無農薬で作物を栽培していると、畑の虫や草にやられてしまうので、夏の間は地面にビニールを張って熱中消毒を行うのだそう。ところが、広大な畑の全面積に張らなくてはならないため、膨大な量の廃棄資材が出てしまうのです。

「これを捨てるのが大変なんですね。高額なコストがかかりますし、処分の方法についても報告の義務がありますから、とにかく困っています。年に2回ほど、市の方で回収してくれるのですが、きれいに洗って、畳んだ状態でないと引き取ってもらえません。廃棄資材をいかに効率的に処理していくかは、今後の課題です」(池之上氏)

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笠間を盛り上げるまちづくりの仕掛け人たち

次に訪れたのは、百田尚樹氏のベストセラー小説「永遠の0」の映画化にあたって、ロケ地として使われた「筑波海軍航空隊記念館」。代表を務める金澤大介氏にお話を伺いました。

金澤氏は、記念館に隣接する旧筑波海軍航空隊の司令部庁舎の取り壊しが決まった時、「当時を伝える稀少な戦争史跡をなんとかして残したいので、撤回させてほしい」と立ち上がり、筑波海軍航空隊プロジェクト実行委員会を発足。史跡の新たな観光資源としての価値を創造し、茨城県、笠間市の観光の促進、地域の活性化につなげるために、「プロジェクト茨城 笠間市フィルムコミッション」と連動して、地元発信の映像作品の制作や、講演会や上映会など、さまざまなプロジェクトを企画・実施しています。

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(有)金澤美術の代表でもあり、「笠間市地域交流センターともべ Tomoa」や建築家・伊東豊雄氏の作品「笠間の家」の代表も兼任し、笠間のまちづくりに熱心に活動している金澤氏。笠間市出身かと思いきや、実は"ヨソモノ"だそうで、縁あってこの地に通うようになり、現在は移住されています。

ヨソモノとして苦労している(よそ者として苦労した感じたことは,お陰様でこれまでありません)のは、「"温度差"があること」。筑波海軍航空隊プロジェクトは、取り壊しが決まっていた建物をなんとかして存続させるために、映画とのタイアップ実行委員会から始まった、当初はいわば突然湧き上がった事業で、行政の重要政策としては取り上げられていませんでした。筑波海軍航空隊記念館が、終戦の日にあたる今年8月15日のNHKニュース「おはよう日本」で、次世代に戦争を継承していくモデルケースとして大きく取り上げられるなど、茨城県笠間市の重要な文化的スポットとして、注目を浴びてきているので、より広く訴求するための施策を打っていきたいが打てていないというのが現状だそうです。

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「笠間市は資源が多く、各地でさまざまなイベントも行われていて、茨城県の観光都市トップ10に入ることもよくあります。しかし逆にいうと、資源がありすぎて、分散している状態。最大の弱点は、メディアがないことです。フリーペーパーすら存在しない状態で、情報共有の唯一の手段は、限られた世代の人だけが目を通す市報です。県内外の若い世代の人たちにこのまちの魅力を伝えていくためには、やはり"メディア"での発信が必要です。まちづくりについても、戦略的に仕掛けていく"タウンプロモーション"が不可欠だと思います」(金澤氏)

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この日、最後に訪れたのは、「笠間民芸の里」にあるコミュニティカフェ「グランパとグランマのお店」。このカフェは、いくつになってもリスペクトされる"光齢者"であることを目指して、「社会貢献と自立」を主眼に2011年11月に立ち上がった「NPO法人グラウンドワーク笠間」の活動の一環としてオープンしました。受講生を迎えてくれたのは理事長の塙 茂氏とスタッフの方たち。笠間で採れた食材を使ったお手製弁当をいただきながら、話を伺いました。

NPO法人グラウンドワーク笠間の支援者88名のうち、平均年齢70歳のスタッフが30名。笠間民芸の里の全25店舗の運営を行うほか、多世代が気軽に集い、交流できる「おしゃべりサロン」の開催や、ブルーベリージャムやマロンポークなどの加工品を作る「農業6次産業化」の取り組みなど、地元の元気なシニアの方を中心に、精力的な活動を行っています。

「元気なうちは、自分以外の人のために無償の汗を流す。それが高齢者の境地だと思って活動させていただいております」とにこやかに話す塙氏。今後、1500坪の広大な敷地を持つ笠間民芸の里を大幅にリノベーションし、「まちの駅笠間宿」を立ち上げる予定だそうです。

