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【レポート】未来の丸の内を作り上げる3日間(後編:高校生編①)

丸の内サマーキャンプ2019 高校生の部 2019年8月21日(水)~23日(金)開催

4,8,12

丸の内サマーキャンプ「高校生の部」は大学生・大学院生の部の翌週、3日間(8月21~23日)で開催されました。大学生の時と同様、多様な講師を招いてさまざまな情報をインプットするとともに、議論などのアウトプットをセットにした構成となっています。参加者は高校1~3年までの16名。開幕時に、エコッツェリア協会プロデューサーの田口氏は次のように参加者に呼びかけています。

「この3日間で、講師を含め、いろいろな大人に出会うことになります。さまざまな講演を聞く中で、社会にはいろんな大人がいて、いろんな仕事の仕方、働き方があることをぜひ知ってほしいと思います。

 また、このプログラムを通し、自分で考えて、自分から動ける人間になるということを考えてみてほしい。社会に出ると、なぜこれをやっているのかと悩む大人も多いのが現実の世界です。自分で考えて一歩踏み出すために、積極的にテーマを見つけてください」

ファシリテーターとして、B-Bridgeの槙島貴昭氏・桝本才志郎氏の2人が参加するほか、大学生・大学院生の部に参加していた大学生たちも参加してテーブルファシリテーターを務めるなど、議論を盛り上げるお手伝いをしてくれています。

前編:大学生・大学院生向け①
前編:大学生・大学院生向け②
後編:高校生向け②

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高校生の部のアウトライン

高校生の部のアウトライン

高校生の部は、次のようなプログラムで実施されました。

<1日目>
▼オリエンテーション
▼講演「大学で学び、社会で学ぶ」
長岡健氏(法政大学経営学部教授)
▼フィールドワーク:大丸有街歩きツアー

<2日目>
▼講演「グローバル人材とは」
桝本博之氏(B-Bridge International, Inc.)
▼講演「人を繋ぎ、感動を与える仕事とは」
吉田淳一氏(株式会社NTTデータ)
▼フィールドワーク:施設見学

<3日目>
▼講演「多様な経験が人生を豊かにする」
ツノダフミコ氏(株式会社ウエーブプラネット)
▼ワークショップ:発表準備
▼発表
▼交流会

初日午前中のオリエンテーションでは、まず3日間のプログラムのガイダンスとして、3×3Lab Futureの様子を見学し、アイスブレイクで自己紹介も行いました。参加の動機・目的や、興味の対象、将来に対する意識などはさまざまでしたが、前向きな姿勢と素直さは共通しています。

田口氏は、プログラム中に参加者同士でコミュニケーションすることも大事だと話しています。

「講義やフィールドワークでたくさんのインプットがありますが、それだけでは人は成長しません。大事なのは、そこで感じたことをいろんな人と話すこと。アウトプットをすることで、新たな知識として身につけることができると思います。プログラム中は、参加者全員と話すことを意識してください」

<1日目>「大学で学び、社会で学ぶ」――長岡健氏/フィールドワーク・大丸有街歩きツアー

▼長岡氏の講義

長岡氏は経営学部で、組織マネジメント、人材の育成・マネジメントを中心に創造的コラボレーションのデザインを研究しています。この日は、講演というよりは、「大学の授業がどんな感じなのかを実際に体験する」ような"プチ体験プログラム"となりました。

長岡氏は冒頭、現在の大学の授業は対話・議論が中心になっていると説明しています。

「みんな、大学の授業ってどんな感じだと思いますか? 大講義室で白髪の先生が滔々と話す、というイメージがあるかもしれない。でも、今は、聞くじゃなくて『聴く』『対話する』。メモは取らなくて良くて、みんなで議論する。覚えるのではなく、みんなで新しい気付きを得ようとする。今の大学の授業は、そういうことが基本になっています」

その後、早速それを実地で体験するグループワークへ。まずは「『聞く』から『参加する』へ」と題し、「この人は何を選ぶか?」を議論して当てるというゲーム的なワークです。

例えば、「目玉焼きに何をかけるか」という問いに、長岡氏が「醤油」「ケチャップ」「塩・こしょう」の3つの選択肢を用意。その中からグループのAさんが何を選ぶかを、他のメンバーで議論して答えを導き出すというものでした。これは正解の分からない問いにどうアプローチするかという問題。答えを出すには事前の情報、観察から議論、考察する必要があります。

