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【レポート】2050年に向かって、進化&深化する北九州のまちづくり

【丸の内プラチナ大学】逆参勤交代・福岡県北九州市フィールドワーク(2022年12月16日〜18日開催)

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首都圏で働く人々が地方での期間限定型リモートワークを通じて、働き方改革と地方創生の同時実現を目指す「逆参勤交代」構想。スタートから6年目を迎える2022年度は、この構想を全国に波及させるべく、過去最多の5地域でフィールドワーク「トライアル逆参勤交代」が実施されます。今回訪れたのは、「九州の玄関口」である福岡県北九州市。昨年、将来のまちを見据えた「2050まちづくりビジョン」が策定された小倉と黒崎をめぐる2泊3日のフィールドワークで、受講生はこの地域ならでは魅力や課題を発見し、最終日には、北九州市長に対して地域活性化につながるビジネスプランの発表を行いました。その模様をダイジェストでお届けします。

 <1日目> 
JR九州ステーションホテル小倉→小倉城庭園→小倉城~旦過市場→Tanga Table→ATOMica北九州→COMPASS小倉→懇親会

<2日目>
小倉駅→黒崎駅→寿通り商店街→ガラス細工体験→アルクイン黒崎PLUS→八幡西生涯学習総合センター→皿倉山→懇親会

<3日目>
黒崎駅→小倉駅→ATOMica北九州(課題解決プラン検討)→AIMビル(アジア太平洋インポートマート・課題解決プラン発表) 

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まちづくりの未来を拓く、北九州のキーパーソンたち

まちづくりの未来を拓く、北九州のキーパーソンたち

image_event_221216.002.jpeg北九州市のシンボル・小倉城。JR小倉駅から徒歩10分、ビルに囲まれた都心の中にそびえ立っている。

初日の正午、12名の受講生はオリエンテーションの会場である小倉城庭園へ向かいました。冒頭、北九州市役所の小野勝也氏(建築都市局都市再生推進部長)が歓迎の挨拶を行ったのち、本コースの講師を務める松田智生氏(丸の内プラチナ大学副学長/高知大学 客員教授/三菱総合研究所主席研究員)が次のようにコメントしました。

「今回の主旨は、政令指定都市である北九州市の考えるまちづくりビジョンに対して、よそ者である私たちが、良い意味で積極的に関わっていくことです。ここで大切なのは、"自分主語"。北九州市はこうするべきだという他人主語ではなく、"私が北九州に対して何ができるか?"という自分を主語にして考えていきましょう」(松田氏)

続いて、北九州市役所の正野睦朗氏(建築都市局都市再生推進部 都市再生企画課長)、堀越公博氏(都市再生企画課 事業調整係長)、河野征一郎氏(都市再生企画課 企画第一係長)の3名と受講生による自己紹介。河野氏は、北九州市が目指すまちの方向性を取りまとめた「2050まちづくりビジョン」について触れました。そのビジョンとは、小倉が『交流を生み、創造性を高める まちごとワークプレイス』、黒崎が『個性輝く アクティブタウン』です。「これらを意識しながら、北九州での3日間、課題に挑んでいただけたら嬉しく思います」と受講生に呼びかけました。

image_event_221216.003.jpeg左上:江戸時代の大名屋敷を再現した小倉城庭園の一角で行われたオリエンテーション。
右上:松田智生氏(丸の内プラチナ大学副学長/高知大学 客員教授/三菱総合研究所主席研究員)。
左下:小野勝也氏(北九州市建築都市局都市再生推進部長)
右下:庭園のスタッフの方が点ててくださった抹茶と和菓子。

image_event_221216.004.jpeg和やかなムードで始まったフィールドワーク。北九州市役所の方々と受講生たち、3日間のファシリテーターを務めた山本和明氏(左:株式会社ディー・サイン)、松田智生氏(前列左から5番目)。

image_event_221216.005.jpeg北九州市小倉北区魚町にある旦過市場。その始まりは約100年前にさかのぼる。

image_event_221216.006.jpeg左:食欲をそそる揚げ物や練り物がずらり。
右:巨大なおでん鍋が目印の「旦過うどん」

最初に訪問したのは、北九州市で市民の台所として親しまれる「旦過市場」。昭和30年代築の長屋式の商店が立ち並んでいます。その中でもひと際目を引くのが、「旦過うどん」(写真右)。うどん屋でありながら、店先の巨大なおでん鍋が名物となっているユニークな飲食店で、地元の人はもちろん、観光客にも根強い人気があります。

image_event_221216.007.jpeg遠矢弘毅氏(北九州家守舎 代表取締役/café causaオーナー/株式会社ユナイトヴィジョンズ 代表取締役)(New U公式ホームページより)