「観光で訪れる方が、もう一度来たくなるような、ワクワクする空間にしたいと思っています。"蔵"のイメージを想定していますが、例えば、水車や足湯など、何かひとつエッジの効いたものを入れたいと考えています。良いアイデアがあれば、ぜひご提案いただきたいです」(塙氏)

骨太な地酒文化&観光客でにぎわう絶景スポット――磯蔵酒造~石切山脈

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2日目の朝一番にお邪魔したのは、今年創業150年を迎えた「磯蔵酒造」。「"こだわり"を売るのではなく、地元に誇りを持てる酒造りをすること、"味"を造ることを目指して、日々鋭意努力しております」と話すのは、五代目当代の磯貴太氏。昔ながらの寒仕込みで造られる年間7~10万本(一升瓶)の約9割は、笠間市と水戸市で飲まれており、まさに地酒の理想形ともいわれる地産地消(自産自消)を実現していますが、驚くことに、その最大の利点は、「農家の人にじかに文句が言えること」なのだそう。

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「"しょうがないなぁ。アイツが言うなら、やってやるか"と言ってもらえる関係づくりが大事なんです。私は米作りをして20年、あちらは50年。最初の5年は、真っ向からぶつかってしまい、毎日のようにケンカしていましたね。農家の人たちとの宴会には自腹を切って、芸妓さんを呼びますし、酔ったフリをして夢を語りながら、本音をぶつけることも多々あります(笑)」(磯氏)

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次に、蔵の中を見学。敷地の中央にある井戸をぐるりと囲んで、洗米を行うスペースや蒸米を行うための和釜などがあり、明治時代からまったく変えていないというすべての工程は、住み込みのスタッフによる手作業で丹念に造られていきます。

原料となる米は、9割が笠間産。山田錦や五百万石、ひたち錦などの酒造好適米なども使います。水は、蔵では「石透水」と呼ばれる石切山脈から流れる超軟水を使用。蒸し上がったお米は、しめ縄の奥にある「仕込み蔵」という酒造りの中心的空間へと運ばれていきます。

「高齢化に伴い、地元の日本酒ファンも減少の傾向にあり、日本酒を飲む新たな層も生まれてこない。このまちで商売を続けるのも、難しくなりつつあるけれど、仲間たちと一緒になって楽しく過ごすことが、一番の"まちおこし"になるんじゃないかと思っています」(磯氏)

蔵を見学した後は、「酒は人ありき」という揺るぎない信念のもと造られた磯蔵の味を試飲。朝から贅沢なほろ酔い気分を堪能した一行は、次なる目的地「石切山脈」へと向かいました。

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石切山脈は、笠間市稲田を中心に東西8km、南北6kmにわたる「御影石」の採石によって形成された石の景観。稲田は、御影石の日本一の採石量を誇るまち。"白い貴婦人"と呼ばれる気品に満ちた御影石は「稲田石」とも呼ばれています。

茨城のシンボル「茨城県庁舎」をはじめ、笠間稲荷神社前の石畳、国会議事堂、最高裁判所、東京国立博物館 表慶館のほか、昨年は、3×3 Lab Future(さんさんらぼフューチャー)にほど近い東京駅丸の内口の駅前広場に、3000枚近くの床石が敷き詰められるなど、全国各地、さまざまな用途で使われています。


この日一行をガイドしてくださったのは、現場に採石工場を持つ株式会社想石 取締役の市田洋三氏。昨年より、絶景スポットとしてメディアで取り上げられる機会が急増し、歴代最多となる年間2万5千人の観光客が訪れたそうです。

「今年も元旦からお客様が足を運んでくださいました。インスタグラムやツィッターなどのSNSでも、私たちが気づかなかったような角度や視点からご紹介いただいております」(市田氏)

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展望台の上には、稲田石を使ったアート作品がずらり。ここに展示されている作品は、著名な芸術家やグラフィックデザイナーが、稲田の石の匠とタッグを組んで制作したもので、約10年に渡り、東京・六本木の東京ミッドタウンで展示会を開催するなど、アートとの融合によるプロモーション活動も精力的に行っています。桃太郎をイメージして作られたオブジェの中に入ったり、「縄文ビーナス」と呼ばれる神秘的な作品に触れたり、受講生はみな、思い思いの野外鑑賞を楽しんでいました。

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レンタサイクルでまちに繰り出す――森の石窯パン屋さん~笠間芸術の森公園~笠間工芸の丘