○アイスクリームと言えば...
・チョコレート味 ・ストロベリー味 ・抹茶味
○どんぶりと言えば...
・カツ丼 ・天丼 ・親子丼
○フルーツと言えば...
・みかん ・りんご ・バナナ
○ポテトチップスは何味...
・のり塩 ・コンソメ ・うす塩
○おにぎりの中身は...
・うめ ・こんぶ ・おかか

ワークを進めるにあたり、事前に「好きな食べ物」「嫌いな食べ物」をグループ内で共有し、議論のベースとしてもらっています。当てるのはなかなか難しく、正解率はあまり高くはありませんでしたが、事前の情報、観察、そして議論がどれだけ重要かを、少し体験することができたようでした。

このゲームが、大学の授業とどう関係があるのか。長岡氏は、ヒット商品番付を例に挙げて解説しています。

「昨年のヒット商品番付を覚えている人はいるでしょうか。2017年はどうだったか、2011年はどうだったか。これを授業に例えれば、『過去のヒット商品番付で何が1位だったか』を問うのが高校までの授業だとしたら、大学では『2020年に何が1位になるかを考えなさい』となるんです。

 そんなの誰も分からないですよね。僕だって分からない。参考書にも書いていない。ではどうしたらいいか。自分で考え、探さなきゃいけない。場合によっては自分で食べたり体験しないといけない。もしかしたら、実験もするかもしれない。そして意見を出し合って、みんなで議論して、熟考する。それが大学の授業のあり方です」

先程のグループワークは、そのエッセンスを簡単に体験するというものだったわけです。

「未来なんて分かるわけないじゃん、と諦めちゃだめ。ヒントは観察すれば見つかるし、みんなで話し合えば見えてくるものもある。もっと良いものを目指して、行きつくところまで考えるのが、大学の授業です」

後半はさらに深い内容で大学の授業を体験するため、「スリー・テン」と呼ばれるワークを行いました。これは、人類を脅かす致命的な環境の中生き残った10名のうち、7名残るとしたら、誰が残るべきか? 生き残れない3名は誰か?を考えるというもの。グループごとに一定の見解を出す必要がありますが、「多数決、じゃんけん、くじ等はNG」というルールがあり、必ず議論によって合意に達しなければなりません。2分程度個人で考えた後、15分、グループで議論し、3名を選択。その後、発表し、選んだ理由を説明しました。

ワークの後、各グループから発表された3名はそれぞれ異なっており、明快な「正解」というものはありません。「何年生き残るとか、7名に絞る目的が分からなかったので答えが出しにくかった」「考え方が何通りもあって難しかった」「必要な情報がなくて分からない」、と終了後には参加者からさまざまな声があがりましたが、「大学の授業というのは、つまりこういうことなんだ」と長岡氏。とにかく、このワークは圧倒的に情報が足りていません。前提となる食料備蓄量はどれくらいなのか、何年生き残らなければならないのか、他に生き残っている人はいるのか、それはどこにいるか。そして10名の大半が性別や年齢が明らかにされていないのです。

「情報が少ないから、いろんなことを推測し、仮定しながら議論しなければならないですよね。また、完全に答えの出るものではないし、絶対に正しいという正解もありません。だから、採点もできない。出てくる答えもひとつとは限りません。だから、『今』『ここ』で、『自分たちにとって一番良い答え』は何かを考える。納得できる答えにたどり着くことが大事なんです」

大学の授業とは、つまりそういうもの。

「大学は現実の問題を意識するので、さらに観察や体験、議論が大事になってきます。いろんな可能性を考え、『違う』ことを意識して考えてほしい。これは、新しい世界を作るようなものなので、答えがないことをストレスだと思わずに、面白がって取り組んでもらいたい。ワクワクするようなチャレンジをしていくことが大事だと思います」

大学に入りたての大学1年生でこのワークをやると、皆混乱して先に進めないことが多いそうです。「正解のない問題」にどう取り組むのか。思考の枠を飛び越えていく勇気が問われるものなのかもしれません。

▼フィールドワーク

講義の後は、フィールドワークとして、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)の街歩きツアーを実施しました。案内は、エコッツェリア協会理事の村上氏が務めます。村上氏は、長岡氏の講義で「観察が大事」という指摘があったことを受けて、「このツアーでも観察することに留意してほしい。何を観察するか、出発前にひとつテーマを決めて行ってください」と呼びかけ、そのヒントとして、出発前に大丸有の歴史と成り立ちをレクチャーしました。

