イベント特別イベント・レポート

【レポート】多様なタレントが集合。女性オンリーさんさんピッチ

さんさんピッチvol.2 〜百花繚乱! WOMEN特集〜 2019年6月24日(月)開催

8,17

「さんさんピッチ」は、3×3Lab Futureの個人会員同士の交流会を目的として開催されています。「3×3Lab Futureで普段顔をあわせるけど、みんなどんなことをやっているの?」という観点からこのイベントが生まれました。皆さんが実際どんな活動を行なっているのかをピッチ形式で紹介していただき、今後の活動へのフォローやネットワークづくりにつながるような交流会を目指しています。
第2回目の今回は、内閣府男女共同参画推奨週間にあたっていたということもあり、登壇者は全員女性。それぞれ個性ある活動を紹介していただきました。

■浅枝真貴子さん(一般社団法人&JAPAN 代表理事、こまちテラス株式会社 代表取締役)
■笠松愛さん(ゼロからはじめる映画研究会 代表)
■池田あさみさん(株式会社ビューザブル 取締役)
■小崎亜依子さん(株式会社Waris)
■大澤真美さん(こづきすと/看護師・保健師/通訳・翻訳・ライター)

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何もないところからスタート。3×3Lab Futureでのネットワークで起業

何もないところからスタート。3×3Lab Futureでのネットワークで起業

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トップバッターの浅枝真貴子さんは、こまちテラス株式会社と一般社団法人&JAPANの代表を務める子育てママです。新しいことを立ち上げることが好きで、働くことも好きだという浅枝さん。結婚・出産を機に会社員を辞めるも出産前に勤めていた会社に戻り、新しく時短営業職を作ってMVPをとる活躍を見せます。
2人目の子供の出産を機に再び家庭に戻りますが、「女性のライフスタイルと一般の会社組織の枠組みが、『アンマッチ』であることに強いストレスを感じていた」と浅枝さんは言います。そこで、子育て中のママやリタイアした方々を集めて業務を請け負う「こまちテラス株式会社」を自ら設立。

こまちテラスで取り組んだコンテンツの1つとして、店舗の意識改革プロジェクトを紹介していただきました。大手流通企業で全国に180ある店舗の全てを回り、現場にあったプロモーションをするというこのプロジェクト。当初提示された予算は1店舗あたり2万円で「お手上げ状態」でした。
当時、会社を辞めた浅枝さんの周りには、同じく会社を辞めてうずうずしている主婦友が何人かいたそうで、そういった女性を集めてフィールドカウンセラーと名付け全国を周ってもらう計画を立てました。購買の意思決定の8割が女性であるということから、女性目線での店舗プロモーションは好評価。2015年から今まで継続的に行われており、今では主婦コンテンツやアプリ開発ブレストにも参加しているそうです。
「何もないところから『やってみよう!』でスタートしました。トライ&エラーでノウハウを蓄積したことが、結果的に企業から求められる会社になれたのではないかと思います」(浅枝さん)

また、一般社団法人&JAPANについては、CSRとして行なってきた文化財のアーカイブ事業を収益化するという課題への取り組みを紹介していただきました。文化財のネットワークを使ってどんなことができるかを考えた結果、コンソーシアム構想でグローバル企業からの協賛や官庁からの支援をもらい、人財育成も取り入れたツーリズムを提案。この構想であれば、PRや寄付も受けやすくなります。文化財であることを前面に出し、「世界最古の知識から学ぶアカデミックツーリズム」であることを呼びかけてツアーを製作しているそうです。

「こちらも何もわからないところからスタートしました。3×3Lab Futureですでにやっている方がいたので、助けてもらいながらなんとかやっています。とはいえ、まだまだ課題は山積み。この場でたくさんの方と交流し、相談に乗ってもらえると嬉しいです」(浅枝さん)

「感動を分かち合いたい」思いから広がるクリエイティブ活動

続いてお話しいただいたのは、3×3Lab Future写真部のイベントをきっかけに会員として参加することになった笠松愛さんです。主に映像や動画制作、音楽、イベント企画運営をしており、今回は運営する2つの団体について紹介していただきました。

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2019年1月に立ち上げた「ゼロからはじめる映画研究会」では、プロの映画監督とコラボした上映会やAdobeの編集者を招いた編集ワークショップの開催などを定期的に行なっています。
今はサークルとして活動していますが、作品を作って終わりではなく、今後は仕事につながるようなビジネスチームの活動を推進していきたいと話す笠松さん。直近だと、VRの会社と共同した映像制作や、2020年に行われるサンバイベントでの映像の仕事が予定されています。