次に向かったのは、旦過市場に隣接するホステル&ダイニング「Tanga Table(タンガテーブル)」。北九州のリノベーションまちづくりの先駆けである遠矢弘毅氏(北九州家守舎 代表取締役)が、その活動について紹介しました。
2010年頃、北九州市では人口減少や高齢化、リーマンショックの影響で事務所の閉鎖や統合が相次ぎ、空き店舗・空きビルの増加が深刻化していました。市は中心市街地の活性化に取り組むべく、協力を依頼したのが、まちづくりの達人として知られる建築・都市・地域再生プロデューサーの清水義次氏でした。

「2010年7月、清水氏を座長とした小倉家守構想検討委員会が立ち上がり、2011年2月には、市が『小倉家守構想』を策定し、リノベーションまちづくりプロジェクトが本格的に始動しました。時を同じくして、実事業化を前提としたリノベーション事業計画を立案する『リノベーションスクール』がスタート。北九州家守舎は、その提案を実現するための実行部隊として、2012年に設立した会社です。この頃から、リノベーションまちづくりが一気に動き出しました」(遠矢氏)

image_event_221216.008.jpeg遠矢氏のプレゼンテーションに聞き入る受講生たち。

2011年6月にオープンしたリノベーション第1号「メルカート三番街」を皮切りに、商店街沿いの空き地を活用したコンテナカフェ「cucina di TORIYON(クッチーナ・ディ・トリヨン)、リノベーション長屋「comichiかわらぐち」など、ユニークなリノベーションまちづくりが進められています。

image_event_221216.009.jpeg左:春本武士氏(北九州市産業経済局 企業立地支援部 企業立地支援課 IT産業誘致係長)
右:本フィールドワークのファシリテーター、山本和明氏(株式会社ディー・サイン)。

続いて、北九州最大のコワーキングスペース「ATOMica北九州」へ。北九州市役所の春本武士氏(産業経済局 企業立地支援部 企業立地支援課 IT産業誘致係長)が登壇し、北九州市のIT企業誘致の取り組みを紹介しました。平成26年度から本格的にIT企業の誘致をスタートして以来、令和3年度までに97社のIT企業が同市に進出、3,200人を超える新規雇用を創出しています。

「北九州に進出する理由で最も多いのは人材確保です。市は、九州・沖縄や山口地域の大学や高専とのネットワークを活用した伴走型の人材採用支援を行っており、特にIT分野での採用が増えています。2020年10月にスタートした『お試しサテライトオフィス事業』はこれまで135社の企業にご利用いただき、うち26社が進出に至っています」(春本氏)

「IT企業に選ばれる魅力的な受け皿づくりを進める必要があるため、コワーキングスペースの開設に係る支援や、新規進出や市内拠点の拡張を検討しているIT企業に選ばれるオフィスづくりを支援する『オフィスリノベーション補助』、新たなオフィスビルの建設を支援する『次世代スマートビル建設促進補助』の活用を促しています。
さらに、オフィスビル建設を加速させるため、『次世代スマートビル建設促進補助』のみならず、規制の緩和など様々な支援制度をパッケージ化した『コクラ・クロサキリビテーション』を昨年度スタートさせました。リビテーションとは、『リビルド(建替え)』と『インビテーション(引き込む)』を掛け合わせた造語です。その第1号案件として、新たなオフィスビル『ビジア小倉(小倉北区魚町)』の建設が進んでおり、グローバルIT企業の入居が決定しています。来年度は、進出企業や地元企業のつながりを強化しながら、さらなる企業誘致を図っていきたいと考えています」(春本氏)

image_event_221216.010.jpeg ATOMica北九州の拠点長・塩崎泰良氏

次に、「ATOMica北九州」の拠点長・塩崎泰良氏が、同施設の紹介を行いました。ATOMicaは、2019年4月に宮崎県で創業したスタートアップ企業で、2021年2月にATOMica北九州をオープンさせました。

