"地球感覚"を育てる
私はインスタレーションやインタラクティブメディアを作る人間ですが、ご縁があって、2005年ころから「触れる地球」の開発・管理、コンテンツ制作などに関わるようになりました。富士ビルにあった「触れる地球ミュージアム」の第一期は先ごろ終わりましたが、多くの人が集まり、さまざまなモノ、コトを次々と生み出すというすごい現場になりました。第二期は、さらにいろいろな専門家がリソースを持ち寄って、新しい「世界をとらえる視点」を作り出すような場所にしたいですね。私たちはまだまだ地球について知らないことがたくさんあります。「触れる地球」を通して地球をもっと深く知り、地球感覚で考えられる"地球人"を育てていきたいと思います。
- Q1
- 大丸有で好きなところは?
- A1
- お世話になったので、富士ビルの「3×3Labo」。あとは、ビジネスの街なのに緑があるのところが好きです。公園とか芝生の緑地帯とか、ピクニックしたいですね(笑)。
- Q2
- 大丸有のすごいと思うところは?
- A2
- 実は意外とニュートラルなところがすごい。例えば渋谷には渋谷の、新宿には新宿のカラーがありますよね。大丸有はそれがありそうでない。国籍、業種、人の種類に偏りがない。ビジネスマンがいても、家族が歩いていてもおかしくない。それでいて求心力もある。面白いところです。
- Q3
- 大丸有を1日好きにしてよければ何をしたい?
- A3
- おもちゃ箱のような仕掛けを作りたいですね。例えば、今どれくらいの人が丸の内を歩いているとか、災害が起きて海面が上がったらどうなるかが分かるような映像やをビル全体に投影したり、大丸有全体で消費されている食べ物がどこから来ているか分かるような仕掛けもやってみたいですね。
- Q4
- おすすめの本を一冊教えてください。
- A4
- 絵本になりますが、加古里子さんの『地球』。『カラスのパン屋さん』で有名な方です。この『地球』は、絵本なんですが、まさにインフォグラフィックスなんです。自然や街のいろんな仕組みをインフォグラフィックス化して見せていて、わかりやすい。そうか、こうやって子どもたちに教えればいいのか!という発見があります。
- Q5
- あなたが一番大切にしているものは何ですか。
- A5
- 家族、友人は基本ですが、モノづくりをしているうえで大切にしているのは、感動したことを一人称で語り伝えるということです。あなた、彼らという他人称ではなくて、自分が作りたい! 伝えたい!と思ったものでないと、見る人も「えー!?」となっちゃいます。作品からの熱量が下がっちゃうんですよ。
アラカワケンスケ
触れる地球ミュージアム・Earth Literacy Program ディレクター/インタラクティブメディアデザイナー
触れる地球ミュージアム・Earth Literacy Program ディレクター/インタラクティブメディアデザイナー。参加型ウェブメディア、インタラクションなどを多数手がける。作品は文化庁メディア芸術祭、グッドデザイン賞など数々のコンテストで受賞、高い評価を受けている。「触れる地球」を中心に、洞爺湖G8サミット、国連NY本部、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館(アメリカ)、21_21 DESIGN SIGHT、東京都現代美術館等の展示に携わる。
触れる地球ミュージアム