もう1つ「音楽ピクニック楽団」では、さまざまなイベントシーンでの生演奏の提供活動をしています。東京モーターショーでのホンダの蓄電池を使った電子ピアノパフォーマンスや、日本生命のパーティーでの即興ディナーショー、商業施設で子供が参加できるパレード出演など、活動範囲は多岐に渡ります。音楽家派遣会社とは異なり、チームとして活動しているからこそできる「楽しめる演奏」が大きな特徴だと言います。シーンに合わせた贅沢なおもてなしBGMやオリジナルソングの制作・演奏、子供の楽器体験型コンサートも好評だそうです。最近ではキッチンカーを導入し、ストリート演奏と軽飲食を提供できるライブを各地で行なっています。

「音楽ピクニックカーではクレープを食べながら音楽を聴き、アーティストと触れ合うことができます。音楽経験がない人でも楽しめる場を作りたいという思いから実現させました。私の1番の思いは、『大事な人の夢のお手伝いをしたい』ということ。感動を分かち合う仕事をメインにこれからも活動していければと思っています」(笠松さん)

データを可視化し、誰にでもわかりやすい分析サービスを提供

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3人目として登壇していただいたのは、株式会社ビューザブルで取締役を務める池田あさみさん。小学生から高校生まで韓国で育ち、大学進学を機に日本へ。韓国語が堪能なことから、韓国系IT企業の日本国内での事業展開に携わるようになり、ビューザブルもその1つです。

ビューザブルでは、ウェブサイトにアクセスしたユーザーがどのようなコンテンツに興味関心があって、どのコンテンツをクリックしたかが分かるサービスを提供しています。従来のグーグルアナリティクスのようなデータ分析ツールでは、主に結果だけを伝えるものが多く、なぜユーザーがクリックしたのか、どの順番でここに興味を持つようになったのかなどの情報が少ない点に着目して開発されました。ビューザブルでは、1つのページの中でユーザーがどのような目的でアクセスし、どのようなコンテンツを消費したいのかなどに焦点を当てています。クリックした回数やマウスの動きを分析し、ユーザーの興味関心があると思われる場所を部分的にヒートマップで表示することで、視覚的にわかりやすいプログラムになっています。

主な特徴は3つ。1つは、「流入経路がどこからであるのか」「デバイスはスマートフォンからかPCからか」「新規ユーザーか再訪問ユーザーなのか」といったことを分析して、どの部分にユーザーがコンテンツに興味を持っているかを確認できます。
2つ目は、ユーザーの動いていく視線の分析による情報解析のサポート。マウスを動かすと出てくるポップアップに対して、どこが多くクリックされているかも可視化できます。
3つ目は、設置が簡単ということ。最初にコードを入れれば、サイト内のコンテンツの表示が変わっても新しくタグ付けする必要がありません。ほかのサービスだとUIが変わるごとに登録と設定をしなければならないことが多いため、ビューザブルのプログラムは非常にシンプルです。

「簡単に言うと、『データを可視化して誰でも手軽に分析結果を見られますよ』と言うサービスです。日本国内でも広告代理店や転職サイト、流通会社などに導入が決まりました。今回さまざまな方と交流できることを楽しみにしているので、お気軽に声をかけてもらえると幸いです」(池田さん)

相談ネットワークで悩める女性を勇気づけたい

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女性が企業で活躍していくための課題解決をテーマに、2014年より開催されていた「丸の内井戸端会議」の頃から3×3Lab Futureとつながりのある小崎亜依子さん。「女性の働き方の選択肢を増やしたい」という思いの下、大企業からスタートアップ企業である株式会社Waris(ワリス)に転職しました。

Warisでは、フリーランスの女性と企業のマッチングサービスとして「Warisプロフェッショナル」というサービスを提供しています。これまでのフリーランス人材はITやエンジニアの事業領域が多かったですが、経営企画や事業計画、広報、PR、マーケティングなど文系の職種もフリーランスとして確立しようと現在展開中です。
もう1つは「Warisワークアゲイン」事業。女性のための再就職支援サービスです。
再就職した女性が得られる年収は優秀な資格を持っていたとしても、ほとんど100万円代という日本企業の現状。それを変えることをミッションに、再就職しても年収500万、600万、1000万プレイヤーを輩出することを目指しています。現在登録者は両方の事業あわせて約1万人。顧客企業も1600社に達し、昨今の副業の流れで、追い風が吹いているような状況だと言います。

