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【大丸有】日本の真ん中の朝を盛り上げる「なごや朝大学」に初潜入!

――どう地元に貢献できるかがクラスのコア

大手町・丸の内・有楽町エリア全体をキャンパスに、朝7時台に開講する市民大学「丸の内朝大学」。2009年春に開校してから、今年で8年目を迎えました。丸の内を拠点に日本各地から世界へと活動の幅を広げている朝大学ですが、名古屋にも朝大学があることをご存知でしょうか。

「なごや朝大学」は、丸の内朝大学の取り組みを参考に中部マーケティング協会、中日新聞、中部日本放送が企画委員会を立ち上げ、2013年に開校。スタートにあたっては丸の内朝大学もサポートを行いました。
これまでに、地域をプロデュースする手法を学び、実際に地域が抱えている問題を解決していく実践型講座「地域プロデューサークラス」をはじめ、愛知のブランド牛の尾張牛の商品開発・PR方法を考える「肉クラス」や名古屋の酒の魅力を徹底研究する「日本酒クラス」、名古屋出身の映画監督・堤幸彦氏の地域活性化プロジェクト「東海アクションプロジェクト」と共同で企画をした特別講座など、地元に根付いたテーマのクラスを開講してきました。

この秋開講されたのは、小さなグループからはじめる街づくりを学ぶ「ソーシャルクリエイティブクラス~街の表情を変えるアイデアをうみだす!名古屋駅篇~」。今年、国内主要 8 都市(札幌市、東京 23 区、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市)を対象に行われた「都市ブランド・イメージ度調査」(名古屋市調べ)において最下位となった名古屋市ですが、そんな名古屋市の顔・名古屋駅周辺エリアを舞台に、この街ならではの良い風景を生み出すアイデアを考えます。
「ソーシャルクリエイティブクラス」は丸の内朝大学でも好評のクラスですが、なごや朝大学でも史上最速で定員締切りになったそうです。そんな盛り上がりを見せているなごや朝大学に潜入してきました。

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イメージ調査最下位の都市を救え

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会場は、去年竣工したばかりの大名古屋ビルヂングの会議室。取材当日は10月15日の土曜日、実際に街に出て、名古屋駅周辺エリアの課題の確認や再発見のためのフィールドワークへ向かう第3回目の授業(全6回)でした。これまでの講義で学んだ名古屋駅周辺の現状を参考に、各チームで課題を立て、いざ、エリア調査に向かいます。名古屋駅近くの卸売市場「柳橋中央市場」や、密集している商業施設、駅を中心に広がる地下街、少し離れた古民家や長屋が並ぶエリアなど、歩くだけでさまざまな顔を見ることができます。ここを通勤エリアとする受講生も、普段より少し遠くへ足を伸ばし、街の人の話を聞くことで新たな発見があったようです。会社の近くに長屋を改修したカフェバーを見つけた受講生は、すっかりマスターと意気投合し「来週お昼休みにいきます!」と約束を交わす一面もありました。

フィールドワークの後は、大名古屋ビルヂングの教室に集まり、課題の提起・設定を行う集中ワークショップ。フィールドワークを通して、見て、感じたことを一気にメモに書き出していきます。みなさん朝から各所を歩き回っていたのでペンが進み、気づけば模造紙が埋まってしまうほどのメモの量に。その後チームのメンバーと共有し、それぞれのメモから共通点のあるものをカテゴライズして、課題の焦点を少しずつ定めていきます。 「ランチがどこも混んでいて"昼食難民"が多い」「一人で気軽に入れる飲み屋さんがない」「公園など公共施設が少ない」といった、ワーカー、住民、観光客などさまざまな視点から、それぞれのチームが課題を挙げていきました。

ワークショップは3時間近くに及び、他のグループとフィールドワークの成果をシェアすることで方向性が見えてきたようでした。講義後は懇親会が行われ、朝から夜まで内容の濃い時間をともにした一日で、一段とクラスの結束が深まったようでした。

今後の講義では、課題解決のためのアイデアのつくり方を学び、最終回での「まちを元気にするアイデア」発表に向けて企画のブラッシュアップへと進んでいきます。

名古屋の強みは地域への想い

なごや朝大学の特徴について、事務局の間宮晨一千氏にお話を伺いました。

「まず名古屋の特徴の一つとしては、"つながりやすい"ということがありますね。どう名古屋に貢献できるかということをコアとしてクラスを作ってきたこともあり、受講生、講師、フィールドワーク先の方など、それぞれが地域に貢献したいという意識が強く、立場を問わずにつながりを作っているように思います。例えば、名古屋の酒の魅力を発信する日本酒クラスでは、受講生とフィールドワーク先の蔵元の方が意気投合して、クラスで出されたアイデアをもとに、酒蔵を舞台に地域で活躍する人やモノとコラボレーションするイベントが実現しました。その後も年2回のペースでイベントが行われ、今年8月に行われた浴衣ジャズパーティーでは200人ものお客さんが集まりました。蔵元の方も若い方が増えてきていて、新しいチャレンジをしていきたい気持ちがお互いにあったからこそ続いているんだと思います。ただその反面、地元の中で完結してしまう部分もあるので、今後どう外に開いていくかが課題ですね。」

受講生のこうした活躍は朝大学にとっても刺激になりそうです。来年には5年目を迎え、節目の年となりますが、今後の展開はどのように考えているのでしょうか。

「これまでは、事務局主導で、地元のさまざまな課題を解決するアイデアを生み出すクラスを開講してきました。しかし最近では、自治体など外部の方から、〝移住プランを考えるクラスを作りたい″〝酒の魅力を発信するクラスを作りたい″と相談を受けることも増えています。クラスから生まれたアイデアが実現し、なごや朝大学が課題解決のコミュニティとして認識されはじめてきたのかなと思います。今後は、なごや朝大学に期待してくれる人たちに向けて、課題解決のためにさまざまな人をつなげるコーディネーター的役割を担っていきたいですね」

今回の受講者は30人で、そのうちの3分2がなごや朝大学に初参加だとのこと。開講から4年・8期目、リピーター同志のつながりも増え、コミュニティとしても成長してきているようです。また、受講生の中には、東京に住んでいたころに丸の内朝大学が気になっていたものの受講に踏み出せず、名古屋に引っ越したことをきっかけに通い始めたという方が参加されていました。きっかけは人それぞれですが、積極的な気持ちを持った人が集まり、チャレンジできる場は、街にとっても大きな活力の源になるかもしれません。

地域の中で、あるいは都市と地方がつながりながらコミュニティによる課題解決方法を考える朝大学。丸の内朝大学は再来年で10年目、なごや朝大学は来年5年目の節目を迎えます。これからもそれぞれの活動にご注目ください。


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