ワーキンググループCSRイノベーションワーキング・レポート

【CSRWG】丸の内プラチナ大学 ~輝くシニアを目指しビジネスステージをデザインするマルチキャリア構想~

2014年12月22日開催

2014年12月22日、日本ビル6Fの「TIP★S/3×3Labo」にてCSRイノベーションワーキング「丸の内プラチナ大学 ~輝くシニアを目指しビジネスステージをデザインするマルチキャリア構想~」が、(株)三菱総研主任研究員の松田智生氏、合同会社志事創業社(しごとそうぎょうしゃ)代表の臼井清氏をゲストスピーカーに迎え、開催されました。少子高齢化が進む日本には、労働生産人口の減少をどう乗り越えるかという大きな課題があります。その解の一つがシニア人材の活用です。会社を退職したシニア層が起業あるいは社会貢献活動などによって社会に参画し続けるには何が必要なのか、どんな課題があるのかについて、参加者とともに考えました。

失敗しないセカンドキャリア・デビュー

三菱総研の政策提言プロジェクト「プラチナ社会研究会」を創設した松田氏の専門領域は、超高齢化社会の地域活性化、アクティブシニアのライフスタイルです。エコッツェリア協会ではプラチナ社会研究会と協動して、プラチナ社会実現のための大きなテーマである、シニア人材の活用を進めるため、「プラチナプラットフォーム」構想を進めています。その基盤の一つ「丸の内プラチナ大学」の可能性とセカンドキャリアを考える上で留意すべきことについて、松田氏からプレゼンテーションが行われました。

CSRWG04_01.jpg現代の日本は、1950年に60歳だった平均寿命が80歳を超え、65歳上人口が25%という超高齢化社会を迎えています。これまでは定年を迎えた人たちはキャリアを終えたものとして老後を送ることが一般的でしたが、今後は充実したセカンドキャリアを送ることが求められています。松田氏は「世界一の高齢化社会というピンチをチャンスに変えていきましょう。一度リタイヤしたシニアがセカンドキャリアを生き生きとすごすことで、輝くプラチナ社会を築くことができます。キャリアは一回で終わりではない、二期作、二毛作が可能です。それはシニアだけでなく40代、50代の次世代シニアにも当てはまるはずです」と話します。

二期作はこれまで会社で積み上げてきた知見やノウハウを、別の場所で生かすこと。二毛作はまったく新しいことにチャレンジすることです。「世の中には素晴らしい商品やサービスをもちながら、マーケティングノウハウや販路のネットワークがない、などの理由で立ち止まっている企業や団体が数多くあります。そこにはシニアや次世代シニアたちがもつ能力に対するニーズがある。チャンスはいま勤めている会社の外にたくさん存在します」と話します。

一方で、松田氏は「ニーズがあるといっても、安易なキャリア転換は失敗する。実はシニアのセカンドキャリアは簡単ではありません」と戒めます。セカンドキャリアで失敗する人には、勤めていた会社や経歴の自慢をする、自分では資料一つもつくることができない、派閥(グループ)をつくりたがる、女性がリーダーだと不機嫌になる、など会社勤め時代の習慣・考え方から抜け出せないという共通点があるそうです。

多様な人と良好なコミュニケーションをとっていくには、会社員時代のプライドや裃(かみしも)を捨て、「教えてあげる」という上から目線ではなく「一緒に考えたい、何かやりたい」という思いを表現して、共感を得ることが大切です。「過去を語らずに今を語ること、何かに夢中になり、汗をかくことができること、それがセカンドキャリア・デビューを成功させるためのポイントです」(松田氏)。

松田氏は丸の内プラチナ大学が「セカンドキャリアのための準備期間と教育機関としての明るいブートキャンプ」を目指すとし、どこでもやっていけるアクティブ層ではなく、潜在的アクティブ層を対象に、「丸の内プラチナ大学を集う場、学ぶ場、活躍する場として輝かせたい」と話します。

潜在的アクティブ層とは、やる気と問題意識はあっても「自分の強み・弱みがわからない」「そもそも何をしたいのかわからない」「したこととできることの区別ができない」「仲間をみつけられない」などの理由からアクティブになれない人たち。そんな人たちには、「第二の思春期、第二のモラトリアムとでもいうべき助走するための期間が必要です」と松田氏は話します。丸の内プラチナ大学が、自分を知り、現場を知り、社会を知るための場となり「多くの人がセカンドキャリア・デビューを成功させてほしい」とまとめました。

経験とは財産だが荷物にもなり得る

CSRWG04_02.jpg大手企業に勤めていた臼井氏は、昨年独立し志事創業社(しごとそうぎょうしゃ)を設立しました。サラリーマン時代の経験と独立創業に至る経緯のかなで得られた気づきの中に、セカンドキャリアに向けてのヒントがあります。臼井氏は「長いサラリーマン生活の中で積み重ねてきた経験は大きな財産ですが、一歩間違うと荷物にもなりえます」と話します。その理由は一つの会社に30年近くもいると、その会社の決まり事や環境の中でないと動けない、またその中だけで通用する発想しか生まれないからだとして、そのことを「社会と交わるための周波数がずれている、周波数に合わせる力が衰えている、だからチューニングが必要」と表現しました。

若手やミドルがシニアに対して抱く思いとしては、「経験豊富だが高圧的に接するので改善してほしい」「思い込みが強すぎて発展性がない」という否定的な意見がある一方で、「高い技術、ノウハウを持っているので教えてほしい」「相談相手として、経験を活かしたアドバイスをしてほしい」という肯定的な意見もあるそうです。「実はこれ、言っていることは同じなんです。つまり発信する側がチューニングすればいい」と臼井氏は言います。

臼井氏はスピンアウトによるセカンドキャリアを考えている人へ、「会社を卵に例えると、外側から割る、つまり会社の都合で割られるとそこで終わってしまうけれども、内側から自分で割れば新たな誕生、つまりスタートになります」とエールを送ります。臼井氏の志事創業社では卵を内側から割るために、企業人に対する「やりたいこと発見」「共感する仲間集め」「ビジネス機会の確認」などの活動をとおして、自主創業、社内新事業創出などを支援しています。「自分の可能性を信じて、実践してほしい」と臼井氏はまとめました。

CSRWG04_03.jpgお二人のプレゼンテーションを受けて、グループごとに感想をシェアするとともに、「高齢化が進む日本において、どのような社会が多くの人を豊かにするか」について、ワンフレーズでまとめ発表しました。
○やりたいことを口に出せる社会
○多様性を認めて楽しく仲良くすごせる社会
○いつまでも役に立つ人でいること
○自分の人生のオーナーシップを持つ
○すべての人に居場所と役割がある社会
○スマホなど情報ツールと相対での時間の双方を充足させるのが豊かな社会
○昭和時代の復活~アナログの人とのつながりを再評価

終了後の懇親会では、さらに深い意見交換が進み盛り上がりました。

CSRイノベーションワーキング

未来を想像し、次の時代のCSRを実施し、体感する

エコッツェリア会員企業を中心に、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)について学びあいます。さらには、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)をめざし、学びから実践に向けたアクションづくりを行います。

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