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次に訪れたのは、笠間市で3代続く自転車ショップ「セーフティショップおおしま」。オーナーの大嶋繁利氏は、昨年3月に発足した「笠間自転車deまちづくり協会」を通して、自転車を活用したまちづくりに取り組んでいます。

今年9月1日には、同協会主催で初の単独イベント「フォトサイクリングin笠間」が開催されました。地図をたよりに市内を自転車で周遊し、チェックポイントでの写真撮影を楽しみながら、笠間の魅力に触れてもらうというもので、笠間市長の山口伸樹氏をはじめ、県内外から50名の参加者が集まり、大いに盛り上がりました。

「およそ80ヶ所のチェックポイントがあり、撮影するごとにポイントが加算されていき、一番ポイントを取った人が優勝というゲーム型サイクリングイベントです。約10店舗の飲食店の協力のもと、食事中のショット撮影で、ポイントを稼げる仕組みも加えました」(大嶋氏)

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今後の課題は、「自転車が走りやすく、かつ寄り道したくなる仕掛けづくり」。観光で笠間市を訪れる人々に、自転車でまちの魅力を楽しんでもらうためには、「例えば、瀬戸内しまなみ海道のように、思わず立ち寄ってみたくなるような、看板などの仕掛けが必要です。お客様からもそういった声を多くいただきます」と大嶋氏。

笠間市随一、スポーツ自転車のレンタサイクルステーションでもあるセーフティショップおおしま。トークセッションのあと、受講生たちはレンタサイクルでまちに繰り出し、笠間稲荷神社への参拝や商店街の散策など寄り道しながら、市内でのサイクリングを存分に楽しみました。

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次に向かった先は、「森の石窯パン屋さん」。オーナーの岡部雄一氏は、隣接する陶器の専門店「きらら館」の代表でもあります。生まれ故郷、水戸市の高校を卒業したのち、東京の大学に進学。大学3年の時に東京・自由が丘に「きらら館 自由が丘」を設立しました。そのかたわら、陶芸家であり、きらら館の経営も担っていた母親を手伝うため、東京と笠間を行き来しているうちに、「五感に響いてくる笠間が、どんどん好きになった」のだそう。自由が丘のお店は後輩に譲り、20年ほど暮らした東京を離れて、笠間市に戻ってきました。

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創業4年目の森の石窯パン屋さん。「笠間市で採れる多彩な食材の魅力を伝えることができて、なおかつ、このまちを訪れた人々が気軽に持ち帰ることができるものを作りたい」という岡部氏の想いから始まりました。

「パンなら、この土地で採れた野菜や果物、お米の魅力を表現できるのではないかと。小麦粉をこねるところから始まり、形を整え、焼き上がったあとは窯から取り出して装飾するという工程は、どこか焼き物と似ているし、これならできると思いましたが、実際は大変なことが多いですね」(岡部氏)

image_platinukasama1009-33.jpeg定番人気のクロワッサン(左)。カレーパンの上にある小さな"ドクロマーク"に注目。「辛党の人でも食べきれないほどの激辛味。勇気ある方はぜひお試しください(笑)」と岡部氏。

課題はここでも人手不足。冷凍生地を使えば、少人数でも作ることはできますが、粉からオリジナルで作ることにこだわる同店では、20名のスタッフがいても生産が追いつかない状態だと言います。

それもそのはず、地元の人たちが美味しいパンを求めて次々とやってくるのです。岡部氏の一番のお気に入りは、「あんパン」。残念ながら、この日はすでに売り切れでしたが、もっちりした茨城県産の小麦で作った薄い皮の中に、通常の4~5倍のあんこがたっぷり入った"幸せなあんパン"なのだそうです。

「食べ切れない!と思う方がいるかもしれませんが、これがサクサクいけるんです。上質なパン生地とあずきが絶妙なバランスで絡んでいるので、飽きが来ません」(岡部氏)

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そしてレンタサイクルで「笠間芸術の森公園」へと移動。東京ドーム11個分にあたる総面積54.6ヘクタールの公園には、「茨城県陶芸美術館」、「笠間工芸の丘」、「茨城県笠間陶芸大学校」の3つの施設があり、笠間市が誇る伝統工芸、笠間焼を"観る・体験する・学ぶ"の視点で楽しめます。