今回小崎さんが「ぜひアドバイスをもらいたい新規プロジェクトがある」ということで提案するのは「ミレニアム世代女性向け、キャリア相談を目的とするプラットフォーム事業」です。3年前にWarisでアンケートを取ったところ、仕事を辞めたくなった年齢は35歳と27歳にきれいに別れた結果となりました。35歳の要因としては、子育てで今までとは違った働き方を求められてくる年齢ということでしたが、27歳の要因ははっきりしないそうです。

「27歳前後でキャリアに悩む女性は『モヤモヤ』しているんです。いろいろと悩みが複雑に絡み合っていて、自分でも何に悩んでいるのかはっきりと言語化できない方が多い。そういった女性たちを勇気づけて元気にしたいという思いから立ち上げました」(小崎さん)

男性は悩みに対してソリューションを提供されて前進することが多いですが、女性の場合は自分の悩みを言語化することがきっかけとなり、自身で解決策を見出せることが多いと小崎さんは言います。また、女性は相談されることを喜ぶ人が多く、相談することで相手が前向きになれたら、それが報酬だと思う人は多いのではないかとも語ります。

「1対1で相談する人とされる人が一方通行でつながるのではなく、悩んでいた相談者が相談に乗る側になったり、また悩める相談者を紹介するといったようなネットワークを作りたいと思っています。『pay it forward』とスタートアップ業界では言われますが、誰かから受けた恩をその人に返すのではなく、また次の人に返していくような恩送りでつながるプラットフォームを目指したいですね。ビジョンはあるのですが、どう実装するかといったアイデアはまだないのでアドバイスをいただけたら嬉しいです」(小崎さん)

「べき論」からさよなら。新しいグローバルな生き方を提示する「こづきすと」

今回最後のトリを飾るのは、「こづきすと」または「現代版グローバル百姓」と名乗る大澤真美さん。幼稚園と高校を退学した経験があり、大学は大検を受けて入学し、その後2つの大学を卒業しています。そしてドミニカ共和国に住んでいたことがあり、音楽番組で演奏経験があるそうです。また国際会議の運営や、食品の貿易で海外をあちこちと回る経験、スペイン語の現場通訳として映画のイベントに参加したこともあるという非常に面白い経歴を持った方です。
そんな大澤さんの人生のテーマは「生きろ」。

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「この年齢ならこれをやらないといけない、こうあらなければいけない、そういった見えない制限が非常に息苦しく感じます。私は看護大学に37歳で入学しました。制限しなければ人っていろんなことができると身を持って体感しているので、私の人生のテーマは『リミットを設けず生きろ』なんです。だから、やりたいことがあって我慢している人を見ると『少し越えれば楽しい世界が待っているのになんで我慢しているの!?』と小突きたくなる。『こづきすと』なんです」(大澤さん)

大澤さんはその多様な経験と資格を活かして、「看護師・保健師×旅行プランナー・添乗員」「アウトドア×カウンセリング」「環境系の仕事×オリンピック」など、特技を掛け合わせた活動をしています。例えば、最近では「島好き×保健師」の掛け合わせで、与論島まで遠征に行きました。また、社会起業家の方達をポートランドやシアトルに送り出し、そこでプログラムを作る手伝いもしたそうで、活動の幅の広さに驚きます。

「百姓には百の仕事を持つという意味もあるんですよ。長い人間の歴史から見たら、これだけ同じ仕事を続けることが一般的な時代はありません。そう考えると私は意外と普通なのではないかということで、現代版グローバル百姓と名乗っています」(大澤さん)

大澤さんが関わる仕事の中には、お金をもらうものもあれば、もらわないものもあるそうです。お金で自分の活動を制限するのではなく、自分がやりたいことや面白いと思うことを判断基準にしています。面白そうじゃなかったらお金をもらっても行かないと話す大澤さん。今後は看護師・保健師の資格と、好きな旅行・アウトドア・カウンセリングを掛け合わせた活動を楽しんでいきたいと語ります。

「その人のあるがままを大事にして人と関わっていきたいと思っています。それぞれの人の生き方やご縁を大事にしながら友達をつくりたい。そして白黒つけるのではなく、ふわっと物事を受け取る方がいいなと最近思っています。どう『生きるべきか』とか、どう『振る舞うべきか』という『べき論』にさよならして生きていきたいなと」(大澤さん)

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その後の交流タイムではメンバー同士、刺激的なコミュニケーションを楽しんだようです。
それぞれ多様なタレントを持った個人会員が多く在籍する3×3Lab Future。さんさんピッチでは、意外なコラボレーションから新たな発見が生まれるかもしれません。登壇者は個人会員、参加者についてはどなたでも参加できる企画ですので、ぜひ興味を持った方は3×3Lab Futureに足を運んでみてください。


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