「昔の大丸有はビジネスだけの街で、ビジネスマンしかいませんでした。しかし、主婦や学生、子どもなど多様な人が集まる街に生まれ変わるよう取り組んできたのが、この30年の流れです。街の中に人が集まりやすくしたり、買い物や食事に出かけやすい空間を作ったり、一緒に盛り上がれたりするような、ビジネス以外の価値を生み出す工夫や仕掛けがいっぱいあります。今日の街歩きでは観察する視点を持って、何かひとつ、見つけてほしいと思います」

【順路】大手町パークビル→環境共生型緑地広場「ホトリア広場」→平将門の首塚→大手町ビル→大手町の森→丸の内仲通り→日本工業倶楽部→行幸通り→丸の内ビルディング→丸の内MY PLAZA→丸の内ブリックスクエア→KITTE丸の内→東京駅→大手町野村ビル

大丸有=オフィス街というイメージが強かった参加者にとって、緑豊かな街、ショッピングができる街という大丸有の異なる側面は驚きの発見となったようでした。

<2日目>「グローバル人材とは」桝本博之氏/「人を繋ぎ、感動を与える仕事とは」吉田淳一氏/フィールドワーク・施設見学

初日の緊張が取れたのか、落ち着いた屈託のない笑顔が多く見られた2日目。この日は大学生・大学院生の部でもシリコンバレーから中継で登場したB-Bridgeの桝本博之氏、午後は壮大なスケールのプレゼンテーション「吉田劇場」で知られるNTTデータの吉田淳一氏が、インプットトークで学生たちにメッセージを贈ります。午後はフィールドワークとして、大丸有のインキュベーション施設を見学しました。

▼桝本氏の講演

桝本氏の講義は、シリコンバレーとはどんなところなのか、そして、そこでどうすれば、自分の人生を生きることができるのか。グローバルで活躍する人材に必要なエッセンスは何なのかを考えるものとなりました。

まず、シリコンバレーがどんなところなのか、その成り立ちから講義はスタート。「シリコンバレー」はカリフォルニア北部地域のニックネームです。1970年代からコンピューター関連の産業クラスターが形成されたことから、この名で呼ばれるようになりました。現在はITにとどまらず、ありとあらゆる最先端の産業が集積しつつあります。その要諦は、「ビジネスを生み出す土壌が育まれていること」だと桝本氏は言います。それは、人・技術・資金・ネットワークの4つの要素からなっています。

「もともとは、創造性と技術力のあるスタンフォード大学に、優れた人材が多く集まってきたことがきっかけでした。彼らにビジネスを起こさせるために、お金が集まるようになって、お互いに助け合う仕組み、ネットワークができてきた。そのネットワークを『産業クラスター』と呼びますが、これは19世紀のゴールドラッシュの時代からの伝統であったかもしれない。今シリコンバレーは世界最大の産業クラスターとも言えます」

ゴールドに賑わった街に、さまざまな職種の人が集まって、お互いに助け合うようになったのがカリフォルニアの気風。現在は、ITなどの最先端技術でそれが行われているのがシリコンバレーです。

もうひとつのシリコンバレーの特徴は、「ストレスフリー」あることだと桝本氏。交通の便は悪いが、気候は最高。大地を身近に感じることができるうえ、乾燥しているから日中は暑くなっても不快ではない。夜は12度くらいまで下がる、高原のような快適さです。しかし、一番ストレスフリーなのは、人によるストレスがないことです。皆自由に振る舞い、他の人の目を気にしない。逆に他の人がどんな格好をしていても気にしない。

「そうすると、ありのままの自分が出せるようになります。自分は自分であっていい、という認識になり、自分の『強さ』も『弱さ』もそのまま出すことができ、それを武器にできるようになる。特に弱さを出せるのは大事なことで、『強さ』しか出さないと競争、喧嘩になってしまう。でも、弱いところがあれば可愛げもあるし、助けてくれる人も出てくるし、実はそのほうが遠くまで行けるようになる。人は一人では生きられない。自分の弱さを公開する勇気があれば、他人とつながる機会が増えて、どんどん楽しいことが起こるようになっていきます」