笠間焼の現状を知るべく、笠間工芸の丘 総務部 部長 統括マネージャーの岡野正人氏を訪ねました。笠間市は関東圏内で都内から一番近い焼き物の産地。笠間焼の作家は、400~500人いるとも言われており、毎年ゴールデンウィークに開催される「笠間の陶炎祭」では、200軒以上の陶芸家や窯元、地元販売店が一堂に集まり、約50万人の来客で賑わいを見せます。

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「笠間は、北関東では栃木県の益子焼と並ぶ一大産地ですが、全国的な調査では、益子焼が62%、笠間焼が21.9%と知名度はまだまだ低いのが現状です」と岡野氏は話します。

笠間焼が、全国展開に発展しない理由のひとつに、「大量生産を行っていないこと」が挙げられます。「個展を中心に作家活動している人、親の代から続く家業として家族体制で作っている人など、さまざまなケースがありますが、いずれにしても手作りが主体です。それゆえ、同じマグカップでも、持ち手の形が微妙に違っていたりして、一つひとつの作品が異なる表情を持っています。手作業ゆえの魅力でもありますが、量産するには厳しい体制であることも否めません」(岡野氏)

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「笠間焼は、特徴がない」とよく言われますが、「それもまた特徴のひとつ」と岡野氏。「これが笠間焼」とひと言で形容することは難しく、ともすると統一感がないように見えるのは、それだけ多彩な作家性に富んでいるということ。独自に編み出した方法で釉薬を調合したり、自分なりの技法を突き詰められるという意味では、非常に自由度が高く、作家にとってこれほど嬉しいことはありません。「近年は、陶芸家を目指す若い方が笠間に移住するケースも多く、伸びしろがある産業ではないかと思っています」(岡野氏)

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夕食は、「WASUGAZEN」でビール片手にポークソテーとみずみずしい地野菜の付け合わせをいただきました。濃密なスケジュールの2日間を終え、充実した様子の受講生たち。課題発見フィールドワークもいよいよ後半戦に突入です。

プレゼン構想のあとは、地元高校生との交流会へ

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3日目は、これまでの振り返りからスタート。受講生たちは、クラインガルデンのクラブハウスに集まり、「笠間の良かったと思うところは?」、「ここが課題だと思うのは、どんな点?」など、講師の松田氏が投げかけるトピックをもとに、明日に迫るプレゼンテーションに向けて、アイデア整理の準備に取り掛かりました。

「笠間焼のバラエティが実に豊富。作家性の強い作品が多かった」、「純粋に、米や野菜が美味しい」、「地元の方の個性が強い。懐が深そう」、「本物にこだわる人がいて、生産者の顔が見える製品が、まちの中で完結しているのが素晴らしい」など、笠間市の魅力に関する声が挙がった一方、「たくさん素材があるけれど、活用しきれていない印象があった」、「分散している感じがあって、まちの全体が掴みづらい」など、課題解決プランにつながる意見も多くありました。

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ディスカッションを終えたあとは、リフレッシュ・フィールドワーク。ゴッホやモネ、岸田劉生、東郷青児など、西洋、日本の巨匠が描いた絵画を中心に3千点を超えるコレクションを所蔵する「笠間日動美術館」に足を運ぶ人、オーナーさんいち押しのあんパンと激辛カレーパンを求めて、森の石窯パン屋さんに出掛ける人など、フリータイムの楽しみ方は十人十色でした。

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午後は「地域交流センターともべ Tomoa」へ。センター内にある「カフェ&キッチン ともあ」で、地元の高校生5人との交流会が行われました。

まずは、4つのグループに分かれて自己紹介。最初は誰もが恥ずかしそうにしていたのですが、すぐに打ち解けていきました。その起爆剤となったのは、講師の松田氏から"オトナ"と"ティーンエージャー"たちに交互に出されたお題の数々。「大学時代に夢中になったことは、何?」、「大学に行ったらやってみたいことは?」、「大学で学んだことは今の仕事に活かされている?」といった具合で、しかも持ち時間はたったの2、3分。ようやく本題に入ろうかという時に、タイムリミットのサインが出るなどして、大いに盛り上がりました。

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プロダクトデザイナー、イラストレーター、おもちゃコンサルタント、あるいは、民宿のオーナー。多彩な職業に就くオトナたちの話に、真剣に耳を傾ける少年少女たち。そのかたわらに、確固たる将来のビジョンを淡々と語るティーンエージャーに圧倒されるオトナの姿も見られました。

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交流会の最後に、高校生たちからもらった感想の一部をご紹介します。

