現代の"観天望気"を
私たちウェザーニューズ(WN)は、エコッツェリアが設立されるころから、竹村先生を通じてお付き合いを続けています。私たちのスタッフが丸の内朝大学で講師をさせていただいたこともありましたね。最初の「触れる地球」が作られたときから、コンテンツとして気象データの提供をし、今は毎週1回『触れる地球ミュージアム』で"地球天気予報"というコンセプトの番組(※)を生放送し、WNのサポーターの皆さんにお届けしています。今の時代にできる「観天望気」を、ネットを通じて皆さんと作り上げたいと思っています。
※番組は次の媒体とアプリで視聴出来ます。【スマートフォン】アプリ「ウェザーニュース・タッチ」をダウンロード【BSデータ放送】910ch「ウェザーニュース」を選択【PC】(インターネット接続)アプリ「ソラマド」をダウンロード
- Q1
- WNが天気予報や番組を通じて目指していることは何ですか?
- A1
- 近年はシビアな気象現象が多発しています。しかもそれは"突然"やってくると思われていますが、良く見るときちんと順を追って起きていることで、空を見続けていれば分るものなのです。これが「観天望気」で、昔は経験を積んだお年寄りなら天気を読むことができたものです。現代の私たち1人1人にはできないけど、ネットを通じて大勢のサポーターの皆さんから情報をお寄せ頂くことで、今の時代の「観天望気」を行いたい。これを私たちは「ソラヨミ」と呼んでいます。
- Q2
- エコッツェリア、大丸有のすごいところは?
- A2
- 業種、企業の垣根を越えて、さまざまなタイプの人が集まれる場所を作っているところがすばらしい。大丸有が、さまざまな業種の会社が集まる場所だからこそできることで、ほかではなかなかできないと思います。しかもこれがオープンになっているというのがまたすごい(笑)。
- Q3
- 大丸有を1日好きにできるとしたらどうしたい?
- A3
- どうしても私は天気というところに惹かれてしまうのです。今は、雨が降ったときの大丸有エリア内の水がたまりやすいところ、流れやすいところが気になりますので、水を撒いてその実測をしてみたい。丸の内ひとつとっても、最新のビルがあるかと思えば古い神社があるなど、時代の層が積み重なっています。水の動きからもそうした層が見えるのではないかとも思います。
- Q4
- おすすめの本を教えてください。
- A4
- 地球天気予報を見ていただくうえでは、竹村先生の『地球の目線』(PHP出版)。気象についてのわかりやすい本としてなら饒村曜さんの『台風物語』(クライム気象図書出版)が面白いかもしれません。気象マニア(?)には『台風の科学』(上野充、山口宗彦著・講談社ブルーバックス)もお勧めです。
- Q5
- あなたが一番大切にしているものは何ですか?
- A5
- 天気に限らず、いろいろな自然現象を"体の一部"を使って測ること。測ることが大好きなんです(笑)。たとえば、太陽の高さをコブシを使って測る。縦にした握りコブシは約10度で、水平から9回積み重ねると90度になります(試してみてください)。一尺はひじから手首までの長さ。台風が来ると、外に出て体全身で風を浴びて、その強さを測ります。気象は物理ですから数字で表され、天気予報などの応用技術も数字が使われます。その科学的で客観的な数字が、生活や人の感覚・感性からあまり離れないようにしたいと思っています。