さらに、やりたいことができるようになるにはどうしたらいいかをアドバイス。それは、「やりたいことは言い続けること」。桝本氏は、海外で働きたくて、それを周囲に言い続けていたら、いつの間にかヘッドハントされてその夢が叶ってシリコンバレーで働くようになったという過去があるのです。

「こうなりたい、こういうことをしたい、と言い続けているといつかきっとチャンスが来る。言い続けていると自分でも意識するし、意識しているとチャンスに敏感になる。そして、チャンスが来た時には、悩まずに決めることも大事です」

「興味」も重要なキーワード。興味のないことには、所詮上辺だけになって長続きはしません。逆にいえば、興味を持てるようになるまで、じっくりと深めることも必要です。また、ひとつに絞らず、いろいろなことに興味を持つことが大事だとも指摘。シリコンバレーに集う人は「何にでも興味を持つ傾向がある」と桝本氏。

「日本では右向け右で、みんなが同じことに興味を集中させてしまいますが、実はそれだとコトが起こりにくい。シリコンバレーだと、みんないろんなことに興味を持つ。ハイテクだけじゃなく、ラーメンとか禅とか、全然関係ないことに興味を持つから、常識にとらわれない、新しいサービスや商品を思いつくようにもなります」

そして参加者に「何にでも興味を持って」と呼びかけます。

「例えば、隣の家の人に興味を持っているだろうか。今日、同じテーブルについた仲間に興味は持っていますか? 誰かに言われてではなく、自分の感性で、何にでも興味を持ってしかるべきだと思う。与えられたものだけを食べていても生きてはいけるけど、美味しいものを探して食べたほうが、絶対にたくさんおいしいものを食べられるはずですよね」

そして興味を抱き続けるために、「なぜ?を問いかける勇気を」とメッセージ。

「子どものころは、何にでも興味を持って、あれは何? なんで?と親を困らせたことがあったはず。子供にとって世界は常に新しく、期待に満ちたものだっただろう。その気持ちを思い出して、怒られることを恐れずに、なぜ? 何?を問い続ける人間になってほしいと思います。そうすると、進学も就職も、納得感を持って進められるのではないでしょうか」

「子どものころは、何にでも興味を持って、あれは何? なんで?と親を困らせたことがあったはず。子供にとって世界は常に新しく、期待に満ちたものだっただろう。その気持ちを思い出して、怒られることを恐れずに、なぜ? 何?を問い続ける人間になってほしいと思います。そうすると、進学も就職も、納得感を持って進められるのではないでしょうか」

▼吉田氏の講義「人を繋ぎ、感動を与える仕事とは」

年間90回以上の講演で「吉田劇場」を見せて語る吉田氏は、「今日は泣いて笑って、気持ちよく見てほしい。そして、世の中には変な社会人のおじさんがいるんだなということを知って帰ってほしい」と呼びかけて、プレゼンテーションをスタートしました。その一番のメッセージは、「すべての仕事は人を喜ばせるためのサービス業」だということ。吉田氏は、東京ディズニーランドでのアルバイトでそれを学んだそうです。

「東京ディズニーリゾートには1万人以上の従業員がいますが、全員がお客さまに夢を与えることを強く意識しています。とても大変な仕事にはなりますが、すべてがショーで、毎日が初演という気持ちで取り組まなければいけないんです。僕はいろいろな役を2年経験しましたが、すべての仕事がサービス業なんだという意識は、そこで身につきました。これは行政でもメーカーでも、なんでもそう。相手がいて、その相手に何かを提供する仕事は、すべてその人を喜ばせるためのサービス業でもあるんです」

そして、吉田氏が専門とするIT業界で、どのような事例があるのかを動画付きのプレゼンテーションで紹介していきます。そのキ-ワードは「つなぐ」ということ。紹介したのは、以下のような事例です。

○スイスのチョコレートメーカー・MILKAのキャンペーン「Dare To Be Tender」で登場した"手をつなぐとチョコレートがもらえる自動販売機"
○発話障害のある母親が子どものために、最先端技術でバースデーソングを歌う夢を実現した韓国の生命保険会社AIAの「Mother's first song」プロジェクト
○制限速度を超えると家族の声でメッセージが届くペルー・HONDAのプロジェクト
○フランスの医療団体が仕掛けた、末期ガン患者が病気のことを忘れて心の底から驚き、笑えるようにする「If only for a second」
○KLMオランダ航空が、アムステルダム・スキポール空港で仕掛けた「Bonding Buffet」。空港ロビーの柱の周りに椅子が置かれ、すべての椅子が人で埋まったときに、重力センサーが感知して上からディナーの乗った円卓が現れる仕組み。