「自分たちが出会ったことのないような世界の大人の方から学ばせていただき、将来のために役立てていきたいと思いました」

「自分では気づけなかった笠間ならではの魅力を話してくださり、このまちの良い部分を実感できました。それを活かせるようなまちになっていけばいいなと思います」

オトナたちにとって、今回のような機会がなければ、交わることのなかった地元高校生との貴重な出会い。充実した時間を過ごしたあとは、勢ぞろいで"夜の笠間"のまちに出掛けました。当初、予定していた門前ビアガーデンは、あいにく台風の影響で伺えず、地元のツウのみぞ知る粋な居酒屋へ。クラインガルデンのゲストハウスでは、初日のオリエンテーションに登壇した三橋さんをはじめ、ガルデナーの方たちを交えた二次会も行われました。自ら作った野菜をたっぷり使った手料理を持ち寄ってくださり、受講生たちは大喜び。宴会は夜遅くまで続いたのでした。

もっと笠間が元気になるために。笠間市長に、いざプレゼン!

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そして迎えた最終日。午前中、笠間市役所の一室で準備を行ったあと、課題解決プランのプレゼンテーションが行われました。1人につき、持ち時間は3分。笠間市長の山口伸樹氏をはじめ、市長公室 企画政策課の職員の方々が勢ぞろいし、緊張感のある雰囲気の中、「笠間がもっと元気になるためのビジネスプラン」の発表が始まりました。

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前半では、「モンブランコンテストとワンプレートグルメ」や「リフレッシュ休暇を使った逆参勤交代」など、フィールドワークで発見した魅力と課題をうまく活かしたアイデアが登場。"笠間市で働く、体験する、交流する人を増やす"という趣旨のもと、「#カサマる」という新語をキーワードにSNSなどを通して情報発信を行う、あるいは、まちの名所に観光客を誘導するための「笠間アートサイン」など、後半でもユニークなプランが提案されました。印象的だったのは、各自が発表したプランには「自分には何ができるか、どう関われるか」という"自分ごと"の視点が盛り込まれていたことです。プレゼンテーションに使ったすべての模造紙は、成果物として笠間市役所に納品しました。

「皆さまに深く感謝申し上げます。本日は、我々が普段思っているのとはまた違った角度からのご意見を多数いただきました。皆さまからのご提案は、政策としての実現を視野に入れ、それぞれの担当課に振り分けて、議論していきたいと思っております」と山口市長は講評の冒頭で述べました。

image_platinukasama1009-45.jpeg笠間市長の山口伸樹氏

続けて、「全国の自治体を訪ねていくと、素晴らしいモノや取り組みに出会うことが多々ありますが、その多くは世に出ていません。やはり昨今、しっかりと情報発信したものだけが、全国的にも注目されるというような風潮が一部ではあります」と山口市長。

「中には、それは既に笠間市でもやっていることでは?と思うものもありますが、それだけ情報発信が上手ではないのが、笠間市民であり、茨城県民なのかもしれません。情報発信の重要性は、さまざまな方面からご意見としていただいてもおり、今後は、笠間の良いところをしっかりと発信していきたいと考えています」(山口市長)

image_platinukasama1009-46.jpeg笠間市長・山口伸樹氏(前列中央)を囲んで、記念撮影。

昼食には、笠間稲荷にちなんだ名物弁当の「笠間いなり」をいただき、再び、笠間工芸の丘へ。今回最後のリフレッシュ・フィールドワークは、"ロクロ体験"。早速、インストラクターの方によるデモンストレーションが行われました。電動ロクロで回転する粘土に少しずつ力を入れていくと、みるみるうちに形が変わり、湯呑みが完成。見惚れるほど、みごとで滑らかな手さばきでした。

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一見、シンプルな工程に見えましたが、粘土に手を当てる感覚が上手く掴めない、力の加減が分からない、思い通りの形が作れないの"ないないづくし"で、何度もやり直す受講生が多かった一方、器の表面に繊細な筋目を入れるテクニックを披露したツワモノの姿も。10月初旬ごろには、焼き上がった陶器が受講生の手元に届く予定です。

「続けること、深めること、広めること」――これは、今回のフィールドワークで、講師の松田氏が度々発していた言葉です。その土地を一度だけ訪れるのではなく、何度も繰り返し足を運ぶことで、まちの人や魅力の真髄を知り、それを広めていくための手立てを見出していくということ。プラチナ大学の受講生が笠間市に提案したビジネスプランは、果たして実現するのか。今後の展開に期待がかかります。

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