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【大丸有】働く人の健康と幸福を高める「クルソグ」始まりました

実証実験プログラムを2017年11月9日(木)まで開催中

今年7月に開幕した、企業と働く人の「WELL-BEING」を目指すプロジェクト「クルソグ」が、後半に入り、ますます人気となっています。クルソグとは、「Quality of Officeworker's Life」="QOL"が、"So Good!"であってほしい、という願いから、その頭文字をなぞるようにして付けられたもの。「WORK」「LIFE」「PHYSICAL」「MENTAL」の4つのジャンルで100を越える講座を用意し、大丸有のオフィスワーカーのみなさんをお待ちしています。

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「クルソグ」って何?

「クルソグ」って何?

クルソグのサイトより

そもそもこのクルソグは、今年4月に出された「丸の内WELL-BEING宣言」を下敷きにしています。大丸有に拠点を置く企業の経営者らによる勉強会から生まれたもので、従業員一人ひとりが積極的健康、つまり、身体的にも精神的にも、そして社会的にも良好な状態でなければ、企業の持続的成長は叶いませんし、同時に企業自体もまたWELL-BEING(幸福)な状態でなければ、従業員がやりがいをもって働くことはできません。企業とそこで働く人々の両者がWELL-BEINGであってこそ、初めて持続的な企業として成長していくことができるのです。

この身体的・精神的・社会的に良好な状態をWELL-BEINGと呼び、WELL-BEINGになるために、さまざまな角度からアプローチしていこうという取り組みがクルソグなのです。2017年度は実証実験として7月〜11月に開催されています。

特徴的なのは、よくある「健康」だけを対象にしていない点。身体的な健康、内的健康を対象にするのはもちろんですが、同時に「働く」こと自体も考えます。ワークライフバランス的観点から、労働時間外の充実を考えてしまうことが多い昨今ですが、「働く」ことは人生でも大きなウェイトを占めており、これを改善することで、人生のWELL-BEING度は格段に向上します。

こうした観点から用意されたプログラムが200種以上。プログラムは、健康経営のカテゴリで「PHYSICAL」「MENTAL」の2分野、ダイバーシティのカテゴリで「WORK」「LIFE」の2分野に分かれています。

ヨガクラスの様子

PHYSICALは文字通りフィジカルな健康を目指すもので、ヨガやウォーキング、ランニングなどを含みます。変わったところでは、格闘技とエクササイズをミックスした「ファイトネス」の講座も。『PRIDE』などで活躍した元総合格闘家の大山峻護氏が考案したエクササイズで、会期中にはシドニー五輪の銀メダリスト、永田克彦氏(レスリング→総合格闘技)が来場しての座学などもあり、話題となりました。
MENTAL分野では、ビジネスパーソンに静かに広まっているマインドフルネスや、幸福学などの講座。幸福学では、最近メディアの露出が増えている、慶應義塾大学の前野隆司教授が、幸福学の最前線をレポートしつつ、幸福になるためのハウツーをワークショップを通じて学びます。前野教授のレクチャーは日に日に人気が高まっており、今後も注目です。

WORK分野は仕事のあり方を考えるためのもの。タイムマネジメントや仕事の効率をあげるための睡眠セミナーなど、ワークそのものだけでなく、その周辺もフォローする内容を用意。目玉のひとつが、自らをもって"変革屋"と任じ、数々の組織に変革をもたらしてきた、株式会社チェンジウェーブ代表の佐々木裕子氏が講師を務める「ダイバーシティ&インクルージョン実践プログラム」。組織が変われば、働き方も変わり、生き方も変わっていく。人事等HR系担当者向けのセミナーですが、一般の方でも示唆の多い内容となることは間違いありません。
そしてLIFE分野では、女性の健康をクローズアップする「丸の内保健室」や、生活習慣病を予防する男性向けセミナー、ダイエットで使えるロカボセミナーなどを用意しています。

今後は、こうした魅力的なプログラムに、野村総合研究所が開発した Web アプリ「Well plus+(ウェルプラス)」を連動させるのが、クルソグの画期的な点です。参加企業及びその健康保険組合から就業者の労務・健診データ等の提供を受け、ウェルプラス上で従業員1 人ひとりの健康状態や就労状況を見える化。ウェルプラスを通して蓄積されるデータを基に、これまで紹介した多様なプログラムを、働く人にあわせて案内します。アプリ等の ICT と、エリアコンテンツが連動するサービスは、日本初の試みです。

今年度は、クルソグのトライアル期間と位置付け、7月~11月で、14社・約2万人を対象にサービスを提供しています。

注目のプログラム「ダイバーシティ」と「幸福学」をレポート

チェンジウェーブ、佐々木氏の講義

クルソグプロジェクトのオープニングとなるプログラムには、チェンジウェーブの佐々木裕子氏、幸福学の前野隆司教授の講座が開催され、多くの参加者が集まりました。両講座のゲストには、マインドフルネスやユニークなヒューマンリソースマネジメントで知られるユニリーバ・ジャパンの島田由香氏も登壇し、会場は大いに賑わいました。

佐々木氏は「ダイバーシティの難しさをどう乗り越えるか」と題して講演。ダイバーシティが広く認知されるようになり、推進するといってはばからない企業が増えている中、実は「無意識バイアス」や均一性の高い組織での成功体験にとらわれ、ダイバーシティが進みにくい現状を紹介しました。また、その相克を乗り越えるためにはどのようなアプローチが必要なのか、基本的な思考方法や枠組みを解説しましたが、参加者は実験的なワークで自身にすりこまれていたジェンダーに気づき、驚きの表情を見せていました。後半のディスカッションでは、ゲストの島田氏とユニリーバの取り組み「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)を紹介しながら、どのような組織づくり、ヒューマンリソースの活用がこれからの時代に有効なのかを存分に語り合いました。

佐々木氏の講座の後、席を改めて開催された前野教授の講座「幸せのメカニズム~ビジネスマンの幸福学」も、非常に盛り上がる内容。もともと、前半が前野教授の講義、後半が島田氏とのディスカッションの予定でしたが、冒頭から二人ともがハッピーなハッピを着て登場、お笑いコンビよろしく"タカ&ユカ"を名乗り、軽妙な掛け合いで幸福学を論じ合う、なんとも愉快で楽しく、それでいて示唆に富んだ内容となりました。受講したある人は、「途中からとてもハッピーになったことを実感した。しかし、日々の生活の中でまた元に戻っちゃうので(苦笑)、月に2回くらい、こうした講座を受けられるといい」と話していました。
前野教授の講義の内容は、ぜひとも受講することで知ってほしいところですが、後期講座の後半にはワインが付くという目玉も。実は受講生たちには、受講前と後で幸福度にどのような違いがあるかを調査しているのですが、ワインの有無で幸福度にどのような違いがあるのかを計測したいと前野教授は話しています。ぜひともワインで幸せになって前野教授の調査に協力してほしいものです。

夫婦漫才のようにハッピーに笑わせてくれた島田氏(左)と前野教授(右)

ユニークな講座が盛りだくさんのクルソグ。健康でありたいと思う人はいても、健康も含めた人生総体としての幸せを求めるWELL-BEINGとは何かを考え、実践している人はそう多くないのではないでしょうか。クルソグは、そんなWELL-BEINGに全体的にアプローチできる、贅沢でユニークな取り組みです。働く人はもちろん、働き方改革などに取り組む人事系の担当者にとっても、多くのヒントを受け取れる場所となっています。


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