「Dare To Be Tender」や「Bonding Buffet」が見せたかったのは、失われつつある人と人のつながりの大切さ。「If only for a second」は、医療が単に病気を治療するのではなく、その人を癒すものであるということを伝えてくれます。
「人と人がつながるって素敵ですよね。仕事って何だろうって考えてしまうと思います。私たちの仕事の向こう側には、必ずこうやって喜んでもらえる人がいることを忘れてはいけないと思います」

そして、次のプレゼンでさらに一歩「人の気持ち」に踏み込みます。

「技術は進み、近い未来、センシングのセンサーは全世界で10兆個を超えますが、その時世界はガラっと変わるとも言われています。しかし、ここでちょっと考えたいのは、技術の進歩だけで世界が幸せになるだろうかということ。人と人がつながるには、『雑音』も必要なのではないでしょうか」

そう話して紹介したのは、以下の事例です。 ○カーナビ「ECLIPSE」が、子どもたちが目隠しで助手席に乗って、父親の運転が分かるかどうかを実験した「Father's Drive」。
○離れて暮らす若者が、母親のお弁当かどうかを見分けることができるかの実験「HANDMADE HOMETOWN」(西友のCM)
○高齢者と若者をつなぐ、ルーマニア・ボーダフォンのプロジェクト「Sunday Grannies」。高齢者が食事をSNSにアップして呼びかけると、お腹を空かせた学生が集うようになる。

「『Father's Drive』では、子どものための安全なハンドルの切り方やブレーキの優しさで父親だと見分けることができたり、『HANDMADE HOMETOWN』では、母親のお弁当に子どもへの愛情が詰まっているからこそ、それと分かるわけです。形やデータとして残らない、気持ちや愛情、文化や伝統、AIでは再現できないものを伝えていくということは、どういうことなのかを考えてほしいと思います」

そこで、NTTデータが取り組んでいる「空間共有のプロジェクト」を紹介。これは青森とイタリアのピエモンテを中継でつなぎ、一緒に料理し、食の楽しさを相互に楽しむ空間を共有するプロジェクトでした。

「人と人をつなぎ、データにならないものを伝えるには、空間を共有するのが一番だと思います。通信技術が発達し、データ量が飛躍的に拡大したことで、こういう空間共有が現実のものとなっています。このプロジェクトを通じて両市の関係が深まり、商品開発などもするようになりました」

そして、最後に改めて参加者へのメッセージを語って締めくくりました。

ピクショナリを体験

「ITが発達して、いろいろな地域、人同士がつながることができるようになっています。しかし、大事なのは気持ちがつながること。そのつながり方は無限にあると思います。みなさんもやがて社会に出て、仕事をするようになるでしょう。そんな時に、すべての仕事は人とつながって喜ばせるサービスだということを忘れないでほしいと思います。
そして、この先大事なことは、実際に経験していくということだと思います。実際に経験したことだけが、みなさんの血となり肉となり、正しいか正しくないかも判断できるようになる。ネットで検索して理解するのではなく、社会に出て、実際に体験すること。みなさんは、今回こういう場に出てきて体験しているのは、とても素晴らしいことだと思います。同じようにこれからもどんどん社会に飛び出して、吸収してください」

その後、コミュニケーションの面白さ、機微を感じるために、伝達ゲームの一種「ピクショナリ」と、アイデア創出のグループワークを行いました。グループワークでは、吉田劇場の紹介事例をヒントに、「人と人がつながる」「人の気持ちを感じ取れる」サービスや商品のアイデアを考えようというもの。最後の発表では、思い思いに語られるアイデアを相互に評価し合いました。

▼フィールドワーク2~施設見学

EGG JAPANにて

初日に続いて、大丸有エリアにあるインキュベーション施設を見学するフィールドワークに出発。EGG JAPAN(新丸ビル)、Inspired. Lab(大手町ビル)を訪問し、コンシェルジュの説明を受けました。その後は大手町パークビルの三菱地所本社を訪問。スタートアップ、ベンチャーがビジネスを起こし、拡大していく現場や、最新のオフィスの様子を見ることができました。ある参加者は「こんなにキレイなオフィスがあることに驚いた。リラックスして仕事ができそう」と目を輝かせていました。

後編:高校生向け②

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