「ATOMicaは、コワーキングスペースをハブとして、地域の想いや相談を集め、それらを叶えられる相手をつなげて実現するための施設です。個が持つ力を最大限に発揮できるサービスを通じて、コミュニティ創出を目指しています。たとえば、地元企業と学生が長期間に渡って取り組む共同プログラムや、12社合同のインターンシップ事業への参画など、若者と企業をつなげる取り組みを行っています」(塩崎氏)

image_event_221216.011.jpegセンスが光るATOMica北九州の外観。この日も、コワーキングスペースは多くの利用者が集っていた。

最後に、野田結祐子氏(株式会社TAP)と笠淑美氏(一般財団法人ウェルネスサポートlab)が登壇し、企業で働く人たちの悩みや課題を見出し、その解決方法を企業とともに考えるべく立ち上がった「Project Marriage -プロジェクトマリアージュ-」を紹介しました。

「このプロジェクトが目指すのは、『自分に正直に、自分らしく、生きることを自分で認め、新しい価値観を発見し、自立し、自活し、生きていくことを一緒に考え、行動につなげる。そんなコミュニティの形成』です。現在は、イベント開催を通じて、企業や人との交流を図り、働く人々が抱える課題を模索しています。働き方が多様化する中で、働く人一人ひとりを支えていきたいです」(野田氏)

image_event_221216.012.jpeg北九州市における創業相談のハブ機能を備えたコワーキングスペース「COMPASS小倉」

最後の訪問先は、国内最大級のコワーキングスペース「COMPASS小倉」。日本一起業家に優しいまちを目指して、2018年6月に北九州市がリニューアルオープンした施設です。最初に、北九州市産業経済局 地域経済振興部 スタートアップ推進課 スタートアップ推進係長の渡邉泰三氏が登壇し、市のスタートアップ支援について説明しました。

令和2年7月、内閣府より「スタートアップ・エコシステム推進拠点都市」に選定された北九州市。その強みである環境、ロボットやDX分野を中心に、テック系エコシステム拠点都市を形成するべく、民間組織や大学、行政など55団体が参画する「北九州市SDGsスタートアップ エコシステムコンソーシアム」を立ち上げました。

「北九州市では、COMPASS小倉を創業支援の中核施設として、他の創業支援機関と連携しています。スタートアップの各成長段階において、切れ目のない支援体制が備わっていることが特徴です。最も力を入れているのは、成長見込みのあるスタートアップが行う実証実験や事業化に対する成長支援プログラムです。また、最大2,000万円の補助を行う事業化支援事業では、昨年度は4社、今年度は5社が採択となりました。創業者数は、平成27年度の94件に対し、令和3年度は348件と着実に伸びている状況です」(渡邉氏)

image_event_221216.013.jpegCOMPASS小倉のインキュベーションマネージャー、樋口健介氏

続いて、COMPASS小倉のインキュベーションマネージャー、樋口健介氏が登壇し、同施設の特徴について説明しました。

「北九州市における創業相談のハブ機能を備えたコワーキングスペースとして、独自の支援プログラムと段階的ミーティングによる伴走型支援により、企業のさらなる成長を促すことを目指しています。インキュベーションマネージャーによる開業支援や、会社設立に必要な手続きをオンラインで支援する開業ワンストップセンターも備えています」(樋口氏)

創業支援への期待値も高く、入居企業数は、2018年6月の17社から2022年3月末には178社と順調に増加しています。入居企業の3社が経済産業省「J-Start up Kyushu」に選抜されたほか、出資確率0.4%という狭き門で知られる前澤友作氏の「前澤ファンド」からの資金調達を実現させるなど、入居企業の活躍には目を見張るものがあります。

image_event_221216.014.jpeg左下:豪華なふぐ料理

懇親会は、国指定重要文化財旧門司三井倶楽部の1階にある「Restaurant三井倶楽部」で行われました。社交場だった頃の格調高い面影の残る空間で、一行は、門司港を代表するふぐ料理店のふぐやお酒を楽しみました。

黒崎を愛する人たちによる、黒崎のまちづくり

image_event_221216.015.jpeg 左上:黒崎商店街の熊手エリアを散策する受講生たち。
右上:老舗鶏肉専門店「かしわ屋くろせ」で買い物中の受講生。
左下:アーケード内の随所に昭和の趣が漂う。
右下:イタリアン酒場「文化商店」は、昔の漢方薬局の看板をそのまま残したレトロな外観。

