シリーズVOICE

【VOICE】伊藤彰さん

日本サブウェイ株式会社 代表取締役社長

"農業の出口"としてさまざまな施策を提案

2010年、『店産店消』をコンセプトに、店舗内に植物工場を設置した「野菜ラボ 丸ビル店」をオープンしたのがきっかけでエコッツェリアとのお付き合いが始まりました。サブウェイでは2008年より「野菜のサブウェイ」と銘打って野菜に力を入れている事もあり、農業の一つの出口として、東京駅周辺で就業する23万人を健康にするというプロジェクトに、何かお手伝いが出来ないかという事で参加させていただいております。関わっていく中で、日本国内で起こっている新たな取り組みや技術などを、東京の中心から発信出来るエコッツェリアには大きな役割があるなと感じています。

Q1
「店産店消」の取り組みについて、現在の状況をお聞かせください。
A1
オープンから丸3年以上が経ちましたが、技術の方も進化しており、現在はカバーを付けるなどして光を効果的に集中させ、結球しやすいレタスを水耕栽培で作っています。通常レタスは400g程度のものが多いですが、800g~1kgのレタスを作る事で、コスト面でのメリットがあります。丸ビル店は「ラボ」ですので、新しい技術をお客様に伝える場所として、今後もさまざまな施策を提案していければと思っております。まだ検討段階ですが、透析患者の方も食べられる低カリウムのレタスなども栽培していきたいと考えています。
Q2
これからエコッツェリアでやりたい事を教えてください。
A2
野菜の安定供給という課題を、さまざまな企業や人間と協力しながらクリアしていくのに面白い提案ができればと考えています。植物工場を含めた農業を、産業として成功させるためには、露地栽培といかに融合させるかといった問題や、農家の方との協力、技術の幅広い理解が必要です。その為には新しい技術を伝えるセミナーを開催したり、契約農家さんの農場を見学して、実際に土と触れ合っていただくツアーを企画するなど、東京駅周辺で就業されている方が農業に触れる機会を増やしていきたいですね。
Q3
大丸有のすごいと思うところを教えてください。
A3
東京駅周辺のエリアを整えればそれだけ日本は強くなる、すごいエリアだという印象があります。ただ、世界のどの都市もこういう一面がありますが、あまりにもさまざまなものが集積しすぎてしまう。日本はそれが顕著だと思います。大丸有エリアを情報発信の場として活用しつつ、新たな技術や仕組みを地方へどう伝え、良い影響を与えて行くかというのが一つの問題であると思っています。
Q4
大丸有エリアを自由に出来たら、何をやってみたいですか?
A4
農場をやりたいですね。植物工場的なものと、露地栽培の両方が出来るといいと思います。出勤前に勉強をされたり、スポーツジムなどに行かれる方が現在いらっしゃると思いますが、それと同じような感覚で「朝農場に行ってきたよ」というようなうまい仕組みが作れたら面白いと思いますね。
Q5
最後に、伊藤さんの「大切にしているモノ・事」について教えて下さい。
A5
うーん...最近は家族を大切にしないで怒られてばっかりいますが、まあそれは置いておいて(苦笑)私の社会人経験の中から言うと、それぞれの持つアセットの中にある大切なものを見つけ出して磨く、という事を今までやってきたのかなと最近考えていまして。それをするためには、実際に現場に行ってその場のにおいや雰囲気、目的の事物以外のものも含めて見る目を養う必要があると思っています。今は情報化社会で容易に情報を得ることが出来ますが、現場へ行くと実際は全く違うという事が多々あります。「常に現場を意識する」というのが信条ですね
伊藤彰(いとう・あきら)
日本サブウェイ株式会社 代表取締役社長

大学卒業後、サントリー株式会社(現サントリーホールディングス株式会社)に入社。スペイン・マドリードでレストラン支配人を務めるなど、10数年にわたり外食関連事業に従事。1998年より日本サブウェイ株式会社へ出向し、同社のフランチャイズ展開に尽力。2003年に代表取締役に就任。以降、2008年には「野菜のサブウェイ」のタグラインを打ち出すなどさまざまな施策により企業イメージと業績を大きく変え、店舗数を飛躍的に増やし続けている。

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