シリーズVOICE

【VOICE】阪井祐介さん

MUSVI株式会社 代表取締役

自身が開発した「窓」で談笑する阪井氏(右)

Q1
あなたはいま、どのようなプロジェクト・仕事に取り組んでいますか。また、それに取り組むきっかけについて教えてください。
A1
MUSVI株式会社で開発・販売しているテレプレゼンシステム「窓」を使って、様々な空間を接続していくプロジェクトに取り組んでいます。「窓」は離れていても距離の制約を超えて、人と人、人と空間をつなぎ、あたかも同じ空間にいるような自然なコミュニケーションができるデバイスです。もともと旅が好きで、専門のデジタル通信・無線通信と組み合わせて「どこでもドア」のような体験を作れたらと思い、「窓」を通じてさまざまな活動をしています。
1999年にソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)に入社して、翌2000年に当時の社長だった出井伸之さんが、非連続な新規事業を生み出すために立ち上げた"ソニー ユニバーシティ"の1期生としてこの「窓」を提案したのですが、そこから20年ほど発想の芽を育み、昨年MUSVI株式会社を起業しました。ソニーグループからは技術ライセンスを供与いただいたり、出資もしていただいたりなど、応援をしてもらっています。

プライベートで20年ほどヨットと合気道を続けており、ヨットはテーザーという艇の世界選手権に2回出場し、合気道ではちょうど今年の春に四段をいただきました。合気道はまさに「気を合わせる道」と書くように、相手と向き合い、スッと懐に入るような動きがあるのですが、この感覚は、実は「窓」にも生きていると思っています。何気ない瞬間に「窓」を通じ
人と人がスッと繋がる感覚が似ているのです。
Q2
仕事や個人の活動において、あなたが大切にしていることは何ですか。
A2
少し表現が恥ずかしいのですが、「キャハ」という状態を大切にしています。「ワクワク」にはまだ冷静さがあるのですが、そういった分別も超えたキャハのレベルまでいけるといいなと。本当に楽しそう(キャハ)な人を見ると周りは観察者ではいられなくなり、どんどん人が巻き込まれていく、そんな状態がとても好きです。
僕はもともと宇宙に興味があり、大学で、宇宙物理学そのものではないのですが、「宇宙通信」というキーワードが含まれていた通信技術を学びました。通信は宇宙につながっているという思いをもちながら、「窓」を開発してきたところ、いまJAXAやNASAの方と宇宙ステーションと「窓」をつなげたい!といったプロジェクトにつながるなど、キャハという感情を抱けるものはいつか何かにつながり、無駄にならないと改めて感じています。もう二度と関わることはないだろうということでも、何かのきっかけでそのことが動き出したりするから、まさに宇宙のような広い意味でいつも物事を捉えていきたいです。
今の世の中、役職や立場などをわきまえて我慢してしまうケースが多く、僕も立場上の話をすることはありますが、極力固まった関係性や壁をなくすことを行動基準にしています。とにかく自分自身がキャハと感じられる場所が大好きなので、今後は自分が関わるさまざまな場所で、可能な限りたくさんの人たちがキャハを感じられるシチュエーションを
増やしていけたら嬉しいです。
Q3
あなたにとって3×3Lab Futureとはどのような場所ですか。
A3
3、4年ほど前にソニー時代に「窓」プロジェクトの縁で知り合った方のイベントに参加したのが3×3Lab Futureとの出会いでした。当初は、大手町の一等地にこんなオープンな場所があるのかと驚きました。空気感が合い、素敵で心地いい感じがしたことを覚えています。
もともと3×3Lab Futureのスマートシティや新しい都市の考え方などと相性が良さそうで、館長の神田さんも面白い活動をされていると聞いていたので、いつかご縁があったらとも思っていました。その後、ツアーでご一緒する機会があり、現在までさまざまな形で関わっています。
「窓」のプロジェクトはまだこれから進化させていく部分がありますが、3×3Lab Futureの皆さんは優しく、こうやったら楽しくなるのでは、面白くなるのでは、というご意見を頂けます。そんな、3×3Lab Futureのあたたかい雰囲気や空気感が本当に嬉しいです。
Q4
3×3 Lab Futureで、こういう企画やイベントがあったら嬉しい、というコンテンツは何ですか。
A4
まだ力が弱くて、火が消えやすいものを守るイベントやコンテンツが増えると嬉しいです。僕が言うキャハ的な感情から生まれたものは、柔らかくて他の場所だと存在できないアイデアや活動が多いと思うのですが、この3×3 Lab Futureはインキュベーターとして、そんな面白い活動やアイデアを人や団体へと繋ぎ、形にしていく力があると思っています。
僕自身のプロジェクトで考えると、「窓」を通じていろいろな場所と人を繋ぎ、僕らのようなベンチャー企業や自治体の方々が引き合い、活動が盛り上がれるといいです。
3×3 Lab Futureにはメンターとなってくださる会員さんも多くいらっしゃるので、今後このような活動にお力添えいただけたら嬉しいです。
Q5
あなたのお気に入り(街、お店、サービス、本など)を教えてください。
A5
出身の長崎の影響もあり、海が近くにある陸地で、さらに近くに山がある場所、つまり起伏感のある場所がすごく好きです。神戸、函館、横浜なども同じような特徴があり、東京では皇居や四谷の辺りが魅力的で、今在住の葉山も海と山が近くてすごく落ち着きます。誰かに教わったわけでもないのですが、いつも「この場所いいな」と思うのは、海、山、丘などの風景があるところです。
また、東京大学のOne Earth Guardiansの活動に感銘を受けました。「地球を救います」という言葉はとても大事だけれどなかなか言えないことですよね。誰が考えてもやらないといけないテーマだとは分かってはいても、目先のビジネスでは、すぐできるものや誰が予算を出すのかという部分が問題視される。さらに、ピッチの早い東京で、長いスパンで物事を考えたプロジェクトは難しさもあると思いますが、だからこそすごいことだ
と思います。
Q6
今後の夢や挑戦したいことは何ですか。
A6
「窓」を通じて、世界中の80億人がリアルに出会えるプラットフォームを作る!というのがMUSVI株式会社で実現していきたい夢です。距離の制約を超えて、「窓」越しに同じ空間にいるような自然なコミュニケーションができることからオフィスや学校、医療や介護施設などに導入が拡がっているのですが、個人的には、人間だけでなく、動物や植物、自然ともつながっていくような世界が作れたらと思っています。
実は「窓」を使うと、犬やイルカ、ペンギンなどとコミュニケーションがとれることが分かってきていて、「窓」が導入された様々な場所を、水族館や動物園、さらには実際の自然環境とつなげていければ、世界のあらゆる場所が、キャハキャハと生きる動物たちとつながって、距離を超えたムツゴロウ動物王国的なものが作れたら最高に面白いのではと思ったりしています。
阪井 祐介(さかい・ゆうすけ)
MUSVI株式会社 代表取締役

ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)に入社後20年以上にわたり、距離の制約を超えて"あたかも同じ空間にいるような"自然なコミュニケーションを可能とする「窓」の実現に向け、認知心理学、建築、インタラクションデザインの観点から研究開発を行う。2019年よりSRE AI Partners株式会社において、人と人、空間をつなぐコンサルティング事業を、オフィス、医療・介護、教育、地域創生等の幅広い領域で展開。2022年にMUSVI株式会社を創業、代表取締役に就任し「窓」のさらなる社会実装を進める。

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