フィールドワーク2日目は、黒崎駅から放射線状に広がる黒崎商店街の視察からスタート。多くの商店街や市場で構成されており、江戸時代に長崎街道の宿場町として栄えた熊手エリアは、老舗店と新店が立ち並ぶユニークな通りとなっています。

image_event_221216.016.jpeg巨大な「寿」のオブジェが目を引く、寿通り商店街。地元の結婚式場のCMロケ地として使用されたことも。

黒崎商店街の中で一番小さな通り「寿通り商店街」で、ユニークなまちづくりプロジェクトを行う福岡佐知子氏(株式会社三角形 代表取締役)を訪ねました。「人前に出て、何か事を起こすようなタイプではなかった」という福岡氏は、アート関係の仕事からまちづくり会社に就職し、黒崎駅前のテナントビルに事務所を設けて、活動をスタートさせたと話します。

そこで週1回、まちづくりに興味のある人が集う異業種交流会を開くなど活動を続ける中、寿商店街の組合長との出会いがあり、同商店街に拠点を移すことに。その根底にあったのは、「この通りに、もっと人が集まるようにしたい」という想いです。2015年、PR・企画会社「三角形」を立ち上げ、ワインバー、デリカテッセン「コトブキッチン」、シャッター1枚分の店舗が立ち並ぶ「寿百家店」へとまちづくりの取り組みは発展していきました

image_event_221216.017.jpeg株式会社三角形 代表取締役 福岡佐知子氏(Peatixより)

2020年5月にスタートした寿百家店は、店舗とシェアハウスを創出するプロジェクトで、商店街の一部区画をフルリノベーションし、1階にテナント11区画、2階にシェアハウス4室とリビングルーム1室を整備。テナントは、人形焼とラーメンのお店や古本屋、花屋などが入居しています。

「想いに賛同してくださる方が増えたことが、寿百家店につながりました。昨年10月に出版社を立ち上げたことを機に、今後はより広く面白いモノや人を世に出していきたいと考えています」(福岡氏)

image_event_221216.018.jpeg好きな色のガラス棒を選び、バーナーで熱してとんぼ玉を成形する「ガラス細工体験」

寿通り商店街の一角にある「がらす工房」で、一行はガラス細工を体験しました。器用にこなす人もいれば、店主の手ほどきを受けながら再チャレンジする人もあり、笑い声の絶えない貴重な時間となりました。

image_event_221216.019.jpegまちづくりに取り組む黒崎の人々との意見交換会。

続いて、「黒崎のまちづくり」について、地域の方々のプレゼンテーションが行われました。会場となったアルクイン黒崎の統括支配人・古海慎二郎氏や黒崎商店組合連合会 副会長・田中大士氏、副都心黒崎開発推進会議 会長・山口典浩氏、黒崎まちなか大学 学長・寺下良真氏、タウンドシップスクール 公長・池本綾女氏の5名が登壇し、それぞれの立場でのまちづくりについて紹介しました。

地域住民・企業などを中心に組織された副都心黒崎開発推進会議の取り組みをはじめ、不動産に係る立場から地域の価値向上、商店街の取り組み、まちを活用した人材育成、地域住民や事業者等の協働によるサードプレイスとしてのまちづくりなど、多彩なテーマでの情報共有が行われました。

image_event_221216.020.jpeg鎭西孝行氏(左・大英産業株式会社 街づくり事業本部 本部長)と同社スタッフの方々

次に向かったのは、八幡西生涯学習総合センターです。幅広い住宅・不動産事業を展開する大英産業株式会社 街づくり事業本部 本部長の鎭西孝行氏ら3名が登壇し、同社がこれまで手掛けてきたまちづくり事業について紹介しました。

「近年、黒崎でマンション開発が進むようになり、人口は少しずつ増えてきています。一方、空き店舗、未利用不動産は20%と増加傾向にあり、特に旧クロサキメイトビル(黒崎駅前にある元商業施設)の今後は未定です。見方を変えれば、まちを活況にするために開発できる余地はあると思っています。今後は、黒崎の中心市街地での『リノベーションまちづくり』を産官民連携で実施していく予定です」(鎭西氏)

image_event_221216.021.jpeg皿倉山の山頂からは、日本の長大吊橋の先駆けとなった深紅の若戸大橋も望める。

2日目のラストは、新日本三大夜景で1位に輝いた標高622メートルの皿倉山へ。吹雪の舞う中、「100億ドルの夜景」と称される展望台からの眺めを満喫しました。懇親会にはこの日出会った地域の方々も参加し、大いに盛り上がりました。

image_event_221216.022.jpeg皿倉山の山頂付近で、寒さに負けじと笑顔で記念撮影。

逆参勤交代は、「縁」と「運」と「恩」をもたらす

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最終日、一行は電車で小倉地区に戻り、課題解決プランをまとめたのち、AIM ビル(アジア太平洋インポートマート)で発表を行いました。聴講席には、北九州市長・北橋健治氏をはじめ、市役所の方々と3日間のフィールドワークで登壇した地域の皆さんが勢ぞろいしました

image_event_221216.024.jpeg課題解決プランを発表する受講生たち。机上に置かれているのは、北九州市の新たな都市ブランド「New U」のキャラクター。

今回提案されたプランのタイトルは以下の通りです。

(1)「北九州市 健康も地産地消プロジェクト」
(2)「~八幡製鉄所・門司港だけじゃないよ!~ 北九州魅力アピールプロジェクト」
(3)「北九州おでん化PJ」
(4)「黒崎商店街名物B級グルメ開発プロジェクト 
黒崎市場の食材de食べ歩きフード開発選手権」
(5)「"楽しさ"&"熱さ"拡張PJ ~しがらみを次世代に残さない~」
(6)「小倉織を全国区に、そして世界に。SDGs未来都市プロジェクト」
(7)『「96サスティナブルデベロップメント」プロジェクト
~歩いて暮らせて、脱炭素で、次世代に遺せる価値ある街づくり構想~』
(8)「『倶(とも)に』プロジェクト』
人と倶に→ すでに活動する地元を理解した熱い多くの人と
まちと倶に→拠点づくり、まちづくり、地域づくりを一緒に
(9)「クロサキサンカクプロジェクト 身近な公共空間を居心地のよいリビングにする」
(10)「知リコンタウンプロジェクト
~『半導体は国家なり』ものづくりの街の価値についての住民教育」
(11)「北九州市版 ランドバンク制度検討プロジェクト」
(12)「キラキラ女子増殖プロジェクト」

image_event_221216.025.jpeg北九州市長・北橋健治氏

北橋市長は、「大変興味深い内容でした。これから担当部署とゆっくり精査し、より学習を深めさせていただきます」とした上で、受講生一人ひとりの提案に対して、細かな感想を述べました。例えば、地域の人々、企業、行政の三位一体でのまちづくりを提案した「『倶に』プロジェクト」については、次のようにコメントしました。

「現在、我々がとりわけ悩んでいるのは、クロサキメイトビルの跡地です。地権者がまとまらないことにはディベロッパーは関わりを持つことができないため、どうすればチームワークを構築できるかという課題に直面しています。関わる人々が合意して前進できるよう、ご教示いただければ幸いです」(北橋市長)

また、「三角公園」の愛称で親しまれる黒崎地区の中心にある公園を「心地良い居場所=サードプレイス」にする提案についてはこう述べました。

「全国的にも北九州市の公園は質量ともに良いと聞いていますが、皆が集まるところに投資を行うことで、まち全体の雰囲気がずいぶん向上するというご指摘は、その通りだと思います。ぜひそういった方向で黒崎地区の活性化につながる努力を続けたいと思います」(北橋市長)

image_event_221216.026.jpeg

松田氏の総括をもって、3日間のフィールドワークは締めくくられました。

「逆参勤交代は、縁と運と恩をもたらすと思っています。北九州市の皆さんとの新しいご縁を大事にすることは、いい運をもたらすと思います。その運に対して、我々ができることは恩返しです。本日の受講生からの提案はその一つ。健康、観光、食、エネルギーといったキーワードが出ましたが、これらによって2050年の未来のまちづくりを加速するという提案です。
今回のフィールドワークを一過性のものにせず、継続していくことが我々の想いです。首相の所信表明演説に逆参勤交代という言葉が出てくるまで粘り強くやり続けようと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします」(松田氏)

今回の逆参勤交代でも、受講生各自が、まちの課題を解決するために「私に何ができるか?」を考え、自分の強みやアイデアを活かした多彩なプランが発表されました。北九州市の人々とのご縁が、どのような化学反応を起こし、運と恩をもたらすのか、今後の発展にご